ストップ!川内原発再稼働−鹿児島県知事へ「公開質問状」を提出

伊藤祐一郎鹿児島県知事が、昨年末と年頭会見において、6月県議会で川内原発の再稼働について判断するとの表明を受けて、反原発・かごしまネットは1月23日、伊藤知事の真意をただすために公開質問状を提出しました。

                                                                     2014年1月23日
鹿児島県知事

 伊藤祐一郎様
                     公 開 質 問 状
                                                      反原発・かごしまネット
                                                              代表 向原祥隆

 福島第一原発の大事故から3年にもなろうとしていますが、今でも、16万人が避難を余儀なくされています。広範な大地が汚染され、福島県および周辺の農漁業が壊滅し、未だに再開のめども立ちません。子どもの甲状腺がんはこれまでに59人。がんの多発が始まり、がん以外の健康被害の拡大もチェルノブイリ事故の経過から確実視されています。まさに惨憺たる有様です。
 この惨状を前に、東京都知事選では、二人の元首相経験者が「再稼働の中止、原発ゼロ」を訴えるに至っています。本日、1月23日がその告示日です。
 伊藤祐一郎鹿児島県知事は、昨年末12月27日付の毎日新聞インタビュー、及び1月6日の年頭会見で、6月県議会で川内原発の再稼働について判断する旨表明しました。
 この国民的議論のさなかにあって、原発再稼働の必然的な根拠についてきちんとした説明もなく、再稼働のスケジュールを表明されたことは、一人知事のみならず、県民の知性さえ疑われるところとなっています。私たちは県民として見過ごすことはできません。
 私たちは報道で知事の発言の一部を知るのみですが、ここに公開質問状をもって知事の真意を確認したいと考えます。知事の発言に絞って、質問いたします。
 3月16日には、再稼働を県民で広く考える場として、鹿児島市で大規模な集会、パレードが予定されています。その10日前、3月6日までに文書にてご回答ください。
 また回答のタイミングに合わせて、知事との直接面談の機会を希望いたします。
 願わくは、知事にも3月16日の集会に参加いただき、パレードも県民とともに歩いていただければ、無上の喜びです。

質問1 知事は、原子力規制委員会の審査を「世界に類を見ない極めて微に入った審査」(毎日)「世界中どこにいってもないような審査」(南日本)などと述べています。この根拠について下記お聞きします。

1) そもそも事故原因が特定されていません。航空機でも鉄道でも、事故の際には原因を特定し、再発防止策を講じるのが常識です。福島第一原発事故ではその原因特定さえ行われていません。このような中で定められた新基準は無効だと考えるのが当然ではないでしょうか。
 実際、津波原因説以外に、国会の事故調査委員会は「地震による配管破断の可能性」を報告し、元東京電力の原子炉設計管理技術者の木村俊雄氏は、データ解析の結果、1号機の地震による配管漏えいの個所を特定しています(岩波書店「科学」2013.11)。
 地震が原因だとすると全原発の大幅な設計変更および改修が必要となります。
 この点について、知事はどう考えているのですか。

2) 規制委員は、委員長を含めてわずか5名です。その内、地質分野担当の島崎邦彦委員は、地震の専門家ではありますが、火山は専門外です。川内原発にとって重要問題である火山、とりわけ大規模火砕流の問題は放置されたに等しい状態です。
 この点について、知事はどう考えているのですか。

質問2 知事は「日本経済や九電の経営状況など諸条件を考えてもそれがタイムリミット」(毎日)と述べています。この根拠について下記お聞きします。

1) 2012年、2013年と最大需要期である夏を、原発ゼロのままで何の問題もなくクリアできています。
 さらに、2012年7月1日から開始された、自然エネルギーの全量買い取りによって1年間で、366万KWの電力が作られるようになりました。原発4基分です。しかも、この間、国に認定された設備は2291万KW、原発25基分にも上ります。
 日本の電力会社は今でも天候に左右される安定電源ではないという立場ですが、諸外国では自然エネルギーをベース電源と位置付け、気象予報による発電予測で変動分を火力でカバーする方策をとっています。
 原発ゼロでも、需給面では何の問題もないということです。
 この点について、知事はどう考えているのですか。

2) そもそも日本の製造業における電力コストは1%程度であり、少し考えれば分かるように2倍になろうが吸収できない数字ではありません。大量に電力を使用する工場、ビルでは、はるか以前から電力コスト削減のために自家発電設備に切り替えています。
 工場の海外移転、国内産業の空洞化は、それぞれの企業の海外市場戦略によるもので、電力料金との因果関係はほとんどないと考えるのが通常です。
 この点について、知事はどう考えているのですか。

3) 電力会社は原発と火力の2重コストの状態にあり、値上げを余儀なくされています。原発を切り離せば、値上げの必要はありません。実際、原発を持たず、火力と自然エネルギーで賄っている沖縄電力は従来の九電の電気料金と大差なく、値上げもしていません。
  この点について、知事はどう考えているのですか。

4)「九電の経営にとってタイムリミット」と述べていますが、一私企業である九電に配慮することは、憲法第15条2項に定める「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」および、地方公務員法第30条「全体の奉仕者として公共の利益のために」に、明らかに抵触します。
 電力会社にとって原発を廃炉にすれば不良資産化して経営問題になるとの見方があります。これには国の介入を要請する方法があります。「全体の奉仕者」としてはむしろ、この道を検討すべきだと考えます。
 この点について、知事はどう考えているのですか。

