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MMR・自閉症・腸炎(19)
O'Leary教授の論文:議論再燃か?
2002年4月,伊地知信二・奈緒美

前回紹介しました問題の論文(文献1)を,同じくインターネット上にありましたコメントと共に訳します.この論文は,反応チューブを変えずにRTとPCRを連続して行う,ワンチューブ法を採用しています.この方法は,RT活性とDNA polymerase活性の両方を持つ高温耐性酵素を使うことで可能となり,この論文ではrTth DNA polymeraseを使っています.この方法は私(伊地知)自身が,他のメーカーの同様の酵素(Retrotherm RT)を使って報告したことのある手法です(文献2).PCRもTaqMan法を使っており,これはPCRを行っている間,PCR産物(アンプリコン)の量を簡単にモニターすることができ,コントロールで標準化してかなり正確にその量を定量化できます.まともに行われたものであれば現在可能な定量PCR法の中では最も信頼性が高い方法です.このUhlmannらの論文の問題点・疑問点をまず以下に紹介します.

1)RT in situ PCRに使っている麻疹ウイルスN遺伝子用のプライマー/プローブセットの特異性を確認していない(TaqMan RT-PCRに使っているF遺伝子とH遺伝子のプライマー/プローブについては特異性を確認してある).

2)F遺伝子とH遺伝子のプライマー/プローブセットについては,PCR産物(アンプリコン)の総量と,プローブと結合するアンプリコン量が相関しないことが,図の中に示されており,このデザインでの定量的RT-PCRの信頼性は低くなると思います.大きさが同じでも,アンプリコンの中にプローブと親和性が低いものが含まれるケースがかなりの頻度ででてくるようです.

3)クローニングでTaqMan RT-PCRのスタンダードを作ったと書いてありますが,そのクローンの遺伝子配列を検討していないため,麻疹ウイルスとはまったく関係のない遺伝子をスタンダードにしている可能性が否定できません.

4)麻疹ウイルスの消化管での持続感染の感染細胞についてや,ウイルスと宿主の間の免疫応答などについて,かなりいろいろと考察していますが,考察の基になっている,RT in situ PCRと免疫組織化学の組み合わせ検討を何例で行ったか記載がありません.図では1例しか示していないようです.

5)リンパ球にも麻疹ウイルスが局在しているとしていますが,免疫組織化学ではリンパ球に特異的なモノクローナル抗体は使っていません.

6)RNAの抽出が,新鮮凍結組織とホルマリン固定標本から行っていますが,ケースの何例が新鮮凍結組織で何例がホルマリン固定標本なのかが書いてありません.同じく,コントロール群のサンプルタイプについても詳細がわかりません.

7)コントロール実験の結果の一部が記載されていません.

8)6例はTaqMan RT-PCRが陽性でin situ PCRが陰性,5例はTaqMan RT-PCRが陰性でin situ PCRが陽性としていますが,この解離した結果についての説明がなされていません.

9)TaqMan RT-PCRについては,遺伝子量修正の詳細,スタンダードカーブの適正,陽性とした基準などが記載されていません.

10)N2,H2,F2というプライマーペアを記載していますが,何に使ったかが不明です.

11)症例に番号が付けてないため,後からの議論がしにくい発表になっています.

12)TaqMan RT-PCRの結果は,F遺伝子とH遺伝子のそれぞれに関して別々に示すべきと思いますが,詳細の記載がなく,おそらくどちらか一方が陽性であれば陽性と判断しているようです.

このように,いくつかの問題点を含む論文ですが,この論文が出たために,おそらくこの件に関する議論は再燃することが考えられます.


Uhlmannらの論文(文献1)

(目的)炎症性腸疾患の新型(回腸結腸リンパ結節性過形成)が,発達障害を伴った一群のコホートにおいて記載された.本研究はこれらの患者(新型炎症性腸疾患)の腸組織に持続性に麻疹ウイルスが存在するかを,分子生物学的解析を用い,コントロールグループと比較して検討する.(方法)対象児および組織学的に正常のコントロールから,ホルマリン固定・パラフィン包埋サンプル,および新鮮凍結生検サンプルを回腸末端より得た.麻疹ウイルスのF遺伝子とH遺伝子は,TaqMan逆転写PCR(RT−PCR)法にて検出し,N遺伝子は逆転写in situ PCR法で検出した.mRNAシグナルの局在は,濾胞性樹状細胞に特異的な抗体を使って調べた.(結果)組織学的に回腸リンパ結節性過形成および腸炎と診断された91例のうち,75例は,腸組織において麻疹ウイルスが検出され,コントロール群では70例中5例が陽性であった.麻疹ウイルスは,反応性濾胞性過形成巣における,濾胞性樹状細胞とリンパ球内に同定された.麻疹ウイルスのコピー数は総RNAあたり100000から300000コピー/ngであった.(結論)今回のデータは発達障害児において,麻疹ウイルスの存在と腸の病態の間に関連があることを確定した.

