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公式な場は男だけ

No.120(2003.09.07)


田舎では今でも基本的には男尊女卑なのかどうか、私が南九州のとある過疎化する農村に移住した直後の印象を思い出してみます。

初めて夫婦で出席した地区の年次総会で、田舎では性差による区別が都会とは全然異なることに気付きました。

女性陣は公民館に着くと炊事場に直行して総会後の懇親会の準備を始め、総会自体には最後まで列席することはありません。

当然のことながら総会での発言の機会はまったくありません。

懇親会の時も長テーブルを2列に分けて並べ男女はそれぞれ別の列のテーブルに座るので、男女が隣り合わせることはありませんでした。

宴会が続く中で男性陣の数がある程度減った時点で広い板の間から一段上の座敷に移動します。

その時点での後片付けが済むと、その年に役をしていた家庭の奥さん以外の女性陣は皆帰宅することになっていました。

男衆は最初から最後までただ飲んだり食べたりしていればいいわけですから楽です。

よって男の立場からすると天国です。

日常生活でも女性の方が仕事量が多いように思えました。

私が居た地区では専業主婦という女性は非常に稀で、専業農家なら農業の手伝い、兼業農家の場合はパートで働きに出るというのが普通でした。

それでも炊事洗濯掃除の家事全般は当然女性の仕事とされていましたし、子供がいれば子育ての仕事もそれに加わります。

もっともこの辺りの事情は都会でも同じかもしれません。

ただし都会と違うのは、男が家事をするのはみっともないという暗黙の了解があるために周囲の目を気にしなければならない点でしょう。

仮に家庭内で女性が主導権を握っていたとしても対外的には家長を立てておく必要があります。

また、女性が公的なものに関わろうとする際にはその家の家長を通じて行なうという手順が必要になります。

行政の住民に対する接し方も対応する職員によって個人差はあるものの、その住民が男なのか女なのかで差があることも多かったです。

要するに女性の意見、要望は軽視されがちだということです。

むしろはっきり意見を言う女性は煙たがられるという方が実態に近いかもしれません。

さらに女性の飲酒はあまり好感をもたれませんし、ましてやタバコを吸う女性はご近所さんたちからは白い目で見られるでしょう。

結論として都会育ちの女性が農村や田舎で暮らす際には相当の不自由さを感じるでしょうから、余程の覚悟がない限り長続きはしないと思います。

いくら本人が我慢に我慢を重ねているつもりでも、周囲から見れば当たり前のことをしているだけなのですからいずれ空しくなります。


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