有泉


         有村酒造(株)   大島郡与論町茶花226
                   Tel  0997−97−2302
          ゲットした日 : 平成14年9月21日 

有泉  
  与論は鹿児島県最南端の東シナ海に浮かぶ珊瑚礁の島である。 ロマンと神秘に溢れる美しい風景から「東洋の真珠」と呼ばれているが、残念ながら訪れたことはない。 人口は僅か7千人程度だが、訪れる観光客は10万人を超え、観光とサトウキビ栽培が主産業の島である。 
  有村酒造はこの与論島唯一の酒造所で、「有泉」単一銘柄だけを生産している。 この焼酎は盟友Aptiva野郎さんが、拙ホームページ焼酎交友録に於いて黒糖焼酎の紹介があまりにも少ないことを嘆かれ、奄美の焼酎充実厳命の為ご持参下さったものである。

  五合瓶のラベルは与論の海岸風景の写真が描かれている。 一升瓶は地焼酎らしい伝統的なラベルである。(ラベルはこちら) アルコール度数は他の黒糖焼酎と異なり20度とかなり低く抑えられているが、これには訳がある。 与論献奉という飲ン方の作法があり、献奉大杯になみなみと注いだ黒糖焼酎を飲み干し、杯を返す。 これを宴席の出席者と延々と繰り返すらしい。 まあ、如何に焼酎ノンゴロでもアルコール度数の高い焼酎では早期に崩落してしまうため、20度になったらしい。 「有泉」にはこの他に25度、30度の製品もある。

  生で飲んでみた。 淡い黒糖の薫りである。 口に含むと滑るように入っていくが、独特のコクと言おうか滋養分が口中にジワ〜と広がる。 南のジリジリ焼ける凶悪太陽の下でも、爽やかに楽しめるライトタイプの味わいで、これは気分が乗れば誰でもグビグビやるでしょうな。有泉とカラカラ
  ロックにすると、砂に染み込む水のように何の抵抗もなく身体に吸収されていくようである。 最初から濃度が低いためか、ロックにしても味わいの破綻が観られず飲み易い。
  生を燗付けすると、凝縮した甘さが口中で踊る。 全く嫌味のない優しさと、病み付きになりそうな旨さである。 20度という度数が絶妙なのだろうか、なんちゅわならんですね。(^^)

  この焼酎を飲むと、まさしくラベルのようなサンゴが砕けた白い砂と紺碧の海空が脳裏に浮かんでくるから不思議である。 いつの日にか与論に渡って地元の人達と「有泉」で与論献奉をやりたいと切に願わずにはいられない。 与論の風の中ではより一層旨さが引き立つだろうし、それで酔い潰されても至福極まりないでしょうね。 
  お薦めの飲み方は、常識的には生でしょうが、生の燗付けも秀逸です。

              平成14年10月4日記載