県内ニュース(10/23 07:23)

鹿県北部豪雨3カ月 河川改修一刻も早く
被災住民、激特事業に期待
 鹿児島県北部を局地的に襲った7月の豪雨災害から22日で3カ月が経過した。浸水被災者の生活再建が徐々に進む中、川内川、米ノ津川の河川激甚災害対策特別緊急事業
(激特事業)が決まり、抜本改修への道筋が見えてきた。またいつ襲ってくるとも知れない豪雨に、
被災者の多くは早期改修を期待するが、計画の詳細な情報提供を求める声も強まっている。

 ■大口・湧水
 大口市、菱刈町の住民らでつくる「川内川伊佐地区豪雨災害対策協議会」(宮脇和生会長)は22日、
川内川上流域の現地視察を行った。約30人が同市から菱刈、湧水町、えびの市まで約4時間かけ、
本流、支流の堤防の状況や水門など10カ所を回った。

川幅が二十数メートルしかない湧水町の阿波井堰(あばいぜき)では「こんな狭い部分があるとは。
吉松の人が問題視するのも分かる」と驚く参加者も。
同会は9月末設立し、すでに激特事業説明会も開いた。宮脇会長(62)は「上流も下流も災害に耐えうる
川になるよう、机上論ではない地域の声を上げ、国が何をしようとするのか見守りたい」として、今後も説明
を求めていく考えだ。

湧水町では、阿波井堰をめぐり上流側の吉松地区住民が長年の要望である「井堰の撤去」を求めるのに対し、
下流側の栗野地区は「撤去されると、水害の恐れが強まる」と不安視している。激特では「まず井堰の
上流部を掘削する」計画になった。

国は今後、町の意見を聴き阿波井堰を含む狭窄(きょうさく)部の将来像を検討し、河川整備基本計画に
盛り込む方針。米満重満町長は「基本計画は下流側も理解できるものになるだろう。改修の行方に行政も
住民も関心を持っていきたい」と話した。




阿波井堰に降りて水の流れを確認する
川内川伊佐地区豪雨災害対策協議会のメンバー
10/22日、湧水町