イントロ

発達障害児のあるコホート集団において,免疫を介する炎症性腸疾患の新型が報告された.腸の病理像は,回腸および大腸のリンパ結節性過形成と非特異的大腸炎を含み,この腸炎はクローン病でもなく潰瘍性大腸炎でもない.この新しい疾患の組織学的および臨床的側面は,既に報告されている.その中で,有症候児の回腸の生検組織における反応性濾胞過形成は,その場所での持続性のウイルス抗原発現を反映している可能性が示唆された.また,予備的な免疫組織化学検査データは,有症候児の腸粘膜リンパ様組織の細胞外マトリックス中に麻疹ウイルス抗原の存在を示唆した.

麻疹ウイルスは,単鎖型のパラミクソウイルスファミリーに属しており,亜急性硬化性全脳炎(SSPE)や麻疹封入体脳炎を含むいくつかの疾患の原因である.麻疹は,20世紀における小児死亡の上位原因の一つにランクされる.開発途上国においては,毎年百万人の死亡が麻疹ウイルス感染症に関与している.

我々の研究は,麻疹ウイルスと上述の状態の間に関連がある可能性を検証する.この目的を達成するために,いくつかの分子生物学的テクニックを,回腸結腸リンパ結節性過形成と発達障害の児の回腸末端生検査組織に麻疹ウイルスを同定し,局在を検討し,そしてその定量を行うために応用した.

対象と方法

患者およびRNA抽出

全ての患者サンプルは,ロンドンのRoyal Free病院の消化器科から得られた.91人の有症候児(年齢中央値は7歳,3歳から14歳,77例が男児)から,回腸のリンパ様組織が得られた.発達上正常の小児コントロール(70例,0から17歳,47人が男児)は,19人の正常回腸生検サンプル,13人のマイルドな非特異的慢性炎症性変化例,腹痛で精査した3例の回腸リンパ結節性過形成例,8例のクローン病児,1例の潰瘍性大腸炎例,そして虫垂炎を含む腹痛のために虫垂切除を行った26人の児童である.

麻疹ウイルス陽性コントロールは,亜急性硬化性全脳炎(SSPE)が1例と麻疹ウイルスが感染しているVero細胞である.陰性コントロールは,感染のないVero細胞,人組織,Raji細胞からのコントロールRNA,正常末梢血単核細胞である.

トータルRNAは,新鮮凍結生検組織,末梢血単核細胞,そして麻疹ウイルスが感染したVero細胞,感染していないVero細胞からUltraspec-11 RNA単離システムを使って抽出された.トータルRNAはまた,フォルマリン固定,パラフィンワックス包埋組織からは,Purescript RNA単離キットを使って抽出された.

RT−PCR

麻疹ウイルスのN(Nucleocapsid),H(Haemagglutinin),F(Fusion)領域の塩基配列が保存的な部分に対するPCRプライマーとプローブは,Primer Express Software Version 1.5を使ってデザインした.選ばれた配列の特異性は,NCBI Blastプログラムでチェックした.PCR産物(アンプリコン)が一部重複しているものもある(例えばN1とN2).

組織切片上でのin situ PCRにおいては,プローブの5プライム端をbiotinでラベルし,Southernブロット用のプローブは3プライム端をdigoxygeninでラベルした.TaqMan量的逆転写PCR(RT−PCR)においては,プローブは5プライム端を蛍光分子FAM(レポーター色素)で,3プライム端をTAMRA(分解されないプローブ上でレポーター色素の蛍光を消す)でラベルされた.

PCR解析を最適化するために,純化した麻疹ウイルスRNA(Hu2)を陽性コントロールとして使った.それぞれの反応で抽出RNAは50ng使用.RNAからDNAを作るRT活性と,DNAからDNAを作るポリメラーゼ活性の両方を持つrTth DNA polymeraseを使い,ワンチューブ法でRT−PCRを行った.

(反応条件の訳は省略)

Southernブロット解析

反応特異性の確認のために,TaqMan RT-PCRで麻疹ウイルスが陽性であった4人の有症候児(下記)に関しては,前述のように液相でのRT-PCRを行った.麻疹ウイルスが感染しているVero細胞,SSPE脳組織,および4人の有症候児からの回腸リンパ様組織を検体とした,麻疹ウイルスF遺伝子およびH遺伝子のPCR産物(アンプリコン)については,テンプレートの入っていないコントロールと共に,配列特異的プローブを使いSouthernブロット解析を行った.麻疹ウイルスに特異的なプローブは,DIG oligonucleotide 3' end labellingキットを用い,3プライム端をdigoxigeninでラベルし,検出はDIG蛍光検出キットを用いた.

