HOME

ブローバイガス処理法を探る

ブローバイ配管

ブローバイガスとは、エンジンが動いている時にピストンとシリンダーのごくわずかなすき間から漏れだした未燃焼ガス、つまり燃え残りです。燃焼済みの排気ガスと違ってマフラーからは出て行けないため、エンジンのクランクケース内部にジワジワとたまり、オイルの劣化(酸化)やひどい場合には金属部分の腐食を招く事もあるといいます。

通常はこのガスをエンジン内から吸気側に戻し、再びシリンダー内に送り込んで燃やすブローバイ還元方式をとります。Banditでもこの写真のように20センチほどのブリーザーホース(純正マニュアルではブリーザパイプと表記)でエンジンのてっぺんから導き出されたブローバイガスが、すぐ後ろにあるエアクリーナーボックスの中に戻されています。

ところが初期型Bandit250のブローバイ還元経路にはちょっとした欠陥(?)があって、まずエンジンのてっぺんにある四角い気液分離室(ガスと油分を分離させる場所)の働きが弱く、エアクリーナーボックスに油分を多く含んだガスが流れ込んで、走行後の再始動性が悪くなったりエアクリーナーエレメントの汚れを加速させています。さらに悪い事にボックス内の開口部が前傾したダウンドラフトキャブの真上にあるため、液状となった油分がダラダラとキャブ吸入口に入り込み、ひどい場合はエアジェットをほとんど塞いでしまう事もあります。これにより燃料が濃いめとなり、低速でのトルクが出にくくなる原因の一つとも言われているのです。


目次

大気開放してみる

エアクリ側を塞ぎ

一番簡単な解決方法はこれ。ブローバイガスがエアクリーナー側に戻らないよう、ブリーザーホースそのものを外してしまえばいいのです。

空気を吸わないよう、ホースを折り曲げてタイラップで束ねてしまいましょう。


ヘッドからホースを伸ばし

エンジンヘッドから出るガスは、そのまま開けておくと周辺がベタベタになってしまうので、耐油性のホースをつないで延長し・・。


車体下に排出

車体の下部に誘導し、地面に向かって落としてやります。ハイ、これで解決です(笑)。


しかし・・
有毒成分を多量に含むブローバイガスの大気解放は、実は違法行為。パイプで還流させて吸気側、つまりエアクリーナーボックス内に戻すよう法律で義務づけられているのです。

「そんな事言ったって元に戻したら悪影響が出るかもしれない。さいわい250には車検もないし、どうせバレやしないからこのままでいいや!」

なーんて気楽に考えていた作者でしたが、長い信号待ちでエンジンをかけたままにしていると排出されたガスが上がってきて目がしばしばとなり、鼻をつく臭いもかなりのもの。

「こ、これは結構キツいな・・」

要はエアクリ側に余計な油分が垂れてこなければいいのですから、自分で出来る対策をいろいろ考えてみる事にします。

市販のブリーザーホースについて

ところでバイク用品店に行くと、エンジンオイル注入口のフタと交換して取り付けるクランクケース・ブリーザーなるものが数千円もの値段で売っていますが、あれも同様にクランクケース内にたまったブローバイガスを外に抜いてやるためのもので、中には贅沢なメッシュホースや色つきアルマイトのジョイントブッシュを使うなど「ノーマルとはちょっと違うぜ」的な視覚アピール効果が高く、付けている人はけっこう多いようです。

しかしエンジン下部のクランクケースと純正のブローバイ経路があるエンジンヘッドは、エンジン中央のカムチェーン室などを経由して繋がっているひとつの部屋ですから、わざわざ高いお金を出して別売りホースを追加しなくても、ノーマル状態でもちゃんとブローバイガスは外に抜けてくれているのです(Bandit250に限らず、4ストロークエンジンのバイクはたいていそうなっています)。という訳でドレスアップ効果以外にはあまり役には立ちません。エアクリーナーボックスを完全除去して直キャブやパワーフィルター仕様に改造しているのならまた話は別ですが、それ以前にやはりブローバイガスを公道上で大気解放するのは違法行為になりますので、改造の際には注意が必要でしょう。

