原発に依存しない社会をつくるために― 川内原発1・2号機廃炉に! 3号機増設中止! 脱原発自治体キャラバン

県内全市町村長へ原発に関するアンケートの集計結果
 2011年8月23日から25日の3日間にわたり、鹿児島県本土の全市町村を「脱原発キャラバン」と称して2隊に分かれて訪問し、首長および議会議長と意見交換しました。
 福島第一原発事故が未だ終息せず、また九電のやらせ問題が発覚するなど原発に対する厳しい世論もあって、首長および議会議長とも真摯に対応して下さいました。
 訪問した首長には、アンケート用紙を提出し、後日郵送ないしFAXで回収しました。今回訪問できなかった島嶼地域の自治体には、同様のアンケート用紙を郵送しました。

質問項目は下記の7問です。
 @福島第一原発事故の人的被害について
 A国の責任の取り方について
 B事故原因の究明を優先すべきか、原発の稼働を優先すべきか
 C原子力安全・保安院の信頼性について
 D川内原発で大事故の起こる可能性について
 E防災対策の範囲(EPZ)30キロが十分か
 F脱原発について

以上について、興味深い結果がまとまりましたので、9月30日鹿児島県庁の記者クラブ「青潮会」で記者会見を開きました。
県内43自治体首長「原発」アンケート結果
【1】アンケート配付状況
  @県本土25自治体に対し
    8月23−25日の3日間に取り組んだ「自治体キャラバン」において直接手渡して回答依頼。9月8日締め切り。
  A島しょ18自治体に対し
    9月1日に郵送で依頼。9月16日締め切り。
【2】回答状況(43自治体=19市、20町、4村)
     回答あり          26自治体(10市13町3村)  43自治体比 60. 5% ─┐
     ※「回答できない」回答  4自治体( 4市)                 9. 3% ─┴─(69. 8%)
     回答なし          13自治体(5市 7町1村)           30. 2%

   回答内訳@(県本土・島しょ別)
  ┌───
  │ 県本土 25自治体(17市8町)       県内43自治体比 58. 1%│県本土25自治体比
  │        回答あり        17自治体(10市7町)     39. 5%│   68%
  │       回答できない回答   4自治体( 4市)        9. 3%│   16%
  │ 回答なし               4自治体( 3市1町)      9. 3%│   16%
  │
  │ 島しょ  18自治体(2市12町4村)     県内43自治体比  41. 9%│島しょ18自治体比
  │ 回答あり              9自治体(   6町3村)   20. 9%│   50%
  │ 回答なし              9自治体( 2市6町1村)   20. 9%│   50%
  └───

   回答内訳A(市町村別)
  ┌───
  │ 市    市の回答あり        10市    全県19市比 52. 6%
  │         回答できない回答   4市             21. 1%
  │         回答なし         5市             26. 3%
  │
  │ 町    町の回答あり        13町    全県20町比  65%
  │         回答なし         7町             35%
  │
  │ 村    村の回答あり         3村    全県 4村比   75%
  │         回答なし         1村              25%
  └───
【3】回答結果(注:「その他」の後ろの( )内は、「その他」に対する主な意見)
 @福島第一原発事故の人的被害(今後発生するがん等による死亡者数)はどのくらいの規模になるとお考えですか
  ア 1万人以上    6(23. 1%)
  イ 1万人以下     1( 3. 8%)
   ウ その他      19(73. 1%)
 (分からない。判断になる根拠の情報がない。これまでの情報では何とも答えられない。想像がつかない。推察しがたい。不明−など)

A国策としての原発が大事故を起こしました。国の責任の取り方について
   ア 十分である    0 ( 0. 0%)
  イ 不十分である   14 (53. 8%)
  ウ その他       12 (46. 2%)
(賠償も含め迅速かつ適切に対応を。しっかり対応を東電と国の責任区分を明確に。対応の遅れは否めないが現時点では(責任について)判断できない−など) 

B政府の事故調査・検証委員会は年内をめどに中間報告を出す予定です。つまり事故原因は今のところ不明で   す。原因が分からなければ分かるまで停止させる、がごく当たり前の対処の方法だと考えますが、どう考えますか?
  ア 事故原因の究明を優先すべき   13 (52%)
  イ 原発の稼働を優先すべき       0 ( 0%)
  ウ その他                  12 (48%)
 (事故調の報告を待ちたい。原因究明・検証を踏まえた上で適切に対処すべきだ。安全を確保しながら原因究明をすべき。原因不明によって即停止という考えもあろうが原因究明を待って国民の判断をあおぐべきだ。事故原因究明が優先だとは思うが現実問題としてすべての原発が停止することになればいかがなものか−など)(※記入なし1)

