第18回 鹿児島県柔道選手権大会

              

新名(鹿児島刑)が初優勝

  来る4月29日,日本武道館で行われる全日本柔道選手権の九州予選出場の鹿児島県予選会を兼ねた標記大会が,平成20年2月2日(土),鹿児島アリーナ武道場で開催された。
 出場選手は,県下13支部,県警察をはじめとする各職域・大学等から選出された総勢44名であった。
 決勝は3連覇を目指した帖佐選手を破り勢いに乗る新名選手(鹿児島刑務所)と,念願のベスト4進出を成し遂げた田代選手(鹿児島県警察)の対戦となり,どちらが勝っても初優勝であった。
 中量級の二人の動きは速く,開始25秒,新名が小外掛けで有効を奪うも,田代も積極的に内股等で攻め続け,同2分34秒,技を掛けるタイミングを取れない新名に教育的指導が与えられた。さらに田代は果敢に攻め続けたが,残り2分10秒,新名がタイミング良い小外掛けを決め技有りを奪うと,残り1分40秒,反撃する田代の大内刈りをしのぎ,またもや小外掛けにより技有りを奪い,合わせ技にて1本となり,2回目の出場にして初の栄冠を手にした。
 今大会の新名は相撲で言う「鯖折り」に似た小外掛けが冴え,対戦相手も分かっていたはずであろうが,それでも掛かるというのは,今大会の調子の良さを伺わせた。田代選手も敗れたとはいえ,休む間もなく果敢に攻め続ける柔道は観衆にも感動を与え,二人の試合は近年まれに見る好試合だったと思う。
 来るべき九州選手権は地元鹿児島で行われるので,今回の勢いを持続してホームの利を生かしベスト4に残り,東京の武道館の畳に鹿児島の選手が立ってもらいたいものである。

 

出場資格にオープン枠を

 今大会は真の鹿児島県チャンピオンを決める大会である。各支部,職域,大学等にそれぞれ出場枠が与えられているわけであるが,特に警察官などは各支部より実力がありながら出場資格を与えられない者が多く,高校生においてもしかりである。数年前から本部補充が散見されるが,本年はその補充選手が全て活躍し,中でも中原史貴選手は3位まで上り詰めた。
 国体強化選手でもそうであるが,指定選手は県柔道会の強化委員等の協議によって選出されるが,選手の実力である試合をして門戸を広げるべきではなかろうかと思う。 全国レベルである本県の剣道は出場枠を限定せずオープン参加で勝敗を決し,その試合で勝った者が全国大会出場を手にすると聞く。
 全てオープンにすると試合時間にも影響するので,予選会等を設けて,出場枠に入れない実力者を救済する方策もあるべきではなかろうか。