読み物編ではMIDIを取り巻くデジタル・ミュージックについて,ワタシ,せーじが日頃思っていることを日記風に書き溜めていきます。
デジタルと懐古趣味
昔から アナログ・シンセサイザー に慣れ親しんできた人達は,「最近のデジタル・シンセには魂が無い。やっぱり昔の音は昔のあの器材でなければ出ない。それがコダワリである。」というコトをよく口にされます。
ところが,上記のような昔の音に慣れ親しんできた人達にとっては,そのようなソフトには納得がいきません。なぜか?・・・理由の1つに,デジタルの音がクリア過ぎる点が挙げられます。フィルターを通してガンガンにクォリティを落とした音,要するにハイ&ローが削られたため中域が膨らんだようになり音圧が高く聞こえる音・・・それが「いい音」,「カッコいい音」と思っている彼らにそのことを説明してもどうしようもないのは確かです。なぜならハイ・クォリティ = 決してよいもの,という方程式が成り立たないのがアートですし,何よりも音楽性やこだわりを重視するのがミュージシャンですから。 そういう意味では「デジタル嫌い」という偏見も,ミュージシャンとして持ち続けなければならないポリシーです。しかしそればっかりにとらわれ過ぎて新しいモノに目がいかないようでは,本当にいいものが出てきても,「知らぬ存ぜぬ」で目の前を通過させ,いつまでも「昔はよかったなぁ・・・」と懐古趣味に走ってしまうという傾向に陥ってしまいます。そこにまた新しい可能性があるかもしれないのに・・・。 やはり,「新しいものでもいいものはいい」と,前向きな気持ちで接してこそ発見も見出せるし,前進もあるはずです。MIDIの技術がデジタルの進歩に拍車をかける現在では,いかにアナログなミュージシャンと言えども,MIDIをはじめとするデジタル・コンテンツへの理解とチャレンジは,避けて通れない鬼門となるのでは?・・・私はそう思います。 |
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