質問3 1月14日の産経新聞に、「県原子力安全対策課の四反田昭二課長は『原発再稼働できずに病院や福祉施設への電気が止まったらどうするつもりなんですか。都知事候補は影響力が大きいだけに現実に立脚した責任ある発言が求められるのではないでしょうか』とこぼした。」とあります。この根拠について下記お聞きします。

1) 2012年の計画停電騒ぎのときにも、電気で稼働する生命維持装置がクローズアップされました。しかし、実際は、台風銀座と言われる鹿児島では電柱の倒伏、電線の断線等による停電は日常茶飯事です。そのために、病院や福祉施設で予備電源を確保していないところはほとんどないでしょう。
 県のなすべきは、きちんと予備電源の保守管理を徹底することなのです。
 産経新聞へのコメントは無知によるものであり、課長の私的発言であるなら、知事自ら無知を指摘し、訂正を求めて頂きたいと考えます。
 この点について、知事はどう考えているのですか。

質問4 「チェルノブイリのような事故は日本では起きない」と述べていた伊藤知事は、福島を目の当たりにして「原発の安全神話は崩れた」と発言し、30年後の脱原発を表明されました。この件について下記お聞きします。

1) 細川護煕元首相は「国家存亡の問題である」と発言しています。つまり事故の可能性に言及するものですが、30年後の脱原発を表明された知事は、原発を稼働し30年間事故はないと断言できますか?
 この点について、知事はどう考えているのですか。

2) 小泉純一郎元首相は、事故の可能性に加えて「捨て場のない使用済み燃料つまり核のゴミを増やし続けるのは無責任」と述べています。
 この点について、知事はどう考えているのですか。

                                                                      以上
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報道記事
■反原発市民団体 知事に公開質問状提出(鹿児島県)
                        [ 2014年1/23 12:13 KYT鹿児島読売テレビ]
    http://www.kyt-tv.com/nnn/news8724503.html
 反原発を訴える市民団体「反原発・かごしまネット」が、伊藤知事に対して、川内原発1、2号機の再稼働などに関する公開質問状を提出した。市民団体は、伊藤知事が年頭の会見で、「川内原発の再稼働については6月議会で判断できれば」と表明したことを受けて、その真意を確認しようと公開質問状を提出。現在、再稼働に向けた安全審査を行っている原子力規制委員会のメンバーには、火山の専門家がいないことや、自然エネルギーの買い取り制度などによって、原発ゼロの中、電力需要の高い夏を2度乗り越えることができた点など、4項目について伊藤知事の見解を求めている。市民団体は、3月6日までに回答するよう求めている。

■原発再稼動問題 市民団体が知事に質問状
                       KKB鹿児島放送 2014年1月23日
    http://www.kkb.co.jp/news_move/jchan_move_detail.php?news_flg=2&param1=20140124&param2=114942&param3=5
 川内原発の再稼働をめぐる伊藤知事の発言について、市民グループが知事あての公開質問状を提出しました。質問状を提出したのは反原発・かごしまネットの向原祥隆代表らです。質問は、知事や県職員の発言を巡る4項目で、原子力規制委員会の審査を「世界に類を見ない極めて微に入った審査」と述べた根拠について、福島の事故原因が特定されていないことや、規制委のメンバーに火山の専門家がいないことをどう考えるか。さらに、「日本経済や九電の経営状況などを考えてもタイムリミット」と述べた根拠も質しています。県原子力安全対策課の四反田昭二課長は「質問の内容は知事に伝えます」と述べました。

■反原発団体が知事に公開質問状
                      KTS鹿児島テレビ 2014年01月23日
    http://news.ktstv.net/e46455.html
 伊藤知事が、川内原発の再稼働について「6月県議会で判断したい」と発言したことなどに対し、反原発の市民団体が「知事の真意を確認したい」として公開質問状を提出しました。
 伊藤知事宛ての公開質問状を提出したのは「反原発・かごしまネット」のメンバーです。
 代表の向原祥隆さんは「原発の再稼働について国民的議論がされている中、『6月県議会で判断したい』とスケジュールを表明したことは見過ごすことはできない。知事の真意を確認したい」としています。 県の担当者は「質問状の内容については知事に伝えます」と回答し ました。

■市民団体が公開質問状提出
                      MBC南日本放送  [01/23 11:56]
    http://www.mbc.co.jp/newsfile/mbc_news_disp.php?ibocd=2014012300001020
    http://www.mbc.co.jp/web-news2/2014012300001020_300k.asx
 伊藤知事が、川内原発の再稼働について県と薩摩川内市の6月議会での議決を経て判断するという考えを示しているのに対し、原発再稼働に反対する市民団体が23日、知事宛ての公開質問状を提出しました。
 公開質問状を提出したのは市民団体反原発・かごしまネットです。公開質問状は、伊藤知事が、今月6日の年頭会見で川内原発の再稼働について、6月議会で判断したいという考えを示したことなどに対し、知事の真意を確認しようと提出されたものです。

 反原発・かごしまネットは3月6日までに文書での回答を求めています。
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