よもぎの露 

                        
 丸西焼酎(資)   曽於郡有明町蓬原1397−1
    Tel  0994−75−0111
      ゲットした日 : 平成14年7月17日
                     

よもぎの露    
  丸西焼酎は大隅半島志布志湾に面した人口約12,000人程の有明町にある。 この有明町、なんと「親孝行宣言の町」なのである。 現代のすさんだ世の中では死語に近似した感のある親孝行を堂々と説く・・・、何とも清々しくあっぱれではないか。  今をときめく焼酎評論家で稀代の日本美風探究家秘剣師のルーツがこの有明町と言うのも納得である。
  師の本格焼酎寸言に掲載された「よもぎの露」には、ご幼少の頃遊んだ楽しい思い出と変貌した現在の様子などが克明に綴られている。 その中で「ナボシ屋さんで行われた『第二回囲炉裏でダラダラ焼酎の会』に持ち込み、皆さんに飲んで貰ったが、鍋から湯気がたちのぼる囲炉裏のある風景によく似合うこと。」と、さりげなく故郷の焼酎を愛でる暖かいコメントを寄せておられる。 秘剣師の原風景になる焼酎・・・、これは飲まずにはいられないでしょう。ハッキリ言って。(^_^;)

  ところが、焼酎探索家Aptiva野郎さん焼酎ライブラリーによると、丸西焼酎のレギュラー酒「よもぎの露」は極めて入手困難で、見付け次第即ゲットを勧告される程の稀少銘柄であるらしい。 そう言えば同じ丸西焼酎の製品でも古酒をブレンドした銘柄は比較的よく見かけるのだが、肝心のレギュラー酒には遭遇したことがなかった。 入手困難となるとどうしても手に入れたくなるのが人情というもので、以前「蓬の露20年古酒」を取り扱った問屋さんに電話注文し、加世田市川畑の上東商店に卸して貰いゲットした。

  銘柄名「よもぎの露」は蔵元のある蓬原(ふつはら)に由来し、有明町健康ランド「よもぎのさと」が近くにあることより、もともと辺り一面ヨモギ野原だったのだろう。
  中央でヨモギが白く結晶したかのように描かれた、淡い橙色した暖色系のラベルが地焼酎らしい安らぎを醸し出している。 野井倉山の地下水でアルコール度数25度に割水され出荷されている。 一升瓶の他にも五合瓶があるのでしょうね。

  生で飲んでみた。 爽やかな芳香が立ち上る。 ローストしたような奥深い含み香と柔らかくさっぱりと上品な甘味を湛える味わいながら、後味にズシ〜ンと響く重厚感がある。 まさしく酒は百薬の長! 生でもゴイゴイ行きそうですね。
  ロックにすると飲み易くはなるが、生の味わいがやや減殺されるか。
  5:5程度に割り水したものを黒ヂョカで燗付けすると、程良い芋の薫りが立ち上り、表面はサッパリしているのだが奥に旨味の多層構造を内包している。 温度が下がると滑らかさが一層増すようである。 

  素朴で飾らない味わいはダイヤメ用の焼酎に最適と感じる。 そして、何かしらホッとする優しさは大隅の人情から来るのであろうか。 秘剣師指摘の如く田舎の土間に囲炉裏のある風景にとけ込むような逸品であり、もっともっと地元で愛飲されて欲しいものである。 
  お薦め飲み方は生の味わいも秀逸であるが、やはりダイヤメはお湯割りでしょう。(^^)
    
                          平成14年8月10日記載