[↑目次へ]

オイルキャッチタンクを取り付けてみる

必要なもの

オイルキャッチタンク
といってもどんなサイズがいいかわかりませんので、とりあえずホームセンターで容量600ccのポリ容器を購入、120円。耐熱は100℃までと表記されていますが、果たして大丈夫かな?
内径12ミリ×外径18ミリの水道ホース
ブローバイ経路からの延長用。ガソリンを直接通す訳でもないし、耐油ホースは値段が高いので水道用ホースをつけてみました。メートルあたり200円程度のごく普通のものです。様子を見て劣化が激しいようなら、あらためて耐油ホースに交換するつもりです。
はんだごて
ボトルのフタにホースを通す穴を開ける時に使います。
10ミリのボックスレンチ
タンクを降ろす時に使います。
4ミリの六角レンチ
サイドカバーを外す用。シートの下にあるやつでいいです。
その他
カッター、ハリガネ、結束バンドなど。

キャッチタンクは車体左に

エンジンヘッドとエアクリーナーボックス、それぞれの部分をホースで延長し、車体横に取り付けた手製のオイルキャッチタンクまで持ってきます。


ホースの挿入部分

キャッチタンクのフタにはホース用の穴を2つ、はんだごてで溶かして開けておきます。最初は小さめに開け、熱いうちにホースをねじ込めばジャストフィットサイズで差し込めます。すき間が気になるならゴム系接着剤かコーキングで塞ぎましょう。ここが漏れては、この作業をやる意味がないですからね。


キャッチタンクの構造

エンジンの頭からガスが流入してくるホース(グレーの方)はキャッチタンクの底にあたるくらい長めにセットし、ガスに含まれる油分が壁面に付着する効果を狙います。いっぽうエアクリボックスに入る排出側のホース(網目の方)は油分を吸わないよう4分の1くらいの所で浅く固定しておきます。

うまくいけば、油分のみがここで落ち、気体はエンジン内に戻ってゆくはずです。

さて、この状態でしばらく走って様子を見ましょう・・。


2004年4月

キャッチタンクにたまった液

通勤(約3キロ)とツーリング(約500キロ)で約4ヶ月間過ごしてみたところ、ヤクルトのビンで半分ちょっとくらい(40cc程度)溜まりました。トータル走行距離は700キロ強。


灰皿に液を移す

耐熱容器でなかったにも関わらず、変形や穴あきは全くなし。水道ホースにも劣化は認められませんでした。

キャッチタンクの中はちょっと懐かしい感じの刺激臭。Banditが不動車だった頃、キャブを分解した時に出てきた水混じりの腐ったガソリンの臭いによく似ています。

ほんのり薄い茶色の液体を金蔵製の灰皿に移してみると何やら透明っぽい成分も混じっていて、底の方に球状になって沈んでいるようです。


火をつけてみる

試しに、スプーンにとって火をつけてみました。

燃え残りのガソリンなら勢いよく燃え上がるはずですが、なかなか燃えません。しばらく炙ってやっと火がつきました。パチパチと音を立てて黒いススを上げながら赤く燃えています。ガソリンのようでもありますが、あまり多くは含まれていないようです。


茶色い燃えかす

燃えたあとスプーンの底に茶色い液がわずかに残りましたが、これはおそらく気化したオイルの一部でしょうか。


水とは混じらない

コップに入れた水に液を投入してかき混ぜてみました。油分がたくさんの球になって浮いてきます。これらがエアクリーナーやキャブに多量に吸入されて、いろんな悪さをするのかもしれません。


パワーや燃費は変化した?

