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社会性を司る脳の場所

Baron-Cohen S, et al. Social intelligence in the normal and autistic brain: an fMRI study. Eur J Neurosi 11: 1891-1898, 1999.
(概訳)
全般的な知性とは別に,社会的知性(social intelligence)の存在を考慮すべきことが支持されつつある.Brothersは,‘社会的な脳’を構成する神経解剖学的領域のネットワークの存在を提言した.これらの領域には,眼窩に面した前頭葉皮質(orbito-frontal cortex),上側頭回,そして扁桃体が含まれる.我々は,高機能自閉症またはアスペルガー症候群の人と健常者を対象とし,このBrothersの説を検討した.高機能自閉症やアスペルガー症候群においては,社会的知性に欠落があることが知られており,また扁桃体の機能欠失が関連しているとの指摘もある.使用した課題は,他人が何を考えたり感じているかを,その目だけから判断するテストで,機能的MRI検査により,このような社会的知性課題に関連した上側頭葉と扁桃体の神経活動の増加が確認された.前-前頭皮質のいくつかの領域においても課題に関連した活性化がみられた.一方,自閉症またはアスペルガー症候群においては,課題に関連した扁桃体の活動は認められず,前頭-側頭領域での脳活動がみられた.これらの結果は,健常者における‘社会的な脳’説および自閉症における扁桃体異常説の両者を支持するものである.

社会的知性は,他人の行動を説明する能力(他人の考え・意図・希望・信念を推察する能力)を我々にもたらしている.その結果,我々は,複雑な社会的集団の中でも,また親密な人間関係においても対人関係を保つことができ,他人の心情に共感したり,他人がどう感じ,何を思い,どう行動するかを予測することもできる.社会的な知性が,全般的な知性とは分離可能なものであるというアイデアには,いくつかの根拠がある.まず第一に,社会的な面では問題があることがはっきりしているのに,非社会的な面(物理学・数学・工学など)では天才的理解力を持つ人たちが存在する.もちろん逆のタイプの人々も存在する.2番目に,ある種の脳障害では,全般的な問題解決能力は必ずしも障害されていないのに,社会的判断力だけが選択的に障害されることがある.社会的判断力の消失はまた,扁桃体の損傷に引き続いて,記憶や管理能力障害を伴って出現する.このような社会的知性と非社会的知性の機能的な解離現象は両者の神経解剖学的独立性を意味する.また3番目に,多くの霊長類学者は,道具の使用や他の非社会的問題解決能力ではなく,社会的な問題解決能力こそが霊長類における知性の進化の原動力であると信じている.

社会的知性の神経学的基礎は,最初にBrothersらが提唱した.彼女は,動物の病変部研究や単一細胞記録研究などから,社会的知性の担当部位には扁桃体,眼窩に面した前頭葉皮質,上側頭回が含まれることを示唆した.また,彼女はこれらの部位が‘社会的な脳’を構成するものであると予想した.扁桃体の損傷は,相手の感情の判断を障害し,眼窩に面した前頭葉皮質の損傷は何が社会的に適切であるかの判断力を障害し,上側頭回の損傷では顔の認知(face-perception)ができなくなる.人以外の霊長類での単一細胞記録研究でも,上側頭回が相手がどこを見ているかを把握する際に活動することが示された.また,最近の心の理論(人に精神状態を帰属させる能力)に関するPETやSPECT研究(局所脳血流・脳代謝の映像化)は,前-前頭皮質の領域,特に正中前頭皮質(MFC)と眼窩に面した前頭葉皮質の重要性を示唆した.

今回の機能性MRI研究は2つの主要な目的を有する.(i)これまでのいろいろな研究結果が示唆しているBrothersの‘社会的な脳’仮説「社会性知能検査を受けている時の健常者では,扁桃体・眼窩に面した前頭葉皮質・上側頭回が協調して活動する」を検討する.(ii)この仮説の正当性を,社会性の障害として知られる高機能自閉症またはアスペルガー症候群と比較して検討する.特に,次の5つの事項から,我々は自閉症では扁桃体の活動に異常があると予想する.