(反応条件の訳は省略)

TaqMan RT-PCR

リアルタイムでPCRサンプルの量を検出できるRT-PCR(5プライム側のnuclease活性に基づく解析法)は,ABI 7700シークエンス検出機を使って行われた.配列に特異的なPCRプライマーとTaqManプローブは,前述のようにPrimaer Expressソフトウェアーを使ってデザインした.全ての量的PCRは,専用施設内で,専用ピペッターとエアロゾル抵抗性ピペットチップを使い,クラス2の層状換気システムを持つベンチフードの中で準備された.テンプレートとなるRNAは,隔離施設のおいて準備されPCR反応液ミックスに加えられた.

TaqMan RT-PCRは,EZ TazMan RT PCR反応液を説明書に従って使い行った.RT-PCR反応は,一反応を2回ずつ行った.これもrTth polymeraseを使いワンチューブ法でRT−PCRを行った.

(反応条件の訳は省略)

TaqMan RT-PCRのためのコントロールは,テンプレートを含まないコントロール(テンプレートの代わりに水),増幅不能なコントロール(ポリメラーゼを抜いたもの),関係のないプライマー+特異的TaqManプローブ(ヒトpapillomavirus 16およびヒトherpes virus 8用のプライマー),プローブだけのコントロール(PCRプライマーを抜いたもの),ヒトRNAコントロール,失活RNAコントロール,不完全なTaqMan PCR(プライマーの片方を抜いたもの),を含む.

遺伝子量の修正は,glyceraldehyde phosphate dehydrogenaseを内コントロール遺伝子として使って行った.麻疹ウイルスの量的TaqMan RT-PCRは,F遺伝子とH遺伝子に関して標準曲線を設定して行った.TaqMan RT-PCRのスタンダードは,F遺伝子とH遺伝子の特異的PCR産物をクローニングベクター(TOPO TAクローニングシステム)にクローニングすることで作られた.PCR産物が挿入されたプラスミドは,Riboproberiptionシステムを使ったcRNAにされた.このcRNAを段階的に希釈し,標準曲線を作成した.

RT in situ PCR

RT in situ PCRは,コピー数の少ない遺伝子の検出を可能にし,組織内のどの細胞にその遺伝子が存在するかを検討できる.その感度は,1個の細胞あたりウイルスゲノム1個と報告されている.切片はキシレン中でワックスを除き,アルコールの濃度段階法を行った.内因性のavidinとbiotin活性は,Dako社のbiotinブロッキングシステムでブロックした.その後切片はproteinase Kで17分間(37度)処理した.

前処置の後,麻疹ウイルスRNAはin situでPCRし,その後切片は100%エタノールで固定し,風乾された.

ハイブリダイゼーションは5プライム側にbiotinを付けたoligonucleotideプローブを使い,以前報告されているプロトコールで行った.ハイブリッドの検出には,3段階の免疫細胞化学法またはdinitrophenol tyramideシグナル増強法を使った.アルカリフォスファターゼ活性は色素発生原としてNBTとBCIPを使って検出した.内因性のアルカリフォスファターゼは,検出の間,内因性の抑制因子であるlevamisoleを使ってブロックした.

反応の最適化のための実験は最初,フォルマリン固定パラフィン包埋で,麻疹ウイルスの感染したVero細胞を使い,プローブの濃度をいろいろと変えて行った.プローブ濃度が1マイクロg/mlで最適条件を得,この濃度をその後の実験に使用した.73人の有症候児からの生検組織と5人の正常コントロールからの生検組織が検討された.

RT in situ PCRのためのコントロールは以下のとおりである.麻疹ウイルスが感染したVero細胞,感染していないVero細胞,感染細胞と非感染細胞を混ぜたVero細胞,麻疹ウイルスN遺伝子プライマーと関係のないプローブ(意味のないpyruvate dehydrogenaseのプローブ)の組み合わせ,関連のないプライマーとN遺伝子特異的プローブの組み合わせ,である.ハイブリダイゼーションコントロール実験は,ヒストンのmRNAプローブを使い行った.その他のコントロール実験には,RT in situ PCR前の麻疹ウイルス感染Vero細胞のRNase処理を含む.

RT in situ PCRと免疫組織化学の組み合わせ

麻疹ウイルスのシグナルがどこに局在するのかを検討するために,濾胞樹状細胞CNA 42モノクローナル抗体を使った免疫組織化学処理に引き続いて,麻疹ウイルスN遺伝子を検出するためのRT in situ PCRが前述のように組織切片上で行われた.in situハイブリダイゼーションのために,5プライム側のbiotinラベルしたoligonucleotideプローブが前述のように使われた.

麻疹ウイルスのハイブリダイゼーションシグナルは,horseradish peroxidaseとAECで表出され,樹状細胞のシグナルは器質としてAPおよびNBTそしてBCIPを使った3段階検出方法で表出された.

倫理的承認

これらの研究のための承認は,Royal Free病院の倫理実践委員会によって得られた.コントロールを含む全ての対象者において,完全に情報を親に伝え,親から文書で承諾を得た.

結果

結局,有症候児91例のうち75例が,回腸のリンパ様組織に麻疹ウイルスRNAを持っており,一方コントロール群では70例中5例だけが陽性であった(p<0.0001).