C原子力安全・保安院の信頼性について
  ア 信頼できる      1 ( 3. 8%)
  イ 信頼できない    14 (53. 8%)
  ウ その他        11 (42. 3%)
 (信頼性に乏しい。不安。分からない−など)

D川内原発で大事故の起こる可能性について
  ア あると思う      7 (28%)
  イ ないと思う      0 ( 0%)
  ウ その他       18 (72%)
 (あると想定すべき。ないとは言い切れない。予測はできない。確率論からいくとゼロではない。ストレス等安全対策の説明が十分でないと判断が難しい。ないようにしてほしい。ないとは言えないがこれまでの取り組みを踏まえた上で今後の対処法も考慮されているだろから、これまでよりは可能性は低いものと考える−など) (※記入なし1)

E防災対策の範囲(EPZ)30キロについて、今議論されていますが
  ア 十分である      0( 0%)
  イ 不十分である   10 (40%)
  ウ その他        15(60%)
 (半径何キロとしてくくる問題ではない。季節・地形により違う。生活・活動・栽培により異なる。あまり広すぎても緊急時の対応に支障を来す恐れがあり、さまざまな分野の有識者の考えを聞いた上で判断すべきだ−など)(※記入なし1)

F脱原発について
  ア 脱原発に向かうべき  14 (53. 8%)
  イ 現状維持          2 ( 7. 7%)
  ウ その他           10 (38. 5%)
(代替エネルギーを確保しながら段階的に減らしていくべき。再生可能エネルギーに早急に力を注ぐ必要。脱原発論と電力消費の双方から議論すべき。簡単に結論は出せない。将来的には脱原発に向かうべきだが、段階的な進め方をすべきだ。中長期のエネルギー需給方針・経済や産業活動・地球温暖化問題・新しいライフスタイルへの転換・節電や省エネのあり方など総合的に論議し、原子力の方向性を含む国のエネルギー基本計画を示すべきだ−など)

【結果について】
@回収率は60%を超え、関心の高さが示されている。特に県本土の25自治体では、68%が回答した。
 島しょの18自治体では回答あり・なしが50%ずつで、県本土に比べると多少、関心が低い。

A質問項目ごとに
問A 「事故に対する国の責任の取り方」について、「十分である」と答えた首長は一人もいない。

問B 「原因究明と稼働のどちらを優先するか」は、「稼働を優先」と答えた首長は一人もいない。

問C 「保安院の信頼性」については、「信頼できない」が過半数を超え、「信頼できる」は一人にとどまっている。

問D 「川内原発での大事故の可能性」については、「ないと思う」と答えた首長は一人もいない。最も多かったのは「その他」の回答だが、そこでも「あると想定すべきだ」「確率論からいえばゼロではない」など、「絶対安全」という見方はうかがえない。また「ないようにしてほしい」という切実な祈りの回答もあった。

問E 「EPZ30キロについて」は、「十分である」との回答は一人もいない。最も多かったのは「その他」の回答だが、そこでも「同心円状に一律に線引きすることが妥当か」「地形、人々の活動状況などを考慮に入れるべきである」という趣旨の書き込みがあり、真剣に論議すべきだとの意向が強い。

問F 「脱原発について」は、「脱原発に向かうべき」が過半数を超えており、原発依存を見直すべきだとの考えが強いことが示されている。「その他」の回答において、「電力消費との関連を論議すべきである」「国が総合的にエネルギー基本計画を示すべきだ」と慎重な議論を求める意見もあるが、「段階的に減らす」「再生可能エネルギーに力を」など、原発依存度を下げていくべきだとの意見が目立つと言える。

 ※全体として、「その他」の回答が多く、そこには「分からない」「不詳」などの書き込みも多かった。これは、議論し判断するための情報が、政府・東電から出されていないことが反映していると見られる。また、二者択一の回答ではなかなか答えきれないという事情もあったとみられ、「その他」への真剣な書き込みも特徴である。

