ため息

 
ため息を吐いたら、その分だけ幸せが遠くにいくよ…。
 二十年くらい前に近所のアパートに住んでいた女子大生が、ちょうど小学生一年生くらいの小夜子に言った言葉である。
「ため息か…」
 小夜子は挽きたてのコーヒーをゆらゆらとまわしながら、ハァと力のないため息を吐いた。小夜子がため息を吐くのには、ちょっとした理由がある。
 五年もの間、交際を続けている恋人の雅也のことである。雅也は一流商社で働くエリート。その上、おしゃれで器量も良く二枚目なので、結婚相手としては、ほとんど非の打ち所のない男性だった。
 そう、ほとんど…。
 ほとんど非の打ち所のないということは、少しは非があるということ。ほんの少しの非が、小夜子がいまいち結婚に踏み切れないでいた理由でもあった。
 雅也には、少し鼻についたような高慢なところがあった。普段は優しいし、名門大卒の頭の良さをひけらかすこともない。しかし小夜子と二人になったときに、その、ほんの少しの高慢さがちょっとだけ見え隠れしていた。
 雅也の持っている難しい哲学書を読もうとした小夜子に「小夜子には難しいんじゃないか」と皮肉ったり、小夜子が星を見にいこうときりだしても、「今日は雨だからダメだよ。低気圧が停滞しているから雨が降るって、天気予報で言っていたから」と断ったり。
 それくらいのことでって思うかもしれない。けれども小夜子にとって、それくらいのことがとても重要なことだった。結婚をするか、否か、二者択一を迫られるほど。
 そのとき、雅也の訪れを知らせる呼び鈴が静かに鳴った。普段は大きな呼び鈴の音も、小夜子の鼓動のほうが大きいため、小さく聞こえた。
 雅也がいつものように一流ブランドの背広を脱ぎながら、小夜子の小さなワンルームマンションに入ってきた。
 二言、三言、たわいもない会話が続いた後、小夜子は雅也の顔を見た。
「ねぇ、ため息を吐いたら、その分だけ幸せが遠のくって言葉、信じる?」
「ため息…」
 雅也は一瞬ためらいながらも、すぐに向き直り、「いや…」とだけ答えた。
「本当なの。私が小さいとき、ブランコに座ってため息を吐いただけで、私の両親は離婚しちゃったんだもん」
「そんなの迷信にすぎないさ」
 雅也の顔が多少こわばったが、すぐにいつものクールな雅也の顔になった。
「迷信じゃないよ。本当なんだから」
「ふん」
 小夜子には、雅也の高慢さが少しだけ顔をのぞかせたように見えた。
「本当だもん」
 小夜子は真っ赤に充血している目を何回もこすりながら、雅也の目を見たが、あと少しで瞼から溢れそうな涙が、コンタクトの視力を邪魔して、よく見えないでいた。
「じゃ、今から、俺がため息を吐くよ。けれども、俺の幸せは絶対に遠くにいかないね」
 心なしか雅也の声が冷たく感じた。ため息を吐いたから幸せが遠のくということが問題じゃない。肝心なのは、小夜子の言葉を真剣に受け止めてくれるかということだった。本当に雅也がため息を吐いたら、別れようと小夜子は思った。
 そんな小夜子の想いとは裏腹に、雅也は大きなため息をこれみよがしに「ハァ」と吐いた。
 終わった…、その瞬間、小夜子の瞼からは大粒の涙が溢れでた。そんな小夜子の肩を両手で掴んだ雅也は、こう言った。
「ため息を吐いても吐かなくても、俺の幸せはここにあるよ。結婚しよう」 



樹木葬の提案



 縄文の森をつくろう会が年内にNPOに認可されようとしている。それでもできる者ができる時にという気持ちに変わりはない。しかし、土地を縄文の森をつくろう会に寄付したいという申し出もあり、これからも会の活動が円滑に進むようにするにはどうしたらいいか考える時期となった。会員への情報の伝達もスムースにできるようにしたい。

 今日は樹木葬について提案したい。岩手県のあるお寺で1999年に初めて樹木葬が行われた。墓石はなく、粉末にした遺骨と一緒に花の咲く木を植えるというもの。宗教は問われず、どんな人でも受け入れられる。33年間は供養してもらえ、その後は自然に戻される。ただし最初に土地の使用料と管理費として50万円を納めなければならない。身寄りもなくお墓を守っていけない人々がいること。現実に放置され荒れ放題になったお墓も多くなったことなどから和尚さんが考え出したことだった。最初は人々から反対の声が上がり挫折しそうになるが、法律上の問題も乗り越えて現在400人の方々が申し込んでいるという。

