「今日とは」    皓以兆

新聞を読んでいたら、「今日とは?あなたの残りの人生の最初の日」という一文が気になった。
毎日が、1週間がとても早く感じる今日この頃。テレビの番組が「ついこの間見た。」と思ったら、もう1週間が過ぎている。この間、正月と思っていたらもうお彼岸。日もだんだん長くなり、6時ごろでも明るくなってきた。自分がいつまで生きるかわからないが、確実に死に向かって生きている。人は生まれた瞬間から死に向かって生きている。普段は死ということを意識しないで生きている。光明禅寺から毎月送られてくる新聞に「お釈迦様の言葉で人はいつ死ぬかわからない。毎日を大事に一生懸命生きなさい。」という文が書かれてあった。
自分は毎日を充実して生きているかと言われれば、かなりあやしい。毎日をだらだら生きている。「これではいけない。」と思いながら、生きて早50年。アッというような気がする。
ただ、救いはこの年になって、だんだん友人の数が増えていることだ。これはちょっと自分をほめてやりたい。それと、できるだけ笑い、いろいろなことに感動したい。
暖かくなると、庭に出て花の手入れをする。畑のジャガイモも大きくなってきた。庭や畑の手入れをしている自分はうきうきしているのがわかる。うきうきすることをたくさんやってみたい。
今年は山にも登ろうと思っている。

蓮太郎 

 知らないうちに、浮来亭の庭の桜が咲き始めていました。通りの少ない所だから、見てくれる人は少ないようでちょっと可哀想です。永田さんのところの桜はもう満開のようです。綿菓子のようで凄く美味しそうです。
 場所もそんなに離れていないのに、咲き方が違うのは何故なんだろうかと考えてみました。色々考えて結論が出ました。永田さんのところの桜は多くの人に見られるから『きれいになろう。きれいと思ってもらいたい』という気持ちが強いのに違いありません。きれいになれば見る人はもっと増え、桜はもっときれいになるに違いありません。
 人も同じかもしれないなと寝るときに思いました。きれいになりたかったら、『きれいになりたい』という気持ちを持って多くの人と接すれば良いんだ、と。『良い人になりたい』という気持ちを持って多くの人と接すれば良いんだ、と。
 今年の春はいつもよりいい春を迎えられるかもしれないと思いながら寝た。


 罪

 この国は一神教なので、他国の宗教や思想などの概念がまったく通じなかった。どの国も国家レベルで考えれば、国の考え方は違って当然だ。例えば、ブタを絶対食べない国が二つあるとする。ブタは神聖な生き物なので食べることは禁止という国、ブタはけがれている存在なので絶対にタブーという国。ブタを一つ例にとっても、それくらいの違いがある。だから国家レベルの法律だって、違っていて当然で、むしろ自分たち側の思想や善の概念ばかりが正しいと思っている国のほうが問題なのではないかと思ってしまう。その点、この国はスイスと同じ永世中立国で、おまけに鎖国もしていたので、他国の概念はまったく通用しなかった。江戸時代の日本のほうが、まだ開放的ではないかと思われる。
 この国では、自殺という行為を固く禁じている。これも宗教上の問題らしい。自殺をしたら、本人の魂はおろか、自分の親族まで、いわゆる天国にいけないと信じられているからだ。宗教上の意識統制が幼児教育から始まることもあり、バーバー教の信仰率や首相の支持率も百パーセント。亡命者も受け入れないし、入国審査も徹底しているので、メディアも容易にこの国の内情を暴くことができないでいた。
 この国の首都にあたるキャンバスという町に、バビという天涯孤独な青年がいた。バビには家族がなかった。バビが幼少の頃に事故があり、両親は亡くなった。親族がまわりにいなかったので、近所の人たちがバビを育ててくれていたのだが、宗教上の内紛がおこり、近所の人たちはみんな死んでしまい、バビが住んでいた家もなくなってしまった。この国は裕福な国ではないので、食べるものもろくにない。国土も小さいし、山の中に囲まれているので、資源も豊富ではない。それでも野垂れ死にする人がほとんどいないのは、バーバー教の教えで、食べ物を人に与えたら天国にいけると考えられているからだ。だから、バビはとりあえず一日だけでも生きていける食べ物を恵んでもらうためだけの旅をして、生きてきた。今のところ、バビの頭の中身は「食」のことだけ。ほかのことを考える暇などなかった。食べ物のことでガツガツするなとバビを怒る人もまれにいたが、その人たちにバビを怒る資格はない。なぜなら、その人たちは「食」に満たされているからだ。しかし、そんなバビも恵んでもらったパンを食べた後は、「食」に満たされた状態になるので、自分が何のために生きているのか考えてることもあった。
 だからこそ、悲劇だった。「食」以外のもの、例えば「金」、「名誉」などいろいろなものの目標に向かって生きていくのは楽しいかもしれないが、本当に「食」一辺倒だけを求めて生きていくのは、バビにとって苦痛以外の何者でもなかった。バビはそんなに美しい男でなかったし、左足はもともと自由に動かすことのできない病気であったが、なまじっか思想する頭だけはあった。だからこそ、人から生かされているということが悲しくて悲しくて仕方なかった。
 ある日、バビは死を決意した。人から生かされている人生を歩んでゆくよりも、死を選んだほうが、幾分楽に思えたからだ。バーバー教の神の教えにそむくことは怖かったが、それ以上に生きていくことが怖かった。大木の枝にロープを吊り下げ、バビはそれに身を投じた。一瞬にして真っ暗になった。
 数日後、バビは大きな病院の一室にいた。自分は死んだものだと思っていたので、なぜ生きているのか疑問に思って、ドクターに尋ねた。
 ドクターは言った。「バーバーの教えで自殺はいかんことになっているだろう。だから国民が自殺をしないよう、この国では国民一人一人に催眠術をかけることが法律で定められている。きみの場合は、ロープを木に吊るした瞬間、催眠術がかかり、無意識的に眠ってしまったんだ。それを見た通行人が、警察と救急車を呼んでくれたみたいだね。きみは催眠術の影響もあって、十日くらいこの病院で寝ていた。その間に、警察の現場検証があり・・・、うん。何だね、なんで警察の現場検証が必要なのかって。そんなの決まっているじゃないか。きみが自殺をしようとしたからだよ。この国では自殺という行為が、最も罪が重い。だから、人が生まれたと同時に精神科医が自殺抑制の催眠術をほどこしているんだよ。あっ、このことは内緒にしていてね。催眠術のことは国の政治家や官僚、一部の医者しか知らない事実だからね。もしこのことが国連に知れたら、内部査察やら何やらで大変なことになる。きみも一応、国民だから、しっかりと秘密は守ってくれないとね。えっ、なんだって、ああ。きみが言いたいのは、なんでこんな国家レベルの重要機密を自分に教えてくれたのかってことか。ああ、それは心配いらんよ。きみは自殺が認知されて、昨夜、裁判所から「死刑」の判決がでた。ああ、言い忘れたが、死刑執行は明日だそうだ。それまでに、きみの親族に連絡しておいてね。えっ、なんだって、親族はいない。本当に寂しい男だね。きみは・・・」


