白玉の露 

                        
 白玉醸造(名)   肝属郡大根占町城元618−6
Tel  09942−2−0030
      ゲットした日 : 平成15年6月28日
                     

白玉の露  白玉醸造のある大根占町(オオネジメチョウと読む。ダイコンウラナイと読んだ笑い話がある(^_^; )は大隅半島南部錦江湾に面した人口約8,000人程の農業の町である。この辺りは南薩同様唐芋及び漬物用の大根の産地でもある。以前家族旅行でこの地を訪れた時、亡き母から加世田方面から移住した人が多いと教えられ、何かしら親近感を覚えていたのだが、裏ラベルに阿多杜氏後野小吉、神野栄義の名前を見た時に、錦江湾を隔ててはいても同郷意識は連綿と続き、感慨深いものがある。
(ちなみに大山酒造で杜氏を勤めていた叔父の性も後野である。)

  この焼酎は盟友で焼酎探索家Aptiva野郎師が大隅視察の折購入し拙宅までご持参下さったものである。いつもながら感謝!ただ感謝!

  ここ十数年幻の焼酎「魔王」で一世風靡した白玉醸造の明治37年創業以来変わらぬ代表銘柄がこの「白玉の露」である。 裏ラベルによるとラベルデザインも変わることなく引き継がれているらしい。なるほど対称性に稲穂を配したトラディショナルなデザインはどことなく懐かしく、また原色が煌めき、泡盛など南方系の酒に相通じるものがある。文字だけの拘り系のラベルが主流の現在ではかえって斬新さを感じさせる。

  生で飲んでみた。清冽な芳香である。さっぱりとした透明感のある口当たりに続き、ほんのりとした甘味の中に滋味深いコクが拡がる。口全体に残る香味がまた何とも言えない。この爽快さはアルコール度数を殆ど感じさせず、生のまま野放図に飲めそうである。
  ロックにすると甘味がより一層際立ち、飲み易さも一段と増すようである。味わいは芋焼酎そのものなのだが、黒糖焼酎等南方系の酒特有の爽やかさを感じる。
  あらかじめ割水したものを燗付けするとふくよかで軟らかい表情ほっと一息付けるような安心感がある。後味の存在感に辛口の断面を垣間見るようでもある。

  自然体の安定した酒質はどのような飲み方にも余裕で対応出来、まさしく薩摩のダイヤメ酒の実力をいかんなく発揮している。 お勧めの飲み方はレギュラー酒の王道お湯割り系統か。


                   平成15年10月10日記載