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農村で暮らす (15)

No.71(2002.01.10)


地方自治体の主催する成人式に出席した新成人の非常識な行動がマスコミで大きくとりあげられたのはちょうど1年前の今頃でした。

私が農村生活を始めて6年目の年に、3集落が1つの行政区を成すという複雑な地区であったために、成り行きでよそ者でありながら公民館長(行政区長)をすることになりました。

その1年間は基本的にあらゆる公式行事に参加、列席しなければならないことになっていて、成人式にも来賓として招待されました。

当時も式の内容は格式ばっていて退屈なものなのに7年前の新成人の態度は悪くありませんでした。

人口が1万数千人の町でしたので式中に新成人は一人ずつ全員名前を呼ばれて起立したという記憶があります。
それでも式が1時間と少しで終わるほどの人数しか新成人がいないのです。

来賓や参列者は新成人の名前が呼ばれるとしばしばそれが誰の子供かを耳元で確認しあいます。

そんな狭い地域社会ですのでおかしな行動をとる新成人がいてもすぐに親の顔が見れる、というわけです。
ですから当地の成人式は今でも荒れていないと推察されます。

式で前述のような問題が起きた自治体の規模はもっと大きいのでしょう。

ところで私が成人した大昔は東京などの大都会では公式の式典に参加するのは少数派でした。
おそらく現代でもその状況は変わっていないのではないかと思います。

田舎以上大都会未満。

そのようなところがその手の問題の該当地区ということになるとしたら、そこに住む人口が一番多いかもしれません。

都市化の過程で社会が不安定になり秩序が失われるのでしょうか。


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