地主が "守る会" 組織

"象のオリ" 建設反対で

 論議を呼んでいる自衛隊喜界島通信所への通信傍受アンテナ・"象のオリ" 建設問題について、地元赤連地区の建設予定地地主の有志四十一人が先月三十日、「赤連農地を守る会」を結成、各家庭に「防衛庁・不動産屋の訪問拒否」などと書いたポスターを掲げるなど、農地不売運動を展開している。(喜界)
 "象のオリ" 建設問題は、十二月の喜界町議会で、地元町民などから出された反対請願・陳情が全会一致で採択され、野村町長も「住民の意思を尊重する」との立場を表明したことから、同町内外で反対運動の機運は高まっていた。
 しかし、防衛施設庁当局は「今後も地主に対する説得、買収交渉を続ける」とあくまでも計画を推し進める考えを示した。このため、今後は「農地を絶対に手放さない」との強い決意のもとに地主が一致団結して農地を守り抜こうと、先月三十日、岩井忠吉さん、愛島富蔵さん、石原善豊さんら建設予定地地主の約五分の一に当たる四十一人の地主が一堂に介して「赤連農地を守る会」を発足させた。
 同会では会員の各家庭の玄関口に「象のオリ反対 畑は絶対売りません 防衛庁・不動産屋の訪問はお断り致します」と書いたポスターを張り、広報カーも準備、防衛施設庁の説得、買収交渉の動きに対しては会員相互で情報交換するなど、生活基盤である農地を守り抜くため、農民主体の地道な運動を進めている。

1987年01月09日、南海日日新聞記事より