燃費を計算

今回このような実験をやってみましたが、最初に懸念された発進トルクの低下はほとんど感じられませんでした。燃費も同様に変化なし。唯一阿蘇あたりの千メートル級高地を走った時、発進加速や吹け上がりがほんの少し重くなって4千回転あたりの段差も出ていたように思います。しかしこれも今までの経験からしてエアクリーナーの汚れに影響されている場合が大きいので、ブローバイを戻したためとは一概に言えないでしょう。

次回は新品のエアクリーナーに替えた直後から、またデータを取ってみたいと思っています。今回の結果からもキャッチタンク容量はもっと小さく出来るようなので、次はあまり目立たない所に置いてみます。


「ホースを外すだけで調子よくなるらしいよ」と、ごく安易な気持ちからブローバイの大気解放をしていた作者ですが、これらの油分を路上に撒きながら走っていた訳で、ちょっと反省しなくてはなりませんね。ブローバイガスがどういうものか薄々知ってはいましたが、今回実際に溜めてみる事で、より強く実感出来ました。

キャッチタンクの取り付け場所探しが大変ですが、環境の事もよく考えて、大気解放しているBanditユーザにはなるべく取り付けをお薦めしておきます。見た目は地味で、パワーにもほとんど関係しないでしょうけど、それなりに意義のあるカスタムだと思います。

[↑目次へ]

タンクにスチールウールを詰めてみる

2004年9月

結局そのままでさらに5ヶ月が経過。その後も特に燃費やエンジン特性に変化はないようでしたが、見ていると当然ながら容器内部の黄色い液が増えたり減ったりします。そしてふと気付いたのが「これって停車してる時に蒸発したぶんはホースを通ってエンジンやエアクリーナーボックスに戻ってしまうだろうから、結局は直結してるのとあまり変わらないのでは?」という事。しかし液の排出口をつけるのはちょっと面倒だし、路上に垂れ流してしまってはそれこそ最初と同じですよね。

スチールウール

液化したものはしょうがないとして、これをもう少しゆっくり気化させて吸入するような手はないだろうかと考えた結果、タンク内に台所用のスチールウールを詰め込んでみてはどうだろう、と思いつきました。鉄だと腐食が心配なのでステンレス製をチョイス。


ボトルに合わせて

これで実質の循環経路が長くなるはずですから、多少は出方が変わるかもしれません。またしばらく様子を見ます。


2004年12月

スチールウールの影響か、長距離を走った後の液量があまり増えなくなりました。もしかしたらスチールウール側にからめ取られて下側に溜まってこないのかもしれません。日常的な燃費やエンジン特性に変化はありませんが、500キロの日帰りツーリングの時に下道のみでトータル燃費24.8キロ/Lを記録。作者が記憶している範囲内では最良の数値ですが、今回のように気温が低くなりはじめた時期は燃費もよくなりがちですから、この低燃費がスチールウールの影響かどうかは、まだはっきりしません。帰宅後容器の底に溜まっていた液の量はスチールウールを入れてなかった最初の頃の約半分でした。

スチールウールはかなり汚れてきているようですが(臭いもすごい!)、とりあえずそのままで、これでまたしばらく様子を見ます。

ところでふと気付いた大問題「スチールウールって全体が1本でつながっているの?」。つまり、もしこのモジャモジャの中に小単位の切れっ端が多少なりとも混入していたら、ここからエアクリーナーボックスに直接引き込まれているホースを通って、高速で燃焼するシリンダー内にステンレスの金属片がポロッと吸い込まれてしまう可能性がなきにしもあらずな訳で。

今のところ異常はないようですけど、用心のためホースの端に何か布でもかぶせておくのがいいかもしれないですね。

[↑目次へ]

2005年3月12日

タンク底にたまった液

3月12日に日帰りで鹿児島から福岡県鳥栖市まで往復してきました。R3をメインに下道オンリーで約500キロの行程。


大さじ1杯と少し

出かける前にカラにしておいたタンクの底には、帰宅後約20cc(大さじ1杯強)の例の液体が溜まっていました。燃費はトータル22.3キロ/Lを記録、途中の熊本市や久留米市などの都市部で1時間以上ノロノロの渋滞にハマッていた割にはいい成績と言えます。

ブローバイ経路の加工を施して1年3ヶ月、この間6千キロ以上走りましたが、実はエアクリーナーは1度も交換していません。そのエアクリもそれ以前から使っていたものですから実走行1万キロは越えています。途中2回ほど自宅の風呂場で洗浄したのみですが、明らかに汚れ方が少ないですね。まさにキャッチタンクに効果ありと言えるでしょう。

