こんな本入りました!

2000年12月26日記

庭 第133号  奄美に見る庭と自然」

2000年5月1日・建築資料研究社発行・A4・192頁・2800円+税


特集1 奄美の楽園
 魅惑の薗(その)邸庭苑
 モノクロで見る薗邸のたたずまい 
 自然に囲まれた庭苑の魅力 
      
特集2 嘉鉄の集落とすまいの庭
 泉邸の庭と石垣  さまざまな石垣の表情  奄美を代表する高倉の庭
 現代すまいの庭  川元邸/益満邸/中村邸
  ・サンゴ石灰岩の石垣が残る嘉鉄の集落
  ・奄美独自の建築様式である高倉とその庭
 奄美とさまざまな庭への思い

特集3 自然から庭を学ぶ奄美の海と植生
 サンゴ礁と変化に富む海岸
 亜熱帯の原生林
  ・コバルトブルーに輝くサンゴの海
  ・亜熱帯特有の植生とその魅力
 奄美の自然環境とその問題点
  ・琉球石垣が残る秋名の里
  ・奄美大島全図と島の紹介                            
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「韓国に続いて奄美大島の景観をお目にかけます。九州の南に列なる奄美諸島は、
また独特の雰囲気を持っていて、都会の喧騒に慣れた人たちからすれば、得がたい
オアシスのようでもあります。

恵まれた自然、そして一方ではそのような環境の中で新たに挑んで行く庭造りの姿、
それら自然と人工の景が、ないまぜのように浮きあがってくる感じもします。こうしたと
ころにも文化としての庭のありようの面白さといったものが感じられそうです。」
(編集後記より)
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いやぁ、この雑誌を知ったときはホントに驚いた。
日本の庭以外では韓国以来の特集という特異性(沖縄は?)と、
巻頭の40ページを飾っている、(特集1の)薗(その)邸は、
ぼくが日常的に通っている薗博明さんの実家だったからだ。
環境ネットワーク奄美代表の薗さんのインタヴューを読むと、
なるほどこの庭から彼の思想形成と運動論が展開していったんだ!
ということを再確認させられた。

その他、ぼくらが日ごろ、なにげなく目にしている奄美の普通の家や屋敷などが、
実は日本列島の社会には見られない固有の自然の景観として注目されていて、
高く評価されるという事自体にも新鮮な驚きがあった。

特集3の「自然から庭を学ぶ奄美の海と植生」にも目からウロコだった。
奄美の海岸や山林それ自体が、天然(カミ)が創造したワンダフール・ガーデンそのもなのだ。
21世紀の奄美に生きるぼくらがしなければならないことは、奄美の固有の環境の価値に気づき、
それと共生するための生き方を実現していく事にほかならないのではないか。

奄美の庭と自然をとおして、人と地球と宇宙のあるべき曼荼羅図をも描いている本誌は、
意外性に富む構成だ。写真もマンディー(満載)です。
                                            (Morisin)


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