廃れ行く「流行り唄」「俗曲」「伝統文化」 
湧水町つつはの郷土研究会 吉岡勇二  投稿 平成29年1月

三味線や昔の流行り唄に興味のある方のために、平成28年(2017)12月発行の
機関誌「つつはの40号」に上記テーマで投稿しました。



湧水町の広報にも紹介しました。



昔人間にとって、スマホ・インターネット・QRコード・Youtube類は取っ付きにくいかも知れま
せんが、情報を得る手段が印刷物と饗応したデジタルも進化してきているので、将来を見
越しての技法で、田舎の文化を伝承できたらと思って編集したものでした。

大成功 増刷の50部完売 しました。!! (^^)/

それならと平成29年(2017)2月より、これらの「流行り唄」「俗曲」はこのHPを経由して
YOUTUBEで聴けるようにしました。

大半はネット上のリンク操作ですが、以前、吉松の三味線奏者だった<柿木キサミさん>
都城のゴッタン奏者だった<鳥集忠男さん>の懐かしい曲も家族の同意を得て
配信しましたのでご活用ください。

小冊子一部抜粋



 曲 名            エピソード
自転車節  〇当地区には「自転車節」として伝承

〇元唄は明治42年ごろ流行した「ハイカラ節」
 ♪
ゴールド眼鏡のハイカラは  西の都の目白台
 女子大学の女学生 片手にバイロンゲーテの詩
 口には唱える自然主義 
早稲田の稲穂がサーラサラ
 
魔風恋風 そよそよと


〇「ハイカラ節」は関西ではチリリン節

〇 「自転車節」は今でも人気がある。

柿木キサミさん 自転車節  

元唄 ハイカラ節 

熊本地方の自転車節
磯  節  磯節は栃木県の民謡

元唄は「甚句」調で少しテンポが遅い。

〇元唄
磯で名所は大洗い様よ 松が見えますほのぼのと

〇地元の唄
みやま峠にさいたる桜 なんぼ色よく咲き乱れても
 人が見なけりゃ その木そのまま廃るじゃないか


柿木キサミさん 磯節  

元唄 磯節(茨城県民謡) 

正調 磯節

私の磯節(下手ですが)
鴨緑江節  〇大正7年ごろ流行した。
〇鴨緑江 は朝鮮と満州を区切る大河
韓国併合時代和歌山熊野地方から筏乗りが出稼ぎ、
 鴨緑江の筏乗りの歌として発生した。

〇替え歌
たけおさん 北方たんぼで 飛行機が上がる
 いまだ飛行機は アラ 舵風まかせ ヨイショ
 落ちゃあぶないね ヤッコラ たけおさんよ
 お落りゃマタ 川内川水の上チョイチョイ

 
(栗野北方には飛行場があったのか?)

柿木キサミさん 鴨緑江節 

正調 鴨緑江節
大津絵節


おちえ節 

大津絵節は、江戸時代後期から明治時代にかけて
 全国的に大流行した三味線伴奏の娯楽的な短い歌謡

〇都都逸(どどいつ)・かっぽれ・さのさ・やっこさん
 浄瑠璃・文楽(人形)などの俗曲の1つ。

〇宴席の座興や寄席で歌われ当地方には「おちえぶし」
 として伝承されてきたが、現在継承者は殆どいない。
 ♪冥途の飛脚(大阪)♪向う鏡 ♪はるばると 
 柿木キサミさんの曲は重要である。

大阪を立ち退いて 二人の姿が目に立たば
 借駕籠に身をやつし 奈良の旅籠や三輪の茶屋 ・・・


<浄瑠璃 冥途の飛脚を>

柿木キサミさん (大阪) 

島津亜矢 (梅川) 

永野エミさん (梅川忠兵衛)
//////////////////////////////

<文楽 関取千両幟を>

柿木キサミさん (向う鏡)

レコード (関取千両幟)
吉松さのさ  〇 「さのさ」は江戸端唄の一つとして紹介されることが多い。
 江戸時代末期に中国から長崎の出島に伝わった。
 明清楽の一つで九連環」が日本風にアレンジされて
「法界節」となり、さらに庶民に親しみやすい端唄として
「さのさ」に変化したもの。
 盛んに唄われ始めたのは明治三十年代になってから。

〇「さのさ」の歌詞は無数にあり、即興で歌詞をつけて歌う
 ことを粋としていた。

〇「吉松さのさ」歌詞 1番
あの花はきれいな花だよ アリャよその花 トサイサイ
  あの花野山に 咲くなれば コリャ
 一枝折りてネ 床の間に 挿してマタ
 散るまで
 眺めたや サノサ


元歌 ザ・わらべの「さのさ」 

柿木キサミさん 吉松さのさ 

永野エミさん 吉松さのさ 

福島トミエさん 踊り 

書生節
 
〇「書生節」で取り敢えず検索されたし。
 
 「書生節」は「さのさ」と同じように大衆音楽としいて形を変えて
 慕われ 歌われてきた。
 全国各地の よさこい節 まっくろけのけ節 復興節 などが
 「書生節」として登録されている。

〇 (書生書生と 軽蔑するな 明日は太政官のお役人)
 明治初期に書生
(今でいう大学生)が広めた歌が底流に
 ある。

〇トップバッターに柿木キサミさんの「書生節」
 
 2番手は、なんと鳥集忠男氏。鳥集忠男氏の
 ゴッタン演奏は苦労してアップしたものです。協力して
 いただいた関係者に感謝申し上げます。


 3番手は盲目のゴッタンの名手、荒武タミさん。

柿木キサミさん 書生節 

鳥集忠男さん よさこい節 

荒武タミさん 夜這い口説き
 
ハンヤ節

おはら節

すもとい節
鹿児島ハンヤ節    森 昌子のおはら節

柿木キサミさんの角力節  角力節踊り

動画 在りし日のキサミさん
永山成子さんの

栗野もみすり唄 
〇 永山成子さんの発行の「鹿児島の民謡集 第3集」より

  これの御祝(ごゆ)いに 初米すりて
   唄を上げむね ヤートナー
   花唄を セッセ