次の課題はやはりタンクの小型化と取り付け場所の変更ですね。フレームの左右に小さいタンクを付け、間をホースで連絡してみるのはどうかな?なんて考えています。


[↑目次へ]

キャッチタンクを車体の中に収めてみる

2005年3月26日

多少なりとも効果があったとは言え、横っ腹にでっかいキャッチタンクをいつまでもぶら下げているのも何なので、どうにかして車体の内側に目立たず収めたいのですが、小柄な軽2輪のフレーム内にはそう都合のいいスペースは見あたりません。燃料タンクの後ろから冷却水リザーブタンクの周辺にどうにか使えそうな空間がありますが、ここにうまくフィットして、しかもある程度の耐熱性と耐油性を持った容器となると、なかなかむつかしいです。

そこで「キャッチタンクの役目を果たせれば、別にきれいな形をしてなくてもいいよね?」という訳で、ゴミ箱をあさってジュースの缶を見つけてきました。スクリュー式のフタが付いているアルミ缶。このままではうまく入りませんが、素手でも握りつぶせそうなアルミ缶ですから、すき間に合わせて缶の角やら胴体をへこませればどうにか収まりそうです。

必要なもの

ジュースの空き缶
アクエリアスの405mlボトル缶を使用。黒フレームの奥にチラリと見えるメタリックブルーがちょっとカッコイイかも? 飲み口が大きいタイプの方が中に詰め物をするのに便利です。
接着剤
空き缶とホースを密着させ、抜け止めのための接着剤。とりあえずいつものセメダインスーパーX2を使用しました。
スチールウール
ステンレス製のを1個。100円ショップで売ってます。
ホース
上でも使った水道用の半透明ホースを1.5mほど。
ゴムキャップ
ドレン端の漏れ止め用。作者は仕事柄入手しやすかった電気工事用のケーブル末端保護キャップを使いましたが、一般には入手困難だと思うので、マジックペンのキャップや太めのボルトで栓をして、上から結束バンドで縛ってもいいかも。
その他
ラジオペンチ、カッター、ハリガネ、結束バンドなど。
ジュースの空き缶に穴を開ける

前回の白いプラ製キャッチタンクに代わって、ジュースのアルミ缶を使います。


空き缶キャッチタンクの構造

いろいろ考えた結果、缶をさかさにして使うようにしました。上の穴(缶の底側)がエアクリーナーボックスへ向かう排出ホース用で、中間には例のスチールウールを詰め込み、その下にエンジンからのブローバイガス導入ホースが入ります。

エンジンからの吸入側ホースは先端をギザギザに切り、タンクの壁ぎりぎりにして先代タンクと同じく油分の付着効果を狙います。エアクリボックスへの排出側ホースは、気体が抜けやすいよう途中に穴をいくつか開けてみました。

最初に使っていた半透明のポリ容器は外から液量が見えましたが、アルミ缶では中が見えません。そこで透明なドレンホースを使う事で、液の量が外から把握出来るようにしてみます。たまった液の排出も、いちいちタンクを外さなくて済むでしょう。


スチールウールを詰め込む

加工と言ってもペコペコのアルミ缶ですから、電動ドリルなどの大げさな道具は不要。ラジオペンチ一丁でいくらでも穴を開けられます。少々失敗しても替えはいくらでも手に入るので気楽です。そのかわり、取り付け前に内部をよく洗ってゴミを残さないようにしないと、異物がエンジンに吸い込まれてしまう危険があります。


フタにドレンホースを仕込む

ホースの接着にはおなじみセメダインスーパーX2を使いましたが、油にまみれる部分に使うのは初めてなので、とりあえずテスト。もし使っているうちに剥がれてくるようなら、マフラーパテやコーキングなど別の手を考える事にします。


