さつま国分 

                        
 国分酒造(協)    国分市川原1750
    Tel  0995−47−2361
      ゲットした日 : 平成15年2月15日
                     

さつま国分
  一般的に、酒屋さんはあまり飲まれない方もいるが、蔵元さんはおしなべて飲まれる方が多いと聞く。酒屋さんは商売物に手を付けてはいけないと言う倫理的自制が働くからと穿った見方も出来る。一方蔵元さんは製品に愛情が籠もって耽溺したり、利き酒を重ねるごとにアルコール耐性を増すのかも知れない。

  あまた多い酒好き蔵元の中でも、国分酒造総務部長の笹山 護氏は真摯で高潔な人格ながら酒豪である。しかも桁外れの大酒飲みで、幾ら飲んでも態様が全く崩れない(焼酎伝道師の集い第19夜反省酎参照)。この希代の酒