  1. 自閉症の病理所見では,扁桃体の容積は正常であるが,細胞密度の増加がみとめられる.
  2. 唯一の自閉症動物モデルは,扁桃体を切除したアカゲザルである.高次の認知障害を含む自閉症の動物モデルが作れるかという議論はあるものの,このアカゲザルのモデルは扁桃体説を支持する.
  3. 扁桃体の損傷は,人において社会的判断力の障害の原因となる.
  4. SPECTによる検討では,側頭葉てんかんの有無にかかわらず,自閉症関連状態においては,側頭葉の血流が有意に低下している.
  5. 結節性硬化症で自閉症を呈する症例では,側頭葉に過誤腫が存在する.
上記の理由全てが,自閉症における扁桃体機能障害の存在を強く示唆する.

被検査者と方法

(被検査者)
6人の自閉症者(4人が男)は,平均年齢,利き手,IQ,社会的経済的環境,教育レベルに関して,12人の健常者群(6人が男)と差がないようにした.IQはWAIS-Rで評価し,全てのIQ値で85以上のものだけを対象者とした.平均年齢は自閉症群で26.3歳,健常者群で25.5歳であった.自閉症者群は全員,DSM-WおよびICD-10では自閉症あるいはアスペルガー症候群の基準を充たした.

(実験デザイン)
ブロック化したA・B繰り返しデザインを採用した.30秒間の課題Aに続き,課題Bが30秒間で,A・Bが5回繰り返される(合計5分).脳のMRIイメージデータは,課題が提示される間に集められる.このデザインでは,MRIシグナルが刺激に相応して周期的に変化することが予測され,課題Aの時の最大シグナルは,目の画像から性別を判断する脳活動を反映し,課題Bの時の最大シグナルは,同じ目の画像から精神状態を判別する脳活動を反映する.課題の反応として,二者択一形式で左右に並んだ二つの単語の片方を選び,右手で2つのボタン(左ボタン・右ボタン)の片方を押さなければならない.右が正解の場合と,左が正解の場合は均等にしてあり,我々は自閉症においては課題Bで健常者と異なると予想した.

(方法)
課題A
被検査者は,一連の目の写真画像を見せられ,それぞれの画像が男なのか女なのか判断して右手のボタンで解答する.この性別判定課題のための被検査者への説明では,同時に提示される‘男’と‘女’の二つの単語のうち,最も適当と思われる方を選ぶよう指示される.それぞれの画像は5秒間提示され,引き続き0.75秒はスクリーン上には何も提示されない.30秒間連続で課題Aが提示され,目の画像は30枚の中から選別される.スクリーンは被検査者から3.5m離し,視野角は水平方向に10度,垂直方向に8度とした.

課題B
課題Aと同じ目の写真画像から読み取れるその人の精神状態をより的確に表していると考えられる単語を,同時に提示された二つの中から選択しなければならない.従って,課題Aと課題Bの差は,判断の中身のみということになる.検査実施の前にサンプル問題が1題例示される.この心の理論課題のための被検査者への説明では,同時に提示される2つの単語のうち,写真画像の人物が感じていたり思っていることとして最も適当と思われる方を選ぶよう指示される.課題Bは心の理論課題としては,上級課題で,読心術(mind-reading)の側面を持つ.

高機能自閉症またはアスペルガー症候群の場合,この心の理論上級課題をこなすことができない.また,自閉症やアスペルガー症候群の親たちもこの課題の成績が悪いことが報告されている.William's症候群の子供の場合は,精神遅滞があっても,この課題を解くことができる.選択肢の2つの単語は画像の直下の左右に一つずつ提示される.課題Bで使用される精神状態を表す単語は,予め被検査者に提示され,意味がわからないものについては,検査者が口頭で説明することになっていたが,両グループ共その必要はなかった.