全部で6つの異なるPCRプライマーセットが,液相RT-PCRを使って,麻疹ウイルス感染Vero細胞から抽出したRNAから,麻疹ウイルスのF遺伝子,H遺伝子,そしてN遺伝子を増幅するために最適化された.

麻疹ウイルスのF遺伝子とH遺伝子を検出するためのプライマー/プローブセットの特異性は,以下の検体から抽出したRNAを使って確立した.(1)4人の有症候児から採取され凍結保存されていた回腸生検サンプル.(2)SSPE患者の脳.(3)麻疹ウイルス感染Vero細胞.4人の患者サンプルの全ては,麻疹ウイルスのF遺伝子とH遺伝子に関してTaqMan RT-PCRで陽性であった.PCR産物(アンプリコン)の特異性は,F遺伝子およびH遺伝子に特異的なプローブと使ったSouthernブロット解析で確認された.平行して行われた,テンプレートの入っていないコントロール検体では陰性結果が得られた.

91例の有症候児の中で70例は,TaqMan RT-PCRで陽性であり,一方コントロール群では70例中4例が陽性であった(表2).陽性サンプルにおける麻疹ウイルスのコピー数は一般的に低かったが,100000から300000コピー/トータルRNA1ngであった.小児のコントロール群では,健常児または限局性の回腸リンパ結節性過形成を示した小児においては麻疹ウイルスは検出されなかった.しかし,26人の虫垂切除サンプルのうち4人では麻疹ウイルスゲノムが検出された(表2).

表2

  TaqMan RT-PCR陽性 In situ PCR陽性
有症候患者

コントロール 健常者

コントロール 軽度非特異的変化

コントロール リンパ結節性過形成

虫垂切除例

潰瘍性大腸炎

クローン病

70(91)

0(19)

0(13)

0(3)

4(26)

0(1)

0(8)

42(57)

1(5)

NT

NT

NT

NT

NT

かっこ内は検査された総数.NTはnot tested.
 

RT in situ PCRの最適化のための実験は前述のように行われた.プローブ濃度は1マイクロg/mlで,最適のシグナルが得られ,その後の実験にはこの濃度が使われた.

麻疹ウイルス感染Vero細胞では,麻疹ウイルスのPCR産物(アンプリコン)は,細胞質内のシグナルとして検出された.SSPE患者の脳組織では,RT in situ PCRにて,灰白質に,麻疹ウイルスアンプリコンの不連続な集積巣が検出された.同じように処理された正常脳組織にはシグナルは検出されず,SSPE脳組織切片でも関連のかいPCRプライマーを使うとシグナルはなかった.

有症候児の57例の生検組織のうち,42例は麻疹ウイルスのN遺伝子がRT in situ PCRで陽性で,アンプリコンは回腸生検組織の連続切片において検出できた.4例のサンプルは,バックグラウンドの染色性が高すぎて麻疹ウイルスの存在を判定できなかった.また,11例の生検組織は麻疹ウイルス陰性であった.コントロールグループでは,組織学的に正常な小腸および大腸粘膜を持つ5人の小児のうち一例で,麻疹ウイルスのN遺伝子RNAが検出された.このコントロールの一例で見られた麻疹ウイルスの分布は有症候児におけるものと同一であった.麻疹ウイルスのアンプリコンは反応性の濾胞中心に局在しており,樹状突起を有する細胞やいくつかのリンパ球に関連してた.関連のないPCRプライマーを使った連続コントロール切片では,麻疹ウイルスのシグナルは見られなかった.麻疹ウイルスが感染したVero細胞においても追加のRT in situ PCRが行われた.RNase処理をすると,麻疹ウイルスが感染したVero細胞でもシグナルは陰性であった.

結局,91例の生検組織を検討し,56例はin situ RT-PCR(麻疹ウイルスN遺伝子)とTaqMan RT-PCRの組み合わせで解析した.これらの生検組織のうち37例は麻疹ウイルス陽性で,5例は両方の検査で陰性であった.また6例はTaqMan RT-PCRで陽性,in situ PCRで陰性,5例はin situ PCRだけで陽性であった(表2).

考察

我々は発達障害を有する小児において,持続性の麻疹ウイルス感染と,回腸結腸リンパ結節性過形成および回腸結腸炎との間の関連性を記載した.分子生物学的データは,有症候児91人のうち75人に麻疹ウイルスゲノムが存在することを示し,70例のコントロール児では5例のみで陽性であった.加えて,この疾患表現型は男児が圧倒的に多く,発達障害が男児に多いという報告に矛盾していない.

麻疹ウイルスの局在は,RT in situ PCR法と免疫組織化学法を組み合わせることで生検組織上で評価された.シグナルは繊毛状の性質があり,特異的なCNA42抗体で染色した免疫組織化学法で確認された樹状細胞の細胞質に関連していた.

