☆ 奄美を代表する詩人の一人 進 一男さん 日本の黒豚のルーツでもある
奄美の黒豚をこよなく愛する氏の ユニークな詩から引用しました ☆

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飛んでいる豚

 

進 一男

 

マルク・シャガールは

恋人たちを空に飛ばせたが

   (彼らの下にはオシッコする少女)

わがミスター・ケイは

一頭の豚を空に飛ばせた

(縞の綾豚の背後には満月)

おお偉大なる

飛んでいる我らの綾豚よ

とにもかくにも現代は

確かに豚も飛んでいる時代なのだ

俺も少しは飛ばねばならぬと思うのだが

空を飛ぶのは何時も

首の切れた

 

 

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豚でさえ

 

庭の片隅に一輪の白い花が咲いた

名も知らぬ花である

しかしそれをみつめていると

草花はただ在るのではなくして

実際に在るということとして在るのだ

という気になってくる

よくわからないが不思議な思いだ

そしてその時ふと私は思ったのだ

どうも人間という奴は

他の生物たちに比べると作り損ね作られ損ね

あるいは生まれ損ねだったのではないかと

庭の花を見よ

飛翔する鳥を

私の豚たちでさえ

 

 

 

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豚よ吠えろ

 

(私は豚が好きだ

人間の異名である豚が好きなのである)

 

豚は吠える

最初のブウは

おれは生きるぞということである

二番目のブウは言うまでもなく

それでもおれは生きるぞということである

そして次のブウも

あくまでおれは生き抜くぞということである

 

おれはおれたち仲間をこよなく愛している

それに比べると

おれたちの異名である奴らの

何と愚かなことよ

到底おれたちに及ぶべくもないと思われる

もともと奴らは馬鹿なけだものさ

 

豚は生きる

何が何でもおれたちは生きている

奴らがこの世から消え失せようとも

おれたちはこの地球に生きることができるのだ

最後のブウは

おれたちは生き残り

最後の勝利を納めるということだ

 

吠えろ豚

たとえ追いつめられて追いつめられても

それでもなお豚は豚

偉大なる哉

 

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黒豚よ

お前は何処へ行ったのか

不意に消え失せてしまうとは

一体お前の上に何が起こったのか

 

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引用 『小詩集 豚と私と』 進 一男著

発行所「本多企画」1997年5月

 

目次

飛んでいる豚 / 豚を愛せよ / その日の豚 / 豚でさえ / 豚のこと / 
豚の擁護 / いとしの豚よ / 豚よ吠えろ / 白豚と黒豚
/ 黒豚物語 /作品年譜 / あとがき / おことわり  

 

詩人 進 一男 (Mr.SUSUMU Kazuo) 作品案内

田原正三 記 2002年7月23日

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