種子島焼酎は独特の優しさがあり、県本土でも人気がある。 目下４軒の蔵元が島内３市町に棲み分け、それぞれ蔵の個性を競い、まさしく健全に切磋琢磨していると言えよう。 それでも一番愛飲されている銘柄は気になるものである。 私の職場に出入りする種子島出身のＭ君に種子島No1の焼酎を尋ねると、この「しま甘露」と何等躊躇なく答えたのであった。 焼酎だったらなんでも旨いという薩摩的正調テゲテゲヨクロボの小生とは異なり、誠実でどちらかと言えば下戸のＭ君の率直な意見だからかなり信頼に足るはずである。
この焼酎、今まで飲み屋で数回飲んだことがあり、その旨さに瞠目し畏敬の念を抱いていたのである。 しかしながら、これまで何故かしら購入の機会がなく、鹿児島県内全レギュラー銘柄の焼酎瓶に対峙し、ヨクロボの本性に赴くままの飲査を旨とする拙HP焼酎交友録にとって、超えなければならない大きな壁だったのである。(^_^;)
ラベルは橙、白及び青紫地に波模様が描かれ、中央円内に銘柄名が記載されている。 派手さはないが落ち着きほのぼのとした雰囲気が良く出ており、好感が持てる。 アルコール度数２５度。 一升瓶の他に５合瓶もある。
生で飲んでみた。 ほのかで優しい薫りが立ち上がる。 口に含むと柔らかい甘味が際立ち、ズシーンと残る後味も特徴的である。
ロックにして少々水で薄まっても生の味わいが微動だに崩れない力強さがある。
あらかじめ５：５程度に割り水したものを黒ヂョカで燗付けしてみると、甘味がグンと引き立ち、朴訥として深みのある味わいである。 飲めば飲む程旨さが加速して行きそうである。 なんちゅわならんうんまさじゃっど！(^^)
ふくよかで飲み応えがあり、薄まっても微動だにしない骨太さ、ホッと安らぐ素朴さ、そして飲むにつれ包み込むような優しさがある。 さすがに種子島を代表する焼酎と感じ入ってしまう逸品である。
ただ、少々残念なことはラベルが新たに変わるそうである。（新ラベルはこちら→） ラベル変更に関しては賛否両論色々あるだろうが、小生は地焼酎の雰囲気を醸し出すラベルが好みであり、伝統的なものは可能な限り温存して欲しいと願っているのだが・・・。(-ー;)
お薦めの飲み方は、やはり芋焼酎の本道お湯割り系統でしょうね。
平成１４年１０月１９日記載