麻疹ウイルスは,有症候児においては,回腸生検組織の反応性濾胞過形成の中心部にある樹状細胞に優位に検出されたが,このような過形成部分においては成熟したリンパ球にもまた同定された.この結果は,これらの児における回腸結腸炎の病態における麻疹ウイルスと免疫反応の相互作用の可能性を示唆する.麻疹ウイルスはリンパ様過形成と回腸結腸炎の病態における免疫トリッガ−である可能性がある.このようなタイプの免疫反応のための反応開始因子は,樹状細胞である可能性がある.樹状細胞は末梢においてウイルス抗原をつかまえ,処理し,補助刺激分子を表出して,リンパ様組織において免系メディエーター(B細胞とT細胞)にウイルス抗原を運搬して提供する.その結果,サイトカインが分泌され免疫反応が開始される.

麻疹ウイルスが濾胞樹状細胞に局在することは,HIV-1腸症において見られるHIV-1感染のパターンに類似している.濾胞樹状細胞中の麻疹ウイルス抗原の存在は,潜在性の麻疹ウイルス感染から持続性の麻疹ウイルス感染へ進行する時の移行ステージを反映しているのかもしれない.HIV感染との同じである可能性は興味あるものであり,HIVは麻疹ウイルスと同様に,細胞性免疫を破壊する可能性を持ち,濾胞過形成を誘導し,感染の初期にリンパ節腫脹(lymphadenopathy)を呈する.これは,濾胞樹状細胞のネットワークの拡大に関連しており,胚中心内にHIVがトラップされていることと関連している.感染の早期潜在期には,HIV抗原は濾胞樹状細胞の表面に検出することができ,このパターンは麻疹ウイルスでみられたものと類似している.そのような局在は,免疫学的寛容の誘導に有利であり,ウイルス除去の失敗を招来する.麻疹ウイルスと免疫学的異常と慢性腸病態が関連しているメカニズムは,現時点では不明である.麻疹ウイルス暴露の遅発性の消化管免疫後遺症の先例としては,慢性免疫不全,下痢性疾患,そして早期自然麻疹暴露に続く死亡などが報告されている.麻疹ウイルスの自然感染はTヘルパー細胞の1型(Th1)の反応および防御性の細胞障害性免疫を誘導する(麻疹の古典的発疹や胃腸症状などで特徴づけられる).その後,抗体産生を伴う遷延性のTh2反応が続く.多くの感染者で,遅発性の病理学的後遺症なしに,終生免疫が獲得される.にもかかわらず,麻疹ウイルスのアタックの間の免疫活性化は,非特異的な細胞性免疫反応の強い減衰がないように起こるのであって,麻疹ウイルスが免疫を抑制する可能性を反映している.最近の研究は,この想定される免疫抑制が感染した樹状細胞におけるIL-12産生障害と活性化T細胞によるIL-2受容体アルファの表出遮断によって起こるのではと示唆している.そのような環境では,Th1免疫が障害され,Th2反応が優位となり,しばしば持続性の感染を起こすだけでなく,遅発性の免疫病態を誘発するかもしれない.

麻疹ウイルスは,リンパ様過形成や回腸結腸炎の病態における免疫学的トリッガ−である可能性がある.

麻疹ウイルスは健常児3例の,単発性リンパ様過形成の生検組織からは検出されなかった.虫垂切除術を受けた26人の児童の中では,4人だけが麻疹ウイルスRNAが陽性であった.明らかに健康な児童の一部の腸に麻疹ウイルスが存在することは,麻疹感染症の児童の炎症のある虫垂にWarthin-Finkeldyの巨細胞が見られる所見からすると驚くべきことではない.しかし,一般集団に持続性の麻疹ウイルス感染が存在するかどうかは知られておらず,さらに検討する必要がある.

このような予備的研究は,元々麻疹ウイルスに注目して行われた.我々は他の感染症の存在を除外したわけではない.ウイルスはその他の組織でも持続感染を起こすかもしれない.また,引き続く持続感染に必要でない一過性の効果を発揮するかもしれない.そのような一過性のリスクのひとつは,麻疹ウイルスと他の感染への同時暴露が麻疹ウイルスの持続感染のリスクを増加させることかもしれない.このような非典型的暴露パターンはSSPEのリスクファクターとして同定されている(水疱瘡と脳炎原性エンテロウイルス).

我々の研究は多くの疑問を誘発する.最も重要な疑問は,麻疹ウイルスは発達障害における腸の炎症において原因的役割を果たしているかということである.この研究は,発達障害児における回腸結腸リンパ結節性過形成と回腸結腸炎と麻疹ウイルスの関連を初めて報告した.