フレームに縛りつけ

キャッチタンクの設置場所はエアクリボックスの右後ろ。シートレールが生えている部分にバンドで固定してみました。

サイドフレームにバンドで固定してグイッと絞ったら、缶が微妙にへこんでフレームに食い込み、しっかりと固定されました。


ドレン端はエンジンの下あたりに

ドレンホースはそのまま真下に落とし、エンジンの横へ。先端にはゴムキャップをしっかり付けて、液が不用意に路面にこぼれないようにしておきます。


とりあえず目立たなくなりました

サイドカバー取り付けの邪魔にもならず、ぴったり収納出来ました。ちらりと覗くホースや、青いスチール缶がまるでブルーアルマイトのパーツのように見えて、何やらスペシャルなカスタムをしているっぽい空気感が出ています(笑)。

ホースを接着後、約1時間乾燥させ、そのまま日帰りツーリングで200キロほど走ってみましたが、特に漏れは出ていないようでした。これでまたしばらく様子を見ましょう。


2005年4月4日

パイプに溜まった液体

500キロほど走って帰宅後チェックしてみたら、最初の思いつきどおり、ちゃんとドレンホース下部に液が溜まっていました。


半分以上は水か?

燃費は22.4キロ/L、溜まった液の量も前回とほぼ同じ大さじ1杯強でしたが、ホースの上と下でちょっと色が違っているのが気になったので透明なペットボトルに移してみたら、最初の頃はオイルの液化したものだと思っていた下半分、これはどうものように見えます。何よりほぼ無色透明だし、下に沈み込んでいるのは油よりも水の方が比重が重いためでしょうか。

燃焼ガスに水分が含まれている事は、エンジン始動時にマフラーから結構な量の水蒸気が出る事からもわかります。エンジン回転中にこのブローバイ経路を観察してみると、エンジン側から引いたパイプの内側には細かい水滴が結露しているのが見えますし、前に付けていた大きな半透明タンクでも同じような水滴が内壁に付着していました。しかし通常の排気ガスよりも体積がずっと少ないはずのブローバイガスから、こんなに水が出てきていいものなんでしょうか?

この液をスプーンにすくって例のように燃やしてみたら、上に浮いている薄茶色のミルクコーヒーみたいなのは前回と同じようにパチパチとススを出しながら燃えますが、下の透明な部分を残して消えました。スプーンの下からさらに加熱するとポコポコと泡を発して水のように沸騰してきますが、時折液体の中でパチンパチンと弾け、蒸発するより先に飛び散ってしまう感じ。中に何かの成分がとけ込んでいるようで、全くの純粋な水という訳でもないみたいですね。

作者は化学分野は不得意なので、この液体Xがどれくらい水に近いのかを調べる方法はちょっと思いつけませんが(もしかしたら火であぶるなんてのはすごく危険な行為だったりして?)、あちこち調べてみても、このブローバイガスを含め、いろんなルートで水分(または水に変わる物質)がクランクケース内部に入り込んでいるのは明らかなようです。さらに走行時の気温や湿度、降雨の有無もそれなりに影響する筈です。下記のリンク先にも参考になりそうなデータが多数示されていますので、もう少し勉強してみようと思っています。


2005年4月11日

パイプに溜まった液体

前回の採取から一週間後、今度は大分県の竹田市まで往復600キロほど走ってきました。当日の午前中は20度を越えるポカポカ陽気。しかし午後からは一転して曇り空から小雨がシトシト降りはじめ、帰路はほぼ全線にわたってウエット路面となりました。湿気があるから液もさぞかし溜まっているだろう・・と帰宅後チェックしてみたらなんと!前回の半分もありません。湿気が元ならもっと多く出てもいいはずなのに、なぜ?しかも水だけでなく薄茶色の油分まで同様に少ないです。


半分以上は水か?

