喜界島象のオリ、防衛庁が7800万円を概算要求


 防衛庁は来年度予算の概算要求で先月31日までに、喜界町川嶺地区に計画されて いる高感度円形無線傍受施設・通称「象のオリ」整備関連経費として農道整備、川嶺 地区水道整備費など約7800万円を要求。その中には昨年、一昨年と予算計上され なかった用地買収費1900万円も含まれている。民社党の久保亘代議士(参議院議 員)の事務所が明らかにした。概算要求の内訳は (1)農道の付け替え工事費 (2)川嶺地区水道施設整備費 (3)用地買収費、同借り上げ費。今年度とほぼ同額の要求となった。水道整備は来年度から工事が着手される。土地買収は98年度までに建設予定地総面積 約30ヘクタールのうち、約9割(28ヘクタール)を終えたものの、それ以降は地 主との交渉が難航している。このため防衛庁は、昨年度から土地の借り上げに乗り出 した。昨年度までに買収や借り上げで防衛庁が取得した土地は、建設予定地総面積の 98%にあたる29.7ヘクタールに達している。概算要求が示されたことについて、地元で建設反対運動を続ける「喜界島の豊かな自然と平和を守る町民会議」の丸山邦明議長は「9ヵ所の土地を所有する反対地主を説得しない限り計画は進められない。いろんな形で策を講じてくるだろうが、残された地権者は絶対に土地を手放さない覚悟でいる。今後も計画阻止に向け頑張る」などと語った。

2000年09月02日、南海日日新聞記事より