 


上の論文に関するコメンタリー(文献3)

我々は皆,MMRワクチン接種と自閉症あるいは腸の炎症性状態の間に関連がある可能性について大衆が不安を感じていることを知っており,数百人の親がワクチン製造会社を相手取って法的訴訟を起こしていることも知られている.MMRワクチンと自閉症/腸炎の関連に関する議論の詳細をここで紹介することはできない(ウェッブをmeasles,MMR,vaccination,autismをキーワードにして検索すべし).信頼できる疫学者たちはMMRワクチンと自閉症の間と,MMRワクチンと腸炎症性状態の間のどちらにおいても有意な関連がないという見解である.しかし,疫学はかなり感度の低い方法であり,行われた研究はMMRと自閉症/腸炎症性状態の間の実際の関連が存在しているリスクグループが存在する可能性を否定したわけではない.

1998年にWakefieldらは,自閉症のような発達障害を有する児童において,結腸炎と回腸リンパ様結節性過形成があることを報告し,これらのケースにおいてMMRワクチン接種と神経精神機能異常に関連した慢性腸炎の間に関連があるのではと示唆した.2000年に,同じグループは,発達障害と炎症性腸疾患の特異なタイプとの関連を支持し,新変異型炎症性腸疾患(new variant inflammatory bowel disease)と呼んだ.

今回発表された論文(文献1)において,著者らはこの臨床状態と,リンパ様結節性過形成の部位の濾胞樹状細胞とリンパ球の中に,少なくとも麻疹ウイルスゲノムの部分が持続的に存在していることとの間の関連を報告した.使われたテクニック(RT-PCR)では,ウイルスゲノムの全体が存在するかどうかについては示されておらず,ウイルスが増殖しているかについても明らかにしていない.しかし,とりあえずは,これらの患者においては麻疹ウイルスが何らかの形で持続的に存在していると言えるであろう.

この所見の説明は困難である.MMRワクチンの麻疹ウイルス成分がこれらの特異な児童あるいはその他の児童における腸炎又は発達障害の原因であると飛躍して結論することは完全に誤りであろう.因果関係は単純であることはなく,けっして純粋なものではない.全てでないにしてもほとんどの疾患は元来多因子性であり,ここでのデータも腸炎あるいは発達障害が麻疹ウイルスの持続感染の原因であることを示しているとして解釈することも同じように可能なのである.麻疹ウイルスの持続感染は,発達障害をもつ患者が麻疹ウイルスを排除することができない可能性を示唆しているのかもしれない.この小腸大腸炎はウイルス排除能力の不調の原因になるのかもしれない.また,ここで示されたデータを,MMRワクチンが全ての自閉症あるいは(and/or)炎症性腸疾患の原因であるという一般化を支持するために使うことも不可能である.

発達障害は脳-消化管軸(brain-gut axis)の機能的障害に関連していることを示すエビデンスが存在する.パーキンソン病などの神経変性疾患と機能的腸疾患(過敏性腸症候群など)は,腹痛,鼓腸そして下痢に関連する.機能的MRI検査は,正常コントロールに比べ過敏性腸症候群の患者では結腸の膨満に続いて皮質の活性が減ずることを示した.この所見は明らかな病理変化がない状態での知覚障害が,腹痛や鼓腸そして下痢を誘導する可能性を示唆している.従って,発達障害を有する患者に存在する症候は,腸における免疫と感覚運動システムの間の機能的インターフェースが病態として加減された結果なのかもしれない.ゆえに,脳-消化管軸の障害は,局所的な神経伝達物質や炎症メディエーターに変化を及ぼし,その結果効果的にウイルス感染を排除することに失敗しているのかもしれない.

Uhlmannらが示したデータ(文献1)は,まちがいなく興味あるものであるが,さらなる一連の疑問がでてくる.増殖能のある(増殖している)完全なウイルスが存在するのか?ワクチン株に一致するのか?おたふくかぜや風疹のウイルスは存在しないのか?このような小児における麻疹ウイルスおよび他の病原体に対する免疫の性質は?これらの疑問が直ちにうかんでくる.おそらく,この著者らは(そして他の研究者たちも),このような疑問(および他のたくさんの疑問)に答えようと試みているようであり,その結果を期待する.


Mol Pathol OnlineにあったPress Statement(文献4)

Uhlmannらの論文(文献1)はweb上に全文が出版前に掲載されている.これは,この所見の一部が出版に先んじて,2002年の2月3日に,MMRをテーマとしたPanoramaという番組で放映されたからである.

麻疹ウイルスが,炎症性腸疾患の新型や発達障害に関連しているかもしれない.これはこの春出版されるMolecular Pathologyに掲載予定の論文の示唆である.著者らは麻疹ウイルスが免疫学的トリッガ−として作用しているかもしれないと結論している.この所見は新型腸疾患を持つ91例の中の75人の腸組織にみられるが,70例のコントロール健常児ではたった5例にしかみられない.このようなケースは男児が多い.

この研究は,これらの小児がMMRワクチンを接種したかどうかについては言及していない.また,エディトリアルコメント(文献3)では,MMRが腸疾患や発達障害の原因であるとか,この所見が全ての自閉症ケースや(and/or)炎症性腸疾患に共通するものであるなどの早急な結論への飛躍はするべきでないことが述べられている.