ホースの接合部に漏れが出ている様子もないみたいだし、ちょっと予想を裏切る結果となりました。今回往路はほぼ1本調子で約250キロ走り、目的地で2時間ほど駐車。この間ずっと晴天で気温も高かったですから、もしかしたら蒸発してしまったのかも・・しかしそんな短時間で半分以上も蒸発するのは考えにくいですね。外の容器にあけても完全に消えるまでは何日かかかりますから。

帰路は雨模様で、しかも往路とは真逆の狭い山道を低速・低回転(時速10〜40キロ以下、3,000〜5,000rpm)でゴリゴリ登ったり降りたりするような走り方を50〜60キロ、2時間以上もやっていましたので、その影響もあったかもしれません。リンク先の情報によるとエンジンの燃焼に伴って水分が発生するのは正常な事であり、これが少ないという事は、標高の高い山道走行や極端な高負荷低回転の使いすぎ、またはその両方を合わせた影響により、いい条件で燃焼出来ない時間が長かった・・とか、後半の行程でほとんど雨に降られていたので、クランクケース周りが普段より冷却されていた事にも関係があるかも?

この辺りの関連の解明には、また繰り返しデータを収集する必要があるでしょう。ちなみに燃費は薩摩川内市から熊本空港バイパスまで(下道)が21.7キロ/L、そこから大分の竹田市・長湯温泉を経由して阿蘇、山都町までの高地コースで20.6キロ/L、そして雨の中の山岳悪路を含めた帰宅コースはさすがにちょっと落ちて19.7キロ/L。いやはや、ブローバイガス道も深いなぁ・・。


[↑目次へ]

キャッチタンクを小型化してみる

2007年10月18日

ひとまわり小さなキャッチタンク

キャッチタンク代わりに使っていた空き缶をひと回り小さいものに変えてみました。今度の缶は300mlで、最初に使ったタンクのほぼ半分の容積。中に入れるスチールウールの量もかなり減らしてあります。


高さが低くなった

このネタを掲載し始めて3年半、同様のタンクを装着している人を時々見かけるようになりました。この缶のサイズで効果に変化がなければ、今後装着を考えている人はスペース的に多少楽になるかもしれません。


タンク内の堆積物

たまった茶色いゼリー状の可燃物

キャッチタンクの下部、排出パイプの接着部分には、ここ2年少々の走行で溜まったゼリー状のカスが堆積していました。例によって火をつけてみたら、黒いススを出しながらパチパチとよく燃えます。これを保存しておけば野外でバーベキューをやる時の着火剤代わりになるかも・・というのは冗談ですが、可燃物には違いありませんので、安全のため定期的に缶を開けて掃除をしておいた方がいいようです。


[↑目次へ]

ドレンホースの取り付け法を変更

2009年9月27日

シャンクパーツを再利用

行きつけのバイク屋さんのゴミ捨て場で見つけたカラー付きのパイプ状パーツ(2本式ショックのピボット部分に挿入するスペーサー?)、太さもちょうどいい感じだったので、もらって帰ってドレンホースの取り付け部分に利用してみました。


フタにはめ込み接着

空き缶のフタに穴をあけ、接着剤を塗った上ではめ込み・・。


バンドで締め上げてがっちり固定

外側からホースを差し込んで、スチールバンドで締め付けます。これなら漏れもなく、より確実に液を落下させる事が出来るでしょう。


ホースは劣化したか?

茶色く劣化したホース

このキャッチタンクを取り付けてから4年以上が経過しました。上でも書いていますが、使用しているパイプはホームセンターでメーター200円くらいで売っているごく普通の水道用ホース。これに油分を含んだ熱いガスを通している訳ですから劣化は避けられない筈。様子を見てそのうち耐油ホースに換えるべきだろうか・・なんて思っていた作者でしたが・・

実際にこれだけの期間使い続けても大きな変化は見られませんでした。廃液が常時ふれていたタンク直下部分が少し硬化していた程度で、内側や表面にひび割れなどは見られず、大部分は最初のしなやかさがまだ残っています。色が少し茶色くなった以外は全く問題なし。値の張る耐油ホースは必要なさそうです。


[↑目次へ]

オイル中の水分はどこへ消えるのか
車のエンジンオイルと添加剤のページにある解説の一部。数式や、他の部分でも多くのデータを元に、かなり専門的な解説がなされています。

[↑目次へ]