さつま志布志湾 

                        
坂井酒造(名)     曽於郡有明町野井倉7961
Tel  0994−77−2136
ゲットした日 : 平成14年3月20日
                     

  
さつま志布志湾  鹿児島県でもすんくじら(隅っこ)の加世田市に住んでいると、大隅地方は他県のように感じることは「さつま若潮」の所で述べたが、県下全酒造所の代表銘柄を飲査し、焼酎データベース−蔵元検索を埋めることに野望を燃やす小生にとって、遠隔地の地焼酎収拾が偉業達成?のネックになっているのである。(^_^;)
  しかし焼酎の縁とは有りがたいものである。 つい1年ほど前焼酎出会い系サイトで知り合ったAptiva野郎さんが、出張の折に、珍しい銘柄を探査購入して拙宅にご持参下さるのである。 しかも有り難いことに小生の未飲蔵及び銘柄を熟知されており、効率よく着実に飲査がはかどっている。 
  早期偉業達成への執念はAptiva野郎さんの方がはるかに強固らしく、あたかも某番犬国家がアフガニスタンに投下した爆弾の如く、矢継ぎ早かつ同時多発的なのである。 今回は一挙に4本もP箱に入れてご持参下さった。 さらにその後も多弾頭的攻撃を受け続けている。 こうなると嬉しいやら、宿題山積で少々気が重いやらで複雑な心境に陥るのは、学生時代及び勤め人時代のトラウマなのであろうか。(^_^;)

  この「さつま志布志湾」は、Aptiva野郎さんが有明志布志界隈の酒屋を虱潰しに探索したにもかかわらず発見出来ず、やむなく小売り兼業の蔵元に直接赴きゲットしたものである。 彼の話では蔵元の店頭にもこの焼酎は陳列されておらず、銘柄を指定して初めて店裏から出して貰ったらしい。 もう、地元では忘れ去られた銘柄なのだろうか?

  ラベルには志布志湾の地図が描かれ、銘柄名の「湾」の字もその形態に工夫が見られる。 アルコール度数は25度。

  生で飲んでみた。 昔ながらの辛口の味わいに感じる。 芋の骨太の主張があるのだが、寄せ付けないような険しさではない。 
  ロックにすると飲み易くなるようで、和水によるエグミもない。 薄まっても味わいは崩れず、さらに口当たりが良くなる。
  燗付けにすると、芋の骨格のハッキリとした旨さに目を見張る。 いかにも芋焼酎を飲んでいるという充足感がある。 冷めてくると甘さがより一層引き立つようである。 

  焼酎に関しては辛口批評のカミさんが飲み易いと絶賛したが、なるほど豪快さの中に繊細さを備える逸品である。 にもかかわらず、このように有名銘柄に何ら遜色なく美味な焼酎が、地元では全く見向きもされず蔵元でひっそりと息を潜めて生きていることに、鹿児島の飲んべーの歪性をマジマジと見せつけられたような思いであり、焼酎版レッドデータブックへのリストアップを危惧することこの上ない。(-ー;) やはり焼酎は地元の人達に愛されて初めて輝きを放つと信じているのだが・・・。
  お薦めの飲み方としてはやはりお湯割り系統であろうか。


                        平成14年4月3日記載