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MMRと自閉症は無関係!
:「腸炎に関連した後天性の自閉症?」に関する議論(4)

MMR・自閉症・腸炎(4)

1999年7月、伊地知信二/奈緒美

臨床系医学専門雑誌ランセットに載りましたMMRワクチンと自閉症の論文(文献1)は,既にたくさんの批判や議論を集めました(同じタイトルの1〜3として話題に掲載).同じ医学雑誌のLancetの6月12日号に載りましたロンドンからの疫学調査の結果を紹介します.
文献2:自閉症とMMRワクチンの関係
8つの地区において1979年以後出生した自閉症児を届け出記録と養護学校のデータから把握した.臨床記録とワクチン歴をコンピュータ記録から調べ,1988年のMMRワクチン開始に関連した変化があるかどうかを自閉症に関して行った.検討した自閉症児は,典型例が261例,非典型例が166例,アスペルガー症候群が71例の計498例であった.出生年度の検討では,コンスタントな増加傾向はあるものの,MMRワクチン導入後の急な自閉症の増加は認められなかった.MMRワクチンを接種した自閉症児と接種したことのない自閉症児の間に,診断年齢の差はなかった.ワクチン接種後自閉症に気づかれたケースでは,摂取後から気づかれるまでの期間に偏りはなかった.今回の疫学的検討ではMMRワクチンと自閉症との間に関連は見出せなかった.もし因果関係があるとすれば,頻度が少なすぎて疫学調査では検出できない場合だけである.


文献
1. Wakefield AJ, et al. Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children. Lancet 351: 637-641, 1998.
2. Taylor B, et al. Autism and measles, mumps, and rubella vaccine: no epidemiological evidence for a causal association. Lancet 353: 2026-2029, 1999.


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