天地水楽


          小正醸造(株)  日置郡日吉町日置3309
                   Tel  099−292−3535
          ゲットした日 : 平成13年6月7日 

  
天地水楽  姶良郡吉松町で収穫された有機栽培の唐芋と米を原料に作られた焼酎である。
今、世間は有機だの無農薬だのと生産効率を度外視した方向に価値観を見いだそうとしているようであるが、田舎に住んでいる小生にとっては、あの過酷な農作業を強制する割には、イメージだけが先行し、言葉の持つ印象が軽すぎると感じている。 事実、無農薬で作られた野菜などには虫の卵が産み付けられるのは常であり、野菜を切ったときに芋虫が這い出してきても、慌て騒がずに調理出来る主婦が如何ほどいるかと危惧している。
  有機の表示は平成13年4月からの法改正により、3年以上農薬や化学肥料を使用しない畑での栽培等厳しい基準が設けられている。 吉松町は町あげて畑から探し、生産農家を募ったと聞く。 高齢化の進む田舎の農業故手作業での草取りなど幾多の困難があったであろうことは想像に難くない。
  一方小正醸造日置蒸留蔵は13年3月米国の国際的有機食品認証団体「FVO」の基準を満たし、国内酒類業者としては初の有機農産物加工場としてICS日本から認められている。
  5月末の南日本新聞に「有機芋焼酎発売」の文字が誇らしく踊っていた。 有機栽培と言うことに大いにひかれたのであるが、値段が2800円と少々高いことにやや尻込みをしてしまった。 しかし好奇心が経済状況に優先することが今もって貧乏している主因なのであろう。 6月2日にはマルダイ酒店に注文していた。(^^ゞ)
  ラベルには「いも・麹米全量有機」とこれ見よがしに朱書してあり、裏面には有機栽培をされた農家の方々の署名と押印が記載されている。 生協のパンフに「私が作りました」なんて言うのをよく見かけるが、生産者の顔(この場合は名前か(^_^;)が見える焼酎も良いものである。
  生で飲んでみると芳醇で華やかな薫りが立ち上がり、コクと共にさっぱりとした透明感のある味わいで、後味にかすかな甘味が残る。 エグミは全く感じられずに、生でも十分に楽しめる味わいである。
  ロックにすると鮮烈に爽やかな味わいで甘味がさらに引き立つようである。 旨さと飲みやすさで何時までもゴイゴイ飲めそうな危なさがある。(^^ゞ)
  6:4に割水したものを黒ヂョカで燗付けすると、上品な甘味がグンと引き立ち、奥行きのある味わいになり、芋焼酎の持つ旨味が際だっているようである。 これは正直旨い!
  どの様な飲み方でも秀逸な味わいを楽しめるが、やはりネイティブ薩摩人としては、湯割り系統が上品な甘さが際だち好きである。
  しかし、夏場はやはりロックだろうか・・・(^^ゞ)


                                      平成13年7月8日記載