 魚見岳山頂部の土地約6ha、知林ヶ島約50haを今後どのように活用していくか。

一見日常生活に無関係のように見えることも、指宿の景観や街の再生にも深く関わる問題である。縄文の森をつくろう会としてこれらの土地で樹木葬を行うことを提案したい。

樹木葬について次のように考えている。(1)魚見岳、知林ヶ島に自然林を再生させるということを内外に宣言する。――多くの人々の協賛をもらう (2)墓地としての県知事の許可が必要となるかもしれない。国定公園内ということで問題があるかもしれない(3)魚見岳、知林ヶ島に自然林を再生させる計画を立てると共に、樹木葬のできる区域を選定する(4)島に行く方法と自然道の確保。バイオトイレなどの整備(5)土地使用料、管理費を決める。自然林になるまでの管理は縄文の森をつくろう会がする(6)宗教は問わない(7)樹木選定には専門家を入れる(8)樹木葬について公募する

 お墓に花が絶えない鹿児島の実情を考えると、樹木葬はなかなか受け入れられない考えかもしれない。私たちの周りから多くの自然が消失していることを深い痛みと感じ、何とかしたいと大多数の方が思われていることでしょう。現状が少しでもよくなるように、一歩でも前に進めるように、樹木葬のことを考えてみてください。


の幸ちゃん

居酒屋のいけすで」最初はアジ・イカ・鯛が20匹近く泳いでいたが、客から次々と注文が入り板さんが網ですくって調理して行く。 ドンドン仲間が居無くなって一匹だけ隅っこに残った鯛。(今度は自分の番か?)と淋しげな表情。元気だった最初から、すっごく大人しくなって……。カウンターで見ながら飲んでいた私は何も言えなくなった。「高校の頃、作曲していた」私は、何とか鹿児島弁の曲を作りたいと思っていたが、リズムにナカナカ乗れない鹿児島弁。長渕剛さんが「きばいやんせ」を出した時、びっくりした。ちゃんとリズムに乗った曲だった。彼のコンサートが八月に鴨池球場であったが、前夜のリハーサルから本番中も、遠くにおぼろげにドラムやベースの音が吉野まで聞こえていた。 高校の頃、デビューした彼の歌が思い出され、懐かしくも有ったが、時の流れも感じた。「七月で50歳に」なった私。生まれてこの方、どんな良い事が有ったかを書いてみたい。小六の時、理科室のカギ係をまかされた時。中三の時、視聴覚部長に選出された時。TV映画「炎の人・バン=ゴッホ」を観て、県の「視聴覚感想文コンクール」に入選した事。「英語検定四級」に合格した事。高校時では、「赤十字シール図案コンクール」で高校生の部・入選した事。MBCラジオ「ユア・ヒットパレード」で『広告コピー』入選や「イラストコンクール」で採用されたりして、レコードが送って来た事。旺文社「高一時代」に高校受験⇒合格の原稿が顔写真付きで掲載された事。(⇒もち論、鹿児島工業高校に合格した事も含めて)「桑沢デザイン研究所に合格した事。森永製菓のジュースで「パリ旅行」が当選しセーヌ川の古城巡りをした事。母と二人でハワイ〜ロスアンゼルス(ディズニーランドやユニバーサルスタジオ)に行った事。ラジオのFM東京放送へのリクエストで山下達郎さんが私の手紙を読みつつ、曲をかけてくれた事。(曲はシルヴィ・バルタンの哀しみの兵士。山下さんの紹介入りでテープに残してある)「県酪牛乳」の仕事で指宿、他販売店の人々と楽しく出来た事。東町の写真コンクールで入選した事。現在、運転免許証がゴールドな事。これこそ唯一の勲章でしょうか…?・「吉野のスズメ」以前、「窓際のスズメ」を書いた。吉野に還ってからもスズメが2〜3羽遊びに来る様になった。庭に皿を置き生米を乗せれば、食べて行く。20羽位来る事もあった。家族・親族が増えたのか?親スズメが仔スズメに口移ししている。朝・昼・夕方とやって来る。家があった頃、軒に引っかかったスズメを助けてやろうと、脚立を立てて登ったら、足を切り離してまで逃げて行った。その仔供達と思って、私はエサを与えている。「想い出の温泉」熊本・水俣市に湯之児温泉が有る。男女四人で行き、洞くつ温泉の内部は途中で、男/女湯がつながっており、目鏡を外した上、湯煙りの中で二人の女性のヌードがシルエットで見えて……。・「沖縄音楽が」出たのは喜納昌吉とチャンプルーズが「ハイサおじさん」を発表してからだ。私は気に入ってたが多くヒットはしなかった。ここ数年前から奄美・沖縄民謡の楽曲(三味線等)が流行している。(島唄や元ちとせ等)数ヵ月前、天文舘の奄美の店へ行き、太鼓をたたき、三味線の男性、ヴォーカルの女性と三人で演奏した。私も乗り乗りでたたいた。指宿にもこんな店、有るのでしょうか。ドラムもたたくので、和太鼓も大好きな私です。・「腰痛生活」に入って四カ月。一日おきに電気風呂・温めの温泉で血行を良くし…。仕事してないので食欲も無し。糖尿病も懸念し、ダイエットで一日一食分量で済ましています。酒量も減らし、お茶を多く飲む様にしていますが、体重は増えてから減る様子もなく、「死ぬのを待つ様に縁川でじっとしている様な生活はしたくない」と以前、書いた気もするが、正に今、そんな生活状況です。ヘルプ・ミー!!

