「初めて奄美大島を発見した外国人が、その美しい姿に感動し、サンタ・マリア島と名付けた」と。
きっとこの時期にやってきたのかもしれない...。

 

  

雲は天才である

Photo - by Ryo

奄美の最も美しい季節といえば、だれもが海も空も「太陽がいっぱい」の夏と答えるが、それは
あくまで観光客用。個人的には、梅雨(ナガシ)あけ前後の六月中旬頃である。雨上がりの、時刻
もほぼ決まっている夕刻。シャッターチャンスは一、二分ほど。その美しさは、絵かき田中一村の
代表作を思わせる、息をのむような静謐さにある。一五、六世紀頃の南西諸島には、ヨーロッパ
からの探訪船が次々と訪れていたそうで、「初めて奄美大島を発見した外国人が、その美しい姿
に感動し、サンタ・マリア島と名付けた」と。きっとこの時期にやってきたのかもしれない...。

水平線などどこ吹く風か大輪の虹

−雨上がりの散歩者−

 

奄美を代表する詩人の一人、藤井玲一氏もこう表現している。

「初秋から冬を通して、北から吹きすさぶニシ(季節風)の乱舞や、南から突然訪なう春先のホン風(南風)の奔放さ、そして夏になると次から次と島々をさいなむ通貨儀礼的なテーフ(台風)の狂乱などと、年中風神の厳しい洗礼を受け続ける奄美の島々にとって、六月から七月初旬にかけての季節ほど、優しく穏便な時間を感じさせてくれるものはないように思える。しとしとと降りそそぐ雨また雨。そのしっとりした優しさに濡れそぼりつつ、目を閉じてたゆたう海の、うたたねもどきの心地よいうねり。雨に洗われてより鮮やかな緑の彩りを着飾る島々のたたずまい。それこそ、限りなく文明や開発の刃を受けつつ、人為の欲望に変節されていく日々の苦悩を、島々がしばし忘れて憩う一時だとも感じさせられてならない。」
    「海の道・道の島」 南日本新聞 昭和六十年七月一日  『島模様』 南海日日新聞社刊

/18 2002

 

創句で読む 戻る
------------------------------------
Copyright 2000-2009 : All rights reserved.
Shouzou Tahara (Japan)
Louis Adamic In Japan 
Guide of Noted Slovene-American Immigrant Author Louis Adamic 
Blog–Immigrant Download Ebook for World Diversity!