イメージングと解析
1.5 Tesla GE Signa Systemで,標準頭部コイルを使用し,AC-PC線(前交連-後交連線)に平行な画像データを収集した.課題Aと課題Bの繰り返しは,30秒+30秒で60秒に1サイクル(1/60Hz)で,T2-強調シグナル強度の周期的な変動は,この周期でのサイン波とコサイン波の和でモデル化された.サイン波の振幅(γ)と,コサイン波の振幅(δ)を算出し,γの二乗とδの二乗の和を標準誤差で除したものを,基本パワー指数(FPQ)とした.危険率0.008(one-tailed)で有意な中央値を各Voxelで検定し,フィルタ−でスムーズ化して標準図譜上に重ねて表示して脳活動マップを描いた.またγに関しても,各Voxel毎に検討し,γが正の場合は,課題Aで活性化し,γが負の場合は課題Bで活性化した部位と考えられた.

結果
コントロールグループでは,性別判定(課題A)の正解が86±3.0%で,心の理論課題(課題B)が正解83±7.3%であった.自閉症・アスペルガー症候群グループでは,課題Aが82±7.5%,課題Bが74±7.3%であった.両群間の差は課題Aでも(P=0.001),課題Bでも(P=0.02)有意であった(コントロールグループの方が正解率が高い).サンプル数が大きい研究では,高機能自閉症またはアスペルガー症候群においては,性別判定課題は正常で,心の理論課題だけが有意に成績が悪かった.

機能的MRIデータでは,2つの解析を行った.まず最初は,各群毎に脳活動マップを描いた.この脳活動マップは,各群全員のデータを反映しており,課題Aと課題Bの周期に合わせて,活動性が周期的に有意に変化する脳部位がvoxelレベルで局所的に同定される.従って,各群において,それぞれの課題に反応して脳のどの部位が活性化されたかが判明する.2番目に,我々は,それぞれの課題に対する反応程度の平均値が,コントロールグループと自閉症・アスペルガー症候群グループで有意に異なるかどうかを検定した.

今回の検討で解析できる脳部位は解剖学的に2つに分類することができる(表1).

表1
解剖学的分類脳の領域(Brodmann area)
左DLPFCを含む前頭-側頭新皮質領域(BA 44,45,46)
左正中前頭皮質(MFC;BA9)
補助運動領域(SMA;正中BA 6)
中および上側頭,角回,上辺縁回を含む両側側頭-頭頂領域(BA 21,22,39,40)
左の扁桃体
左の海馬回(BA 27,30)
両側島
左線条体を含む多くの非-新皮質領域

自閉症・アスペルガー症候群グループでは,コントロールグループに比べ,前頭領域の活性化が少なく,扁桃体は全く活性化が見られなかった.表2に示すように,コントロールグループは左の扁桃体,右の島部,および左の下前頭回において有意に大きな反応活性を呈した.一方,自閉症・アスペルガー症候群グループは,両側の上側頭回(STG)で,有意な活性を呈した.

表2
脳領域Brodmann分類Voxel数差異危険率
上側頭回2212自閉症>コントロール0.004
上側頭回22自閉症>コントロール0.002
下前頭回44/45コントロール>自閉症0.001
コントロール>自閉症0.001
扁桃体コントロール>自閉症0.001

考察
これらの結果は,「視覚刺激の中から社会性に関連した情報を抜粋するプロセスが健常者においては上側頭回・前-前頭皮質・扁桃体の活性化に関連している」とするBrothersの仮説を強く支持するものである.次に,これらの脳領域のそれぞれが,正常の脳機能および自閉症者の脳活動にどのように関連しているかについて考察する.

