帖佐が3人目の連覇達成

  来る4月29日,日本武道館で行われる全日本柔道選手権の九州予選出場の鹿児島県予選会を兼ねた標記大会が,平成19年2月4日(日)鹿児島アリーナ武道場で開催された。
 出場選手は,県下13支部,県警察をはじめとする各職域・大学等から選出された総勢44名であった。
 決勝は連覇を目指す帖佐選手と悲願の初優勝を目指す濱田選手の鹿児島県警察同士の対戦となった。
お互いに手を知り尽くした相手同士の対戦で,帖佐が左,濱田が右の組み手でお互いに引き手を組めない体勢となり,開始36秒両者に教育的指導が与えられ,1分40秒には両者に指導が与えられた。その後,濱田が積極的に内股,小外刈りと攻撃するも帖佐を崩すには至らず,帖佐は単発の内股だけで技の効果は見られなかった。残り1分32秒,悲願の初優勝に燃える濱田が勝負を急いだのか相手を押すのに帖佐が支え釣り込み足(南日本新聞では膝車と解されていた)にてうまく合わせ,濱田の体が宙に浮き技の効果が見られた。
その後はお互い攻めを欠き,残り54秒で消極柔道により両者に注意が与えられ,そのまま時間切れとなり,結局,支え釣り込み足の効果が認められ,旗判定3−0にて帖佐選手の2連覇が達成された。
 本大会の連覇は福元雅一(県警機動隊(1〜3)),宮原良二(鹿児島刑務所(12〜13))以来3人目となった。
 帖佐選手は2連覇を意識したのか昨年からすると精彩を欠き,負けない柔道をしているように伺えた。濱田選手は2・3回戦はもたついていたが準々・準決勝と1本勝ちで試合内容も良く波に乗っていた。決勝でもそのまま柔道として現れ,攻め立てた濱田であったが,引き手をコントロールできた帖佐の方に勝利の女神がほほ笑んだ。いわゆる,「柔道で勝って勝負で負けた」格好となった。
 来るべき九州選手権では石にかじりついてでもベスト4に残り,武道館の畳に鹿児島の選手が立ってもらいたいものである。


ガッツポーズ

 柔道では敗者の心理を考慮して,勝ったときのガッツポーズはしないように教えられている。
 剣道では試合中ガッツポーズをすると,1本が取り消されるそうである。柔道でも同様のルール改正がされても良いと私は考える。
 国際化して世界選手権やオリンピックではガッツポーズが頻繁に見られるが,礼儀を重んじる武道としては心が痛む。
 ガッツポーズしたのが私の職場の選手だったのが重ねて残念でならなかった。


軽量級の活躍

柔道の醍醐味は「柔よく剛を制す」である。
今回はベスト4に2人軽量級が入り場内を沸かせた。
彼らには九州大会でも活躍して上位入賞,失礼,優勝を目指してもらいたい。


頑張れ田代選手

 今大会は九州選手権の予選をかねているため,5位決定戦が行われる。
 補欠が出場することはほとんどないため,5位決定戦は棄権する選手が出たりするが,本大会は皆真剣に戦っており好印象を与えた。
 今回5位になった田代選手は昨年も5位で,後一歩と言うところで涙をのんでいる。
 柔道はと言うと,常に攻め続け動きながらかける内股に観衆は魅了される。このまま自力をつけて,来年こそは九州大会出場を達成してもらいたいものである。