大和桜 

                        
大和桜酒造(株)   日置郡市来町湊町3024
      Tel   0996−36−2032
ゲットした日 : 平成14年4月11日
                     

  
大和桜  
  人口が7000人余りしかない市来町には6つの蔵元があり、焼酎の故郷とも言われている。 とりわけ町の中心部の湊町には何れも老舗の4つの酒造所が軒を連ね切磋琢磨して今日に至っている。 地名から察するに様々な物品の積出港として古くから栄え、酒造業などの産業も発展したのであろう。

  大和桜酒造は国道3号線沿いに落ち着いた佇まいを見せる蔵である。 明治元年創業以来、麹米は手造り、一次、二次仕込みとも甕仕込みと伝統的な焼酎造りを踏襲してきているらしい。 主力銘柄はこの「大和桜」であり、他にも「いちき」等の長期貯蔵焼酎を醸している。
 
  この焼酎も例によって焼酎探索家Aptiva野郎さんが市来町に出向いて購入し、拙宅までご持参下さった物である。 居ながらにして県下殆どの蔵の焼酎が手に入ることはまことに有り難く、幾ら感謝してもし足りない思いである。(*^_^*)

  ラベルには「本手造り」「甕壺仕込」「市来焼酎」の文字が踊っており、伝統的な地焼酎としての自意識が沸々と感じ取れる。 アルコール度数25度。1升瓶の他に、5合瓶及び4合瓶もある。

  栓を明けると爽やかな芳香が立ち上る。 生で飲んでみると、口に含んだ瞬間軽快で飲み易い味わいに意外な印象を受けるが、ジワリジワリと芋焼酎本来の存在感を発揮し、食道を通過する頃には尾を引くような後味に思わず唸ってしまう。
  ロックにすると爽快感とほのかな甘さが引き立つ上品な味わいになる。 これは瞬時に危険水位に達しそうな程飲み易く旨い.(^^)
  5:5程度に割り水したものを燗付けすると、十分なふくよかさと甘さが引き立ち「よか焼酎じゃっど〜!」とシミジミ感じ入ってしまう。(^_^;)

  上品で飲み易い味わいは、手間暇かけ愛しまれ醸し出された焼酎であることを直感させるに十分である。 ベースに漂う柔らかさに、お隣の白石酒造の焼酎にも共通する風土の抽出物を感じるのは先入観のなせる業なのであろうか。 改めて伝統の真心と技術に裏打ちされた市来焼酎の実力を思い知らされた。
  どの様に飲んでも美味しく頂けるが、お薦めはやはり造りの良さを素直に感じられるロック系統だろうか。


                         平成14年6月4日記載