Bまとめ
 過半数の自治体首長がはっきりと意思表示をした選択した項目は、次の4点である。
 問A「国の責任の取り方は不十分である」(53. 8%)
 問B「原発の稼働より事故原因の究明を優先すべきである」 (52%)
 問C「原子力安全・保安院は信頼できない」(53. 8%)
 問F「脱原発に向かうべきである」(53. 8%)

 ここから以下のような鹿児島県の自治体像が浮かび上がる。
 ・原発の絶対安全を前提に原発を稼働してきた国に対して、大事故を起こした責任の取り方が不十分で、かつ現在も安全を確保しなければならない立場にある原子力安全・保安院は信頼できない、という首長が大勢を占める。
 ・現在、政府の事故調査・検証委員会が年内をめどに中間報告を出し、来年中に最終報告を出す予定だが、それとは別にストレステストで安全確認して再稼働、という稼働優先の流れがある。鹿児島県の各首長は、安易な稼働より、政府の事故調査・検証委員会の最終報告を待って、それを踏まえて安全対策を施し、稼働するかどうかを判断すべきだとしている。これは、新潟、福井の知事の主張と同様である。
 ・鹿児島県の過半数の首長は、脱原発に向かうべきだとしている。

  また、問Dに関し28%の首長が、川内原発で大事故が起こる可能性があるとしたことも、興味深い回答である。

 鹿児島県知事は、これらの自治体首長の考え方を十分にかみしめてもらいたい。そして、「原発やエネルギー政策は国が責任を持つ領域である」というような、「国任せ」の姿勢をとるのではなく、自ら「県民のいのちと暮らしを守る」先頭に立ち、国と対等に向き合ってものを言う−という地方自治の原点に立って対応することを強く望みたい。定期検査が終わってストレステストに入っている川内原発1号機の再稼働問題が、早晩浮上するが(川内2号機も同様)、知事がもしこれを認めるなら、自治体首長の思いを踏みにじることになると指摘したい。

                                              以上
県内43自治体首長「原発」アンケート結果(PDF)

 反原発かごしまネットでは、鹿児島県内本土の25の自治体へ「原発に依存しない社会をつくるために−川内原発1・2号機、3号機問題」脱原発自治体キャラバンをとり組みました。
 首長と議長への申し入れと首長には脱原発に向けてのアンケートを要請しました。

 日程は、8月23日から25日
■キャラバン出発集会
 日 時:8月23日(火)8:00〜8:10
 場 所:鹿児島県「教育会館前」

■キャラバンの日程
(1) 一 班 8月23日(火)  伊佐市(10:00)―出水市(13:10)―長島町(15:00)―阿久根市(16:30)
       8月24日(水)  さつま町(10:00)―薩摩川内市(11:30)―いちき串木野市(13:30)―日置市(15:00) ―鹿児島市(16:30)
       8月25日(木)  南さつま市(9:30)―枕崎市(11:30)―南九州市(14:00)―指宿市(16:00)
(2) 二 班 8月23日(火)  姶良市(9:30)―湧水町(11:30)―霧島市(14:00)―曽於市(16:30)
       8月24日(水)  志布志市(10:00)―大崎町(13:00)―東串良町(15:00)―肝付町(16:30)
       8月25日(木)  垂水市(9:30)―鹿屋市(11:30)―錦江町(14:00)―南大隅町(16:00) 
脱原発キャラバンにあたっての各自治体へのお願い(PDF)
首長・議長への申入書(陳情書) PDF

首長へのアンケート PDF 
報道記事  http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=34556 (南日本新聞)
           http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20110823-OYT8T01162.htm (読売新聞)

        http://mainichi.jp/area/kagoshima/archive/news/2011/08/24/20110824ddlk46040579000c.html (毎日新聞)
 しんどかった! でも収穫は多かった「脱原発自治体キャラバン」
 23日から25日までの鹿児島県内離島を除く25市町の首長と議長への「脱原発キャラバン」では、直接首長や議長にお会いし、または副市長や副議長であったりと率直な話し合いができました。

 情報が不足している、何が起こっているのか判断する材料がないなど、自治体の方々の率直な意見を聞くことができました。原発問題は、立地自治体だけの問題ではなく県内全自治体にとってきちんと関わっていかないといけないとの認識は、共有されていました。
 ただ、情報の不足は否めません。私たちの説明に、初めて知る情報がほとんどで、熱心に聞き入ってくれました。
 25日は、キャラバン終了後、反省会をしました。ハードな日程でしたが、収穫のあるキャラバンでした。

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