市民団体予定地でキビ収穫

平和な島 渡さない

喜界島・象のオリ


 防衛庁が大島郡喜界町に計画する電彼傍受用大型アンテナ施設(通称・象のオリ)に反対する市民団体・喜界島の豊かな自然と平和を守る町民会議(丸山邦明議長)は十八日、同町川嶺の建設予定地内に植えたサトウキビを収穫した。予定地(約三十ヘクタール)の買収・借り上げを進める防衛庁に対し、土地を手放さず建設阻止を訴えるのが目的。
 賛同する奄美地区平和運動センターのメンバーらも奄美大島から駆けつけ、総勢約三十五人が参加した。同会議が反対地主と共同所有している約四百平方メートルの土地で、一昨年秋に植え、約三・五トンを収穫した。売上金は同会議の活動資金に使われる。
 丸山議長は「新ガイドラインにより、軍備が整いつつある。建設阻止は平和のとりでを築く闘いだ」とあいさつ。佐倉茂久・同会議事務局長も「喜界島はキビを中心とした農業の島。収穫量はわずかでお金にならないが、平和な島を願い植え続ける」と訴えた。同会議は予定地内の別の土地にもキビを植えている。
 防衛庁は今年に入り、未買収地約一・六ヘクタールを年額約二百万円で借り上げ、二九・六ヘクタールの土地を確保。参加者は「防衛庁は九九%の土地を手に入れたというが、反対地主の土地が予定地中心部に点在している。建設はできないはずだ」と話した。

2000年03月19日、南日本新聞記事より