圧倒的強さで本年度の鹿児島県チャンピオンは嶺に!

  来る4月29日,日本武道館で行われる全日本柔道選手権の九州予選出場の鹿児島県予選会を兼ねた標記大会が,平成16年2月1日(日)鹿児島アリーナ武道場で開催された。
 当大会は,柔道本来の姿である無差別級による「真のチャンピオン」を決める本県では唯一の大会である。
 出場選手は,県下13支部,県警機動隊をはじめとする各職域・大学等から選出された総勢43名であった。
 決勝は3回戦で3連覇を目指す宮原選手を破り快進撃を続け,高校生としては初の決勝進出となった堂前選手(鹿児島商高3年)と,決勝までオール1本勝ちと抜群の安定感を見せた嶺選手(九州電力)との対戦となった。
 決勝でも二人の差は歴然としており,嶺が小外掛けで技ありを奪うとそのまま上四方固めで押さえ込み,危なげなく優勝をものにしてしまった。
 現在の鹿児島県の選手では,嶺選手と互角に戦える力量の選手は見あたらないので,しばらくは嶺選手の時代が続くものと思われる。
 来たるべく九州選手権においては取りこぼしのないようにし,晴れの全日本選手権出場を勝ち取ってもらいたいものである。


あっぱれ先生

 本年のベスト4に鹿商高教諭の長倉選手が勝ち上がった。
 生徒に指導する立場上,おかしな試合は見せられず,本人も試合には出たくないのではないかと思われる。準々決勝では森川選手に先に指導を取りながら,終了前消極的になり指導で並ばれてしまった。
 本来なら,追いついた方が有利なのだが,ここから彼は試合終了まで攻め続けた。その結果,旗判定で勝ちをもぎ取り,九州選手権への切符を手にしたのである。
 彼のひたむきに戦う勇姿を見て教え子の生徒たちも奮起してくれるに違いない。
 また,森川選手は実力はあるのに,最後まで攻め切れていないように思う。本人は,国体予選や本大会で判定負けを喫した時に,判定に不服そうな態度を示すが,私もいずれの試合もわずかではあるが,彼が劣勢だったと思われた。しかしながら,彼が攻め続け,前に出る柔道をすれば,嶺選手は別として,彼と互角に戦える選手は今の鹿児島ではいないと思われる。今回の敗戦を糧として本年の国体予選では実力を発揮して鹿児島の代表になってもらいたい。


新旧交代

 本年の大会出場選手は昨年とがらりと変わり,堂前選手が宮原選手を破ったのと,嶺選手の初優勝を振り返ると新旧交代を伺わせた大会であった。
 また,柔抑剛を制すの言葉通り73キロ級の選手がベスト8に3人も勝ち上がって来て,見る方にとってはおもしろい大会であった。