左の扁桃体は,複雑な視覚刺激(例えば相手の目の表情)の中から,精神状態/感情に関する情報を同定する際に重要な領域であると思われる.左右差については,過去の論文の結果と一致しており,左の扁桃体が感情のプロセシングにおいて特異的に活性化することが知られている.自閉症・アスペルガー症候群グループでは,心の理論課題をこなすのに扁桃体を使っていない代わりに,側頭葉にある領域で情報を処理していることが判明した.この事実は,自閉症者が,扁桃体に異常があるために,言語記憶機能と顔の表情記憶機能の両方を使って心の理論課題をこなしていると考えることで説明することができる.扁桃体は,恐怖の理解において重要な役割を持つことが知られているが,ここで我々は,顔,特に目から得られる情報からいろいろな精神状態を類推する過程に扁桃体が関与している可能性を追加した.今回の研究で使われた刺激は,興味や思索や無視などを含むいろいろな精神状態の表現を判断することを含んでいるため,その結果は単純に感情の処理や覚醒を反映するものではないと考える.さらに,過去の研究では,扁桃体の活動は強力な感情刺激の受動的知覚を含んでいるが,我々の研究での心の理論課題は異なる種類のもの(精神状態の特性)を能動的に判断する過程を含んでいる.このことは,目の表情から精神状態を類推する場合でも,また他の動画的情報から精神状態を類推する場合でも,精神状態の概念がこれらの領域で処理されていることを示唆している.

左の前-前頭領域に関しては,言語性ワーキング・メモリー(解説1)/中心的管理能力に関与していることが考えられており,これらの機能は目を観察している間に,適当と思われる単語を選ぶプロセスにも必要である.自閉症に関する過去の研究は,正中前頭皮質(MFC)の活性低下があることを示唆している.今回の結果で,自閉症においては正中前頭皮質(MFC)の活動部位が狭いことが示されたが統計学的な有意差はみられなかった.

側頭葉領域は,単語の処理過程に関係することが知られており,単語の貯蔵庫としての役割を持ち,目の情報処理にも関与している.自閉症者において心の理論課題で誘発される上側頭回(STG)の活動は,両側性であるがゆえに,目や顔の情報処理を反映していると考えられる.一方,単語情報の処理は,左側の上側頭回(STG)のみを使っているようである.

本研究の基本的な前提は,社会的知性が全般的知性から分離可能であるということである.さらに特異的には,社会的認知機能に関してのみ異なる二つの実験的コンディション間の周期的なコントラストをデザインすることが可能であり,この実験デザインに対する反応は‘社会的な脳’の構成部分に特異的であろうと仮定した.この一連の仮説の妥当性は,我々の結果の健常者でのデータと過去の‘社会的な脳’に関する報告の内容とが一致することで支持される.しかし,我々の実験デザインに内在的に存在する限界やあいまいさがあることもまた事実である.

刺激頻度や反応運動においては十分に適合させたこの二つの実験的コンディションは,社会的認知という点においてのみコントラスト(差異)があり,心の理論課題では被検査者は目の表情からその精神状態を予想するために,長期記憶を検索してみたり,画像が表す感情状態を自分に再現する必要がある.性別判定課題では,選択肢である‘男’と‘女’の二単語は画像と共に繰り返し提示されるが,心の理論課題の画像と共に提示される選択肢は各画像毎に変わる.従って,同じ選択肢が繰り返される状況と新しい選択肢が次々と出てくる状況の差が特異的な反応上の差の原因となったり,選択肢のパターンの違いによる言語システムの違いが周期的な変化の原因になっていることも考えられる.結局,視覚刺激と言語刺激の同時提示は,画像情報を収集している間の反応を解答のボタンが押されることでモニターするためには不可欠な方法ではあるが,無視できないあいまいさの原因になっている.被検査者は,目の画像を,選択肢の単語によって導き出される関連や記憶にマッチさせているのか,あるいはその逆なのか,両方が考えられる.要するに,‘社会的な脳’の実験的活性化における刺激の様式(modality)が視覚的なのか言語的なのかはっきりしていないのである.このような問題点のいくつかは,周期的あるいはサブトラクションデザインに典型的なものであり,今後の機能的MRI研究において,課題の難度を連続的に変動させるような,いわゆるパラメトリックな実験デザインを模索する際に重要である.

