Abstract Update
小脳の発達異常と認知機能・小脳運動機能
機能的MRI検査
Allen G, Courchesne E. Differential effects of developmental cerebellar
abnormality on cognitive and motor functions in the cerebellum: an fMRI study of
autism. Am J Psychiatry 160: 262-273, 2003.
(目的)近年小脳の機能に関する概念には変化がみられる.新知見は小脳が複数の機能ドメインにおいて役割を担っていることを示しており,運動だけでなく,認知,情緒,感覚に関するドメインを含んでいる.これらの所見は小脳の発達異常が運動に関係のない機能の障害に関連する可能性を意味し,そのため小脳病理の機能的な結果についてはより幅広い研究がなされることが求められている.自閉症は剖検例で調べられた90%以上において小脳の解剖学的異常がみられるので,有益なモデルを提供してくれる.本研究の目的はそのような病理が最終的に小脳の認知機能や運動機能にどのようなインパクトを与えるかを検討することである.(方法)解剖学的に決定された目的とする小脳部分における機能的MRI画像のパターンを検討した.対象者は14歳から38歳の自閉症者8人とマッチさせた健常コントロール8人で,運動課題と注意課題を行ってもらった.運動課題に関しては対象者は自分の好きなペースでボタンを押してもらい,安静状態とMRIを比較した.注意課題では,視覚的刺激が凝視している場所に1回提示され対象者は全てのターゲットに対しボタンを押す.(結果)これらの課題を行う間,自閉症者においては運動に関する小脳の活動は有意により大きく,また注意においては小脳の活動がより小さかった.(結論)これらの所見は自閉症における注意障害における小脳の役割の意義を新しく強調し,小脳の発達異常が認知と運動システムに関して異なる機能的意義を持つことを示唆する.
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