太古屋久の島 

                        
本坊酒造(株)屋久島工場  熊毛郡屋久町安房2384
Tel  0997−46−2511
      ゲットした日 : 平成16年11月6日
                     

太古屋久の島  本坊酒造屋久島工場伝承蔵を訪れたのは昨年の9月であった(こちら→)。小さな蔵ならばこその手造りに徹底した焼酎造りには感銘を受けたのであるが、代表銘柄の「南海黒潮」が製造中止になり、レギュラー酒はこの「太古屋久の島」一銘柄だけになってしまったことに未だ寂寥感に苛まれている。しかし無くなった物だけに拘泥していては未来志向の健全な焼酎ノンゴロとは言えないであろう。(^_^;) で、阿久根の大石酒造蔵見学の帰りに東市来町の焼酎屋田渕酒店を急襲しこの焼酎をゲットしたのである。

  銘木屋久杉の年輪を図案化した褐色のラベルには銘柄名墨書のみの物と較べ何かしら落ち着いた柔らかい印象を受ける。麹造りは手造りで一次二次共に明治20年から現存する甕で仕込む。「長年の仕込みにより蔵に住みついた酵母『蔵の精』に影響された豊かな薫り、芳醇な味わい・・・。」と謳う裏ラベルもエンドユーザー(すなわちノンゴロですね・・・秘剣師風)の琴線に触れるようである。(^_^;) アルコール度数は25度。一升瓶の他に五合瓶もある。さらに陶器瓶入り37度原酒の「屋久杉」もラインナップしている。

  生で飲んでみた。何とも柔らかな薫りである。口に含むとまろやかで生の持つ荒々しさが微塵も感じられず、思わず咀嚼したくなるような素朴で深いコクがある。このままで実に旨い!
  ロックにして少々薄まっても芯の強い味わいは揺るぎない。
  あらかじめ5:5:程度に割水したものを黒ヂョカで燗付けにした。芋焼酎のエッセンスが凝縮しているような柔らかくコク深い味わいに、焼酎ノンゴロ冥利に尽きるような多幸が感じられる。

  屋久島の風土と杜氏の厳格が生み出したまさしく上質を地で行く逸品であり、いかような飲み方にも最適化され満足この上ないのだが、予てより焼酎という存在に辟易しているカミさんが「生がもの凄く旨い!」と感嘆したことを申し添えておきたい。(^_^;)

              平成17年1月7日記載