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いぶすき巨樹巨木調査 
     今和泉校区を終わって


 3月9日(日)久しぶりの快晴。今和泉小学校に大人14名、小学生6名が集合した。今日は午前中だけの調査なので、どんな調査になるか楽しみ。昔このあたりをよく歩き回っていたという80歳代の男性は、50年ぶりにこの地区に来たという。「ああ、ここがねえ、こげんなって。道がきれいになっちょる」などと一人感慨深げ。現在オクラの植え付けの時期で地区の方々の参加は少なかったが、公民館長さんたちが出てきてくださった。数人ずつ車に分乗し小牧地区を中心に回った。

 縄文の森をつくろう会の会員が発明した樹高計測器で、小学生でも樹高がすぐわかる。神社の境内のナギは樹高20数メートルあった。樹齢200年はありそう。すぐ近くにも大杉があった。皆であっちこっちから眺める。「すごいねーこれは」「300年はあるかもね」 神社の裏山に森のようになった一角があった。そこには石に彫られた馬頭観音がお祭りしてあり、タブやクスといった巨木がそれらを守るように枝を張っている。子どもたちもこんもりと薄暗い木々の下で、さすがに神妙な顔をしていた。「だいぶ古そうだね」と誰かが言った。「こっちはオスのタブで、あっちはメスのタブだよ」とまた誰かが言った。どっしりと根を張った木々たちは一時の喧騒にも黙して語らない。皆黙って裏山を降りた。

 その神社の近く、小学校の校庭の跡地にユーカリの大木があった。澄み切った青空に向かって真っ直ぐ幹が伸びている。梢を風が渡っていく。「これもたいしたもんだね。昔こんな木を植えた人がいたんだ」「台風でも倒れなかったんだ」子どもたちが「ほー」という顔でユーカリを見上げている。

 ある民家の裏庭に幹周り3メートルを超えるエノキがあった。一見枯れているように見えたので、幹の一部を削って見るとまだ立派に生きていた。びっしり取り付いた蔓を取り除く。「何年か前、隣に家が建って、枝があたっち言うんで南ん方の大きい枝を切ったとな。そいから元気がなかど」「じゃっどん、こん木はもう神様やからな。もう切はならんど」

