堂前が最年少で本年度の鹿児島県チャンピオンに!

  来る4月29日,日本武道館で行われる全日本柔道選手権の九州予選出場の鹿児島県予選会を兼ねた標記大会が,平成17年1月29日(土)鹿児島アリーナ武道場で開催された。
 出場選手は,県下13支部,県警察をはじめとする各職域・大学等から選出された総勢45名であった。
 決勝は昨年に引き続き決勝進出を果たした堂前選手(推薦)と,初の決勝進出を果たし,第11回大会以来優勝から遠ざかっている県警察所属の帖佐選手の対戦となった。
 お互い膠着状態の続いた開始2分くらいで帖佐選手が繰り出した支え釣り込み足の脚を取り,朽ち木倒しぎみに有効を取り,その後,帖佐選手が執拗に攻め堂前選手から注意のポイントまで奪ったが,技の効果は見られず,逆に堂前選手は,終了間際に有効のポイントを重ねて勝利を得た。帖佐選手は途中,送り襟絞めが極まっていたのを逃がしたのが勝敗の分かれ目となってしまった。今回,堂前選手は相手に攻められながらも,わずかなチャンスをものにして決勝まで勝ち上がり,最年少のチャンピオンの座をものにした。
 なお,昨年の覇者嶺選手は準々決勝で湯又選手に反則負けで敗れた。
 今回,ベスト4に勝ち残った選手諸君には,来たるべく九州選手権において,本県から久々の全日本選手権出場を勝ち取ってもらいたいものである。


柔道家として

 柔道は「礼に始まり,礼に終わる」と言われる。
 本日の大会中,判定を不服として試合後の礼をしない例が2件みられた。一つは指導の先生に注意され礼をし直したが,もう一つはなかなか判定を認めず試合場から退場しようともしなかった。全日本大会出場を掛けた大会なので,自分の判断と違った判定をされて不服があるのはある程度理解できるが,だからといって判定に従わないというのは理解に苦しむ。
 そもそも,審判員の判定は絶対的なものであって,どんな抗議にも屈することはあり得ない。地方のローカルな大会でかねて審判をしたことのない人の誤審ならともかく,県最高峰の大会である本大会の,しかも3人の審判が下した判定に,たかだか競技生活10年や20年の選手が抗議するのはいささか失笑に値し,選手としての人格まで左右しかねない。
 言うまでもなく,試合は柔道修行の一部であり,試合に勝つ事だけにこだわってはいけない。たとえ試合に負け続けたとしても,礼を含めた人間形成を確実に実行できる人になろうではありませんか。私は,そう言う人を柔道家と呼んでいます。


警察柔道復活

 久々に県警勢がベスト4に3人残った。かつては常勝の県警だったが,ここ数年は衰退がみられ,昨年はついに九州選手権出場者なしという事態に陥り寂しさを感じていた。
 しかし,昨年の警察大会の第3部で全国優勝を果たしたことをきっかけに,かつての栄光を取り戻しつつあり,これからも本県の柔道を引っ張っていってくれることを期待したい。