畑の雑草」全て取るのは労力が要る。そこで私は考えた。背の高い草だけ除去し、短いのはそのまま、スコップで丸ごと順々に引っ繰り返し、黒土部分に種子を植えた。一応野菜は育って来た。草も負けてはいない。野菜より背高に伸びている。もう嫌になって来た。ダンプを借りて来てシラスで埋めようかとも考えている。「TV番組は」旅行・グルメ・動物番組が好きだと書いた。最近、もう2つ加えたい。芸能人の素(す)で出演する物が好きだ。歌や役と違い、そのままで語っていて、人間性が見える気がする。「笑っていいとも」「ごきげんよう」「徹子の部屋」「おすピー問題」等で芸能人が素顔を見せ、裏話を語ってくれる。『事実は小説よりも奇なり』って、この場合、通用しませんか? 手遅れかも知れぬが「健康・医療番組」。遂々、自分の体に照らし合わせている。「夏のストーブ」家周囲の雑草も激しいので、除草剤をまいていたが、金額も上る。灯油数百円で、外でストーブをたき、お湯で雑草を枯らしている。もちろんお湯を沸かせば焼酎用。コンロの強火で煮物を作り、ストーブの上で、じっくり中火。味が浸み込むのだ!!・「野菜が高い時は」100円・無人販売へ行きましょう。又、スーパーの冷凍食品の値段は安定しています。やはり生野菜がおいしいけどネ。・「ああ、コンビニ物語」スーパーの食品味に飽きたら、コンビニにも寄ってみて下さい。小量で高価ですが、次々と新しい味製品を売ってます。特にカップ麺の動きは早いです。西駅のコンビニのトイレは従業員に許可を求めないと開かない方式でした。万引やトイレ内の犯罪防御の為の様です。出る時も中からボタンを押さないと出られないのです。出た直後も、後ろでカチッとロックされる音を耳にしたのです。


                       

 
都城に行く用事が有り、乗物を何にするかで悩んだ。
 車が一番便利がいい。でも疲れるかもしれないから、電車で本を読んだり寝ながら行くのも良いかもとも考えた。まだある。たまには乗らないと悪くなってしまうからと250CCのバイクである。でも運転には自信が無いから都城までなんてとても不安である。交通費・時間・便利さ・天気…。悩んだ末にバイクに決定した。選んだ理由は「若さの維持」だった。
 朝6時半に指宿を出た。昨日500mくらい試走したので順調である。ガソリンは半分以上有ったのだが、リッターどのくらい走れるのかを知りたかったので、中名のスタンドで満タンにした。
 トラブル発生。
 エンジンがかからない。何度キックしてもダメである。暑い朝で汗をびっしょりかいてしまった。スタンドの青年が観かねてキックしてくれたがかからない。予定が狂ってしまい約束の時間に着けないのでは思い始めた。青年は押してかけてみようと言ってくれた。悪いから私が押すからと言い、スタンドの中をぐるぐる回り押したがダメである。汗はかくし疲れが限界の感じだったので諦めて電車で行こうと決め、これが最後だというキックをした。天は若さを選んだ私に同情してくれたのかかかった。
 少し遅れたが、無事に都城に着けた。
 用事を済ませた帰り道。19時だから今朝の青年はもう居ないだろうが、お礼を言いたいのとガソリンもかなり減ってきていたので、又中名のスタンドに寄った。やっぱり青年は居なかったが朝の出来事を喋って、御礼を言って帰ろうとしたが又かからない。しゃれにもならない朝の再現である。同じように20分位かかってからかかった。申し訳ないのと恥かしさで身が縮んだ。
 寝る時に考えた。
 一度起こった事は二度起こるんだ。又、バイクも条件反射するのかもしれない。と。
 三度目と条件反射を確かめるために、今度も必ず寄ってみようと決めた。


今後の予定
・9/27(土)8:30 ケナフ草取り
・10/26(日)12:30〜15:30 どんぐり駒廻し大会 なのはな館
・11/23(日)又は11/30(日)指宿小学校 どんぐり植樹
・11月2日に巨木調査 魚見校区の予定
・指宿神社の森の活用を検討中 来年にはスタート

●縄文の森をつくろう会の ホームページのアドレスは
      http://www.synapse.ne.jp/jomon-mori/

◆ 浮来亭に遊びに来ませんか。
毎週金曜日の午後8時〜
お酒を飲む人は1000円




 あんなに暑かった日がウソのように感じられるようになりました。身体には充分気を使って下さい。
 原稿をお待ちしています。




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