自閉症・アスペルガー症候群グループでみられた異常脳活動が,心の理論課題の不正解に単純に起因する可能性は,課題の正答率が十分に高いため否定的である.自閉症者においては,相手の精神状態を類推することのみに問題があると言うよりは,感情の情報処理の全般的な障害が存在することが考えられる.我々は感情の情報処理を社会的な知性の一部とみなしているので,自閉症における全般的感情情報処理障害説は,「自閉症者が‘社会的な脳’を利用できない」とする我々の説明に矛盾するものではない.さらに,「考え込んでいる」かどうかの課題などは感情とは無関係な表情であるので,全般的感情情報処理障害といっても部分的な説明ということになる.

さらに,本研究のデザインで扁桃体の生理的機能の左右差(表情を読む時に左側扁桃体を使う)が自閉症で検出できない理由として,「自閉症者は実際は‘社会的な脳’を利用してはいるが,性別判定課題でも同じように扁桃体が活動しているため,本研究のデザインではコントラストとして検出できない」ことも考えられる.しかし,仮にこれが事実だとしても,本研究結果は自閉症において社会的知能の機能分化(modularityまたはmodularization)の異常が存在することの興味ある証拠を提供しているわけである.しかし,自閉症者におけるそれぞれの課題でのMRIスキャンでは,扁桃体に明らかな活動は記録されておらず,自閉症における扁桃体説が支持される.

今回の結果を説明できるもうひとつの説として,「自閉症者は単に相手の精神状態や態度に接した経験が少ない」という可能性もあるが,「同情・共感」,「考え込んでいる」,「悲しい思い」,「友好的」などの選択肢については当てはまらない.これらの感情や態度に関する経験は,コントロールグループでも自閉症・アスペルガー症候群グループでも同等であるはずだからである.もちろん,上述したいろいろな説は,「同じ経験量でも,自閉症者ではそのような概念や表現を理解できていない」とする本研究の主題仮説を否定するものではない.

自閉症者の眼球運動が,課題Aの時に比べ,課題Bで異なっている可能性もある.視覚刺激としては同一であるので,眼球運動に違いが出てくる根拠はなにもないが,今後検討されるべき点である.漠然としており検討不可能な可能性として,自閉症者の課題の種類によって意欲・努力が変化してしまうという問題も残る.意欲・努力の低下は理解不足と必ずしも無関係ではないし,この点を分離して検討することは不可能である.

今回使った課題は,より単純な精神エレメントに分解可能であるので,今後のさらなる研究が必要である.まず,自閉症者に目の画像だけを提示(選択肢の単語は提示しない)したり,その逆を行ったりして,脳の活動部位を分離できるかどうかを検討する必要がある.2番目に,自閉症者にみられた扁桃体の活動不全が,相手の精神状態を類推することに特異的な異常であるのか,あるいは扁桃体の全ての機能の低下を意味しているのかを検討するために,他の扁桃体の認知機能検査も取り入れる必要がある.社会的知性に関する他の機能の検討を積み重ねていくことも重要である.いずれにしても,本研究の結果は,健常者における扁桃体の機能に関する強力な証拠を提供していると共に,自閉症における扁桃体異常の存在を支持するものである.


(解説1)ワーキング・メモリー:行動や決断に必要な情報を一時的に保持しつつ操作し,行動や決断を導く認知機能.短期記憶の一種.認知心理学者アラン・バドリーが提唱.

(感想)自閉症者が6人,健常者が12人というデータでは,証拠というには少なすぎます.また,解析結果の解釈も,いくつかの計算処理過程を経ており,再現性が十分なのかという問題に加え,そのまま客観的なデータとして評価していいものか疑問も残ります.仮に左の扁桃体を自閉症者が使っていないというのが普遍的な事実だとしても,左の扁桃体を使っていない健常者が一人でもみつかれば,疾患特異性はなくなります.今後の大規模な研究が必要です.


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