持ち主の方は突然屋敷に入ってきた我々に驚いた風でもなかった。

 新西方公民館の近くにもこんもりしたところがあったのでそっちにも行ってみた。こんもりしたのはタブの大木だった。その根元から水が湧き出ている。昔から飲み水に使っているという。タブはここでも神様になっていた。最後に皆で今和泉小学校裏の海岸に集合。ここにはクロマツの巨木が何本か残っている。幹周りと樹高を計測し、いつものようにGPSで木の緯度と経度を確認した。

 小学生たちはここでお昼の弁当を食べて帰るという。「いい天気で本当によかった。じゃまたね」別れ際に子どものお母さんが「たくさん作ったから食べてみて」とイチゴ大福を皆にくださる。甘くてすっぱい爽やかな味がいつまでも口の中に広がった。


の幸ちゃん

「二月九日・晴れ」雪や寒い朝が続き、車の窓も何度も凍ったのに、今日は春日和。ストーブの上で鍋物を作り、サラダも作っている。と、云うのも今年、保温弁当ジャーを購入したので、おかず兼、焼酎のつまみ作りだ.会社近くの2軒の弁当を購入して七年。少々、飽きた。 「芋焼酎」をやめ、麦か米焼酎に変え、ウィスキーのお湯割りに変えたので、ウィスキーなら一対九か、二対八なので、芋焼酎より在庫、飲む量が減った気がします。 「新・プレハブ」を見つけた。今の(六畳)約四倍位。38万円+運搬・移築費です。事務所向きの様だが、重さでみても台風にも丈夫そうで、大型ワイドTVを観るも良し、客人をもてなすのに、この位の広さは必要か。只今、思案中です。 「PHSからKタイ」へ交換した。昨年から仕事で、離島や地方が多くなり、吉野も電波が弱くなり苦情が来て、やむなく変換。PHSは母へ預けた。外出時、トラブル発生や、どこに居るか電話できそう。 マンガ風に扱い方を渡したが、使っているのか。何も言わない。? 「鼻血ブー」なんて流行語も有った。コタツに入り、毛糸帽子を被り、焼酎を飲んでいたら、ポタリポタリ鼻血が出て来た。2週間位前から。困った事に、仕事中にのぼせたり、かがみ込んで力を入れても鼻血ポタリ。ティッシュをつめ込んでいると職場の人々が「欲求不満だ!!」と騒ぐ。何もそんな欲求なし。献血に行きましょうか。 「通販」の味も乙な物で、只今大阪・割烹の和惣菜と、四国・九州の焼酎を一年間、契約しており、食した事の無い味への魅力が、又、焼酎の量を増加中。 「浮来亭」100号記念(いよいよ四月)「想い出の街角」東京・巣鴨から千駄ケ谷へ引越したが、アパートの上は山之手線が通る線路添い。安い分、しょうがない。インベイダゲームが流行し、ディスコ通いしていた私。知人・友人も次々と結婚し、誰それと飲みにも誘えなかった。もうこれ以上、東京に居ても…と思い。人生にも失望していたし、鹿児島で自殺しようと帰鹿を決意した……。 「さすらい人の」子守唄なんて歌謡曲みたいな事を言う積りもない。だが時の流れとして、ジプシー(放浪者)と呼ばれたりしている。ボヘミアンと呼ばれる流行も有った。浮浪者なんて死語で、最近ではホームレスと呼ばれている様だ。人ごとではない。私も軽い痴呆症も始まり、五年後は停年だ。その時、仕事が見つかれば良いが…。寅さんみたいな生き方しましょうか。絵を描いたりして、日本中を観てから、死にましょうか。(死ぬ日まで「浮来亭」には原稿送り続けますヨ。)
 スタッフの皆様方、がんばって下さい。二世代目も育てるべきでしょうか…?! 春まつ男より…。(以下、次号へ)


湊川探検のお知らせ
目 的 川遊びをしながら自然にふれあい、川や両岸の様子を観察する。
実施日 平成15年4月27日 日曜日
    《今後2回〜3回を予定》
時間 11時集合(当日1124分が干潮です。4時を終了とし、その後浮来亭にて獲物を料理し食しながら談笑の予定。
場 所 湊川河口付近から、終了時間までに行ける所まで。
駐車場 製材所付近(尾辻建設協力)
準 備 各自が必要とするもの
(例 ウナギつり道具、アミ、カメラ、図鑑類、弁当、飲み物、長靴、軍手、他)
 但し、前日に雨や当日の雨の場合は、中止します。

◆浮来亭の桜が咲き始めました。今村さんがライトアップしてくれるそうです。今月一杯までが見頃ですから、是非ご覧下さい。永田さんのところはもう満開になっています。

 雨の多い今日この頃ですが、いかがお過ごしですか?でも段々温かくなってきて気持ちがいいですね。浮来亭も後一回で100号です。あっという間だったような感じです。ちょっと休憩したい気もしますが?



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