さつま島娘

長島研醸(有)   出水郡長島町平尾387
Tel  0996−88−2015
ゲットした日:平成14年3月29日  

さつま島娘 
  長島研醸のレギュラー酒は目下鹿児島県焼酎シェアーの1〜2位を誇る「さつま島美人」である。 柔らかでスッキリした飲み口が鹿児島県人の口にあったのであろう。 瞬く間に土地土地の焼酎を駆逐して行き、大半の飲み屋に置いて「さつま島美人」「黒伊佐錦」しか置いていないと言う憂うべき状況を来している。
  何故に「さつま島美人」が伸張したのであろうか? 伝聞ではあるが、初代幻の焼酎「伊佐美」の杜氏さんが長島に移ってから人気急上昇したらしい。「黒伊佐錦」がやはり「伊佐美」と同じように黒麹造りを前面に押し出して鹿児島の夜を席巻したことを考えると、この幻の焼酎を原点にした焼酎市場の寡占状況も興味深い物がある。

  ところで、長崎研醸であるが、昭和42年に宮内酒造(名)宮の露酒造(株)長山正巳杉本酒造(資)南州酒造(資)の5酒造場の共同瓶詰め工場として設立された。 酒造組合の鑑評会には合計6酒造場の「さつま島美人」がそれぞれ出展される。 一般に市販されている「さつま島美人」は各酒造所別個の物なのかそれともブレンドされているのかは定かではない。

  この「さつま島娘」長島島内小売り店限定販売らしいが、焼酎探索家Aptiva野郎さんが島外某酒店陳列棚で発見し、拙宅にご持参下さった物である。 
  原料は一般的な唐芋、米麹以外に麦麹でも仕込まれている。 アルコール度数25度。 5合瓶もあるか否かは定かではない。

  生で飲んでみた。 薫りはさほど強くはなく、口に含んだ第一印象もサッパリとしているが、奥行きを感じる味わいになっている。 飲み屋でしか飲まない「さつま島美人」と較べると、柔らかく感じるのはやはり麦麹の影響なのだろうか。
  ロックにすると、清冽さが増し、益々飲み易くなる。 薄まっても甘味とコクがしっかりと残っている。
  お湯割りにすると柔らかさとふくよかさが増し、クセの少ない素直な味わいながら、余韻のあるよか焼酎である。 まことに飲み飽きしないレギュラー酒の典型と言えよう。

  麦麹を混入することはなにがしかの効果を狙ってのことであろうが、味音痴の舌にはその残像があまり感じられない。(^_^;) クセが無く清冽な味わいはロックで一番引き立つような気がするのだが・・・。

                           平成14年5月27日記載