さつま無双


          さつま無双株式会社  鹿児島市七ツ島1−1−17
                        Tel  099−261−8555
          ゲットした日 : 平成13年3月4日 

 さつま無双
 
  南国鹿児島でもみぞれ混じりの風の強い寒い日であった。 千葉ロッテマリーンズのオープン戦を観るために、鴨池方面に車を走らせていたのだが、大阪を過ぎた当たりから点けたラジオで、野球が急遽中止になったことを知り落胆途方に暮れてしまった。
  仕方なく家族の要望に従い、産業道路沿いのNシティーに向かった。
ここの酒売場は他のスーパーとは比較にならないほどたくさんの銘柄を揃えており、また価格もかなり低く抑えられている。レギュラー銘柄だと約1,300円程である。 酒販の中間マージンが省略された価格なのであろう。安 いのは良いことなのだが、焼酎愛好家としては地場産業の健全な振興という観点から、少々複雑な心境になる。 重い心を引きずりながらも、好奇心はお構いなくかき立てられ、例の如くあれこれ迷いに迷って買ったのがこの「さつま無双」と佐多商店の「不二才」である。
  「さつま無双」の銘柄は常々聞いてはいたが、実際に手にするのは初めてである。
さつま無双株式会社は芋焼酎を日本全国に普及すべく昭和41年鹿児島県酒造協同組合の事業として設立された会社である。
  きら星の如く多数の銘柄が切磋琢磨している芋焼酎の中でも、基準的レギュラー酒を目指して「さつま無双」は一般公募により命名され登場したらしい。 写真の如く県内用の白ラベルの他に県外用の赤ラベルもあるらしいが、味に如何なる差があるのかは不明である。
  生で飲んでみると、ほのかな芋の甘さが出ており、軽やかな味わいで、後味も爽やかである。 淡麗辛口とでも言うべき味わいなのだろうか、嫌味な味は全く感じない。 生で十分楽しめる。
  ロックにしてみると、ほのかな甘味と軽やかさ、それとアルコール濃度が薄くなったためだろうか、ふくよかさも感じる。 水で薄まっても味がぼやけず、生の風味が生きている。
  6:4にあらかじめ割り水したものを黒ジョカで燗して飲むと、昔ながらの辛口でキレの良い味と感じる。 飲み進むに連れて芋独特の爽やかな甘さを感じるようになる。 ここでも生の風味がそのまま生きている。 後味も爽快でショケ(酒の肴)の味を十分に引き立たせている。
  芋焼酎のスタンダードと豪語するだけのことはある。 飲み方を全く選ばない、かなり秀逸な焼酎と言える。
特にロックでは芋焼酎らしさを前面に出しながらも、なおかつ飲みやすく味わい深いことに感銘を受けた。 私個人の好みで言えばで、ロックで飲むのを一押しとしたい。
  
                    平成13年4月2日記載