わか松 

                        
若松酒造(株)    日置郡市来町湊町3214
Tel  0996−36−2411
ゲットした日 : 平成13年12月7日
                     

  
わか松
  若松酒造の歴史は古く、裏ラベルの記載によると今から約300年前の亨保4年(1719年)に「湊の酒屋」として営業していたらしい。 また、明治になって酒造免許制になり、現存最古と言われる明治13年発行の「酒類営業免許鑑札」を家宝にし、「焼酎一筋」今日に至っているとのことである。 亨保年代というと薩摩に唐芋が普及した年代と合致し、18世紀中頃に芋焼酎造りが始まったことを考えると、若松酒造の歩みも芋焼酎のそれと符合していたのであろう。

  この「わか松」は焼酎探索家Aptiva野郎師が、産地市来町とは錦江湾を中心とすると反対側に当たる志布志町の酒屋(DS?)で、驚愕すべき安価で売られていたのを救済したものである。 師の話によると1000円以下・・・おそらく998円?・・・の値段だったらしく、さすがに偽物では?と訝しげな面持ちで、鑑定依頼のため拙宅に持ち込まれた。(^_^;)

  ラベルは薄緑の若い松に太陽の図柄で、銘柄名が力強く踊っている。 そして、この年の新酒である。 ラベルの裏面に13.10.18とスタンプが押しているので、間違いないだろう。

  生で飲んでみた。 さほど薫りは強くはなく、意外な程サッパリとした飲み口ながら、芋の風味がしっかりと残っている。 当初、口に含んだとき、若干の新酒らしいガス臭のようなものを感じたが、開栓一月以上経過した現在ではやや穏やかな味わいになっている。
  ロックにすると、甘味が引き立つようである。和水によるエグミもなく飲み易い。
  燗付けにすると、昔ながらの辛口の焼酎と感じてしまう。 所謂硬派の味わいで芋の主張そのままに飲み手に立ちはだかる。 しかし、飲む程に引き込まれるように味わい深くなる。 熱めの燗はいかにも焼酎を飲んでいるという歯応え充実感が、温めになると甘味が引き立つようである。
  お湯割りにすると新酒特有の芳香と華やかな味わいが際立っている。

  純良剛直そのままの鹿児島焼酎と言えよう。 そして我々ネィティブ薩摩人にとって、何かしら安らぎホッとさせるダイヤメ好適逸品である。 しかし、何故かような超破格で叩き売りされていたのであろうか? 流通のことはよく解らないのであるが、適正な価格でお蔵も小売店も潤い、そして何より我々ノンベーを始め皆が元気いっぱいの鹿児島焼酎界であって欲しいと切に願っている。 飲み方としてはやはりお湯割り系統が一番特長が出ているでしょうね。

                       平成14年1月20日記載