エディトリアルコメントは発達障害が脳と消化管の間の相互関係における何らかの障害に関連しているエビデンスがあると結論しており,この所見が注目すべきものであるとしている.しかし,著者らはMMRワクチンとの想定される何らかの関連が証明される前に,いくつかの重大な疑問が解決される必要があるとしている.この疑問には麻疹ウイルスがワクチンに使われたものと同じウイルス株かどうかという疑問も含まれる.

本日発表された声明の中で,ダブリンのCoombe Women's Hospitalの分子病理学者John O'Leary教授はこの研究の責任者として次のようにコメントしている.

「私は我々の研究の所見を支持する.この研究は麻疹ウイルスが発達障害児における腸の炎症に役割をもっているかどうかについてのたくさん疑問を誘導した.しかし,この研究は腸疾患と発達障害のどちらの発症においても,MMRが持つ役割を検討するために設定されてはいない.従ってそのような役割については何の結論も導き出せないし,我々の所見からそのような結論を導きだすべきではない.」

Molecular Pathologyのエディターである,John Crocker教授とDavid Burnett先生は,「この論文は国際的な名声を持つ科学者により投稿され,同じ分野の研究者のレビューを経て公表されることが受理されたものである.査読者と編集者は,小児のある症候群の原因に麻疹ウイルスが担っているかもしれない役割についての多くの疑問を中道する重要な観察結果として認識している.この論文は発達障害や腸疾患におけるMMRの役割を検討するために設定されては折らず,論文の中ではMMRワクチンの役割については何も示唆されていない.

しかし,我々は,読者の中には,この論文が何らかの方法でMMRを行動障害に関連づけるものであると飛躍して結論するものがいるかもしれないことを否定できない.我々はゆえに,我々の編集者ボードの委員によるコメンタリーをいっしょに掲載する.このコメンタリーは,この研究がデータに矛盾しない結論を導き出す仕事の重要な部分のひとつであるという我々の考えを再強調している.しかし,MMRとのいかなる関連も判断できず,また著者らもこのような判断は意図していないことがコメントされている.」


HalseyによるE-mail意見(文献5)

親愛なる編集者様:

MMRと炎症性腸疾患および自閉症に関する高度な大衆の懸念を考えれば,研究者は厳格な研究方法を使い,研究の重要な詳細を報告する特別な責任を負っていると言える.そうして初めて,他の科学者たちが適切にその結果を解釈することができる.残念なことに,いくつかの研究方法に関する重要な詳細はUhlmannらの論文(論文1)の中には提供されていない.査読者も編集者もそして同時に発表されたコメンタリー(文献3)の著者らも,これらの欠点を指摘する義務を果たしておらず,この件に関する研究論文の評価と公表のための高度なスタンダードを設定する義務も果たしていない.

著者らによる結果の解釈に加え,この研究所見の説明にはいくつかの可能性が存在する.

a)採取または処理の段階で,いくつかの検体にコンタミネーションが起こった可能性.

b)偽陽性結果.

c)ケースとコントロールの間に,検体採取法および処理法に違いがある可能性.

d)麻疹感染症やワクチン接種に引き続いて,リンパ様組織における麻疹ウイルスあるいは麻疹ウイルスの一部の持続感染(持続存在)が起こり,その易検出性が炎症組織と正常組織で異なっている.

e)麻疹ウイルスの一部の持続存在がリンパ結節性過形成も持つ特定の(選別された)児童において起こっている.

アメリカ議会専門委員会に対するJohn O'Leary教授のプレゼンテーションが約2年前にあってから,今回のオンライン論文に書かれているような記載が不十分な研究方法についてたくさんの疑問と懸念が表明された.アメリカ小児学会は,2000年秋に彼に対して,研究方法についてもっと詳細に説明するように求めた.しかし,返事はなかった.これらの結果を彼が論文発表しようと決めたわけで,私はこれまでに出された懸念に対する説明をしていないことに驚かされた.この研究に使われた疫学的方法に関する次の点は,問題にすべきである.分子生物学的な方法の専門知識を持つ他の科学者たちも,この論文の問題点を指摘するであろう.

1.標本収集.標本はRoyal Free病院の消化器科部門で集められた.Andrew Wakefield先生らは,数年に渡って,このラボで麻疹ウイルスと麻疹ワクチンウイルスの研究を行っていた.ゆえに,収集および処理の段階での標本のコンタミネーションの可能性は除外することができない.研究デザインとしては,炎症性腸疾患およびコントロールからの標本収集は,その外来および研究室で問題となるウイルスに関して活発に研究していない研究者によって行われるべきである.標本は,麻疹ウイルスが全く取り扱われていないラボで処理されるべきで,標本の一部はいくつかの異なる技術を使って麻疹ウイルスを検出することのできるいくつかの異なる研究室に送られるべきである.

2.盲検法またはマスキング.どの標本がケースでどの標本がコントロールなのかについては,研究室の研究者にはわからないようにマスキングすべきであるが,このことについては何の記載もない.標本にコードを付けて処理し,全てが終わって研究者が結果を見る段階になって初めてどのコードがだれなのかが判るようにすべきである.

3.ケースとコントロールの同時収集.ケースとコントロールの収集のタイミングについては何も記載がない.もし,コントロール標本がケースの標本収集の後に集められたものであれば,方法における違いが,標本の処理においてあった可能性がある.例えば,不注意なコンタミネーションがいくつかの研究室であり,(ケース標本収集後に)コンタミネーションの問題を解消する段階でコントロール標本が収集されるなどである.

4.遺伝子配列のシークエンシング.著者らは,RT-PCRによって検出されたウイルスに関して鍵となる情報を提供していない.これらのウイルスの遺伝子配列には多様性があったのであろうか?全てのウイルスは変異し,ある程度の多様性が想定される.もし得られたウイルスに多様性がなければ,標本のコンタミネーションの可能性がでてくる.

5.症例について.91例の有症候患者は不適切に記載されている.結果の部分は,これらの患者が発達障害を持っていると記載しているが,このことは方法の部分には記載されておらず,障害のタイプも記載されていない.この子供たちが生検された理由は何であったのだろうか?検査された全ての児の何%がリンパ結節性過形成を有していて,この論文で検討された患者たちはどのように選別されたのであろうか?

6.コントロール.コントロールは発達が正常であることを基盤に選別されたようであるが,著者らはクローン病や潰瘍性大腸炎を含むいろいろな状態をコントロールとしている.以前の論文で,Wakefield先生はクローン病と潰瘍性大腸炎の患者をケースとしてあつかって,これらの多くの患者の腸組織で麻疹ウイルスが検出されることを報告した.今回の論文のこのような患者は,前の論文の患者の一部で麻疹ウイルスが陰性であることから選ばれたコントロールであろうか?

7.用語.著者らは新型炎症性腸疾患という言葉を新しく作っている.この言葉は,新型Creutzfeld Jacob病への高い関心があったために,注意を引き,大衆の懸念を惹起するために選ばれた言葉のうようである.この論文および最近の疫学的研究で示されたエビデンスは,新しい疾患があることを示してはおらず,自閉症や関連する状態において炎症性腸疾患のリスクが増えているということも示されてはいない.リンパ結節性過形成は,いろいろな刺激に対する正常の反応であるのかもしれない.

8.非典型的暴露.著者らはひとつの小さな疫学的研究結果(1973年)を引用し,この論文は,後にSSPEを発症した児において,水痘感染と麻疹感染の両者が6ヶ月以内に起きている頻度が増加している可能性を示唆している.しかし,著者らは,SSPEを発症した児において,麻疹感染の6ヶ月以内に水痘,おたふくかぜ,あるいは風疹にかかった率に,適合したコントロールと比べて差がないことを示した1980年のより大規模な研究を引用していない.

麻疹ウイルスは,SSPEを発症しないヒトにおいても持続感染を起こすかもしれない.しかし,この論文に示されたデータからそのような結論をだすのは不適当である.さらに,もし麻疹ウイルスの一部分あるは全ウイルスが,感染やワクチン接種に続いてリンパ様組織の中に持続的に存在するとしても,ウイルスの一部分の検出が炎症性状態の存在下に増強され得ることも考えられる.私はこれらの研究者たちがこの仮説をさらに検証するための共同研究に参加することを勧める.また,この論文の結果に関してあまり憶測をしないように勧める.彼らの最近の研究に,不足している鍵となる情報(前述)を提供することはこの過程を助けるであろう.

この最近の報告は,この件に関する最近の我々のレビューによる結論を変化させるものではなく,私は引き続き,重要な子供の病気の予防の予防のためにMMRワクチンを使うことを支持する.


文献
1. Uhlmann V, et al. Potential viral pathogenic mechanism for new variant inflammatory bowel disease. J Clin Pathol: Mol Pathol 55: 0-6, 2002.(インターネットアーティクル,Mol Patholの4月号掲載予定)

2. Ijichi S, et al. Anti-viral and immunomodulatory effects of interferon-alpha on cultured lumphocytes from patients with human T lymphotropic virus type I-associated myelopathy (HAM/TSP). J Neuroimmunol 61: 213-221, 1995.

3. Morris A & Aldulaimi D. New evidence for a viral pathogenic mechanism for variant inflammatory bowel disease and development disorder? J Clin Pathol: Mol Pathol 55: 0, 2002.(インターネットアーティクル,Mol Patholの4月号掲載予定)

4. Press statement. Link found between measles virus and gut abnormalities in children with developmental disorder. http://mp.bmjjournals.com/cgi/content/full/54/6/DC1

5. Halsey NA. Publication by Uhlmann et al and commentary. http://mp.bmjjournals.com/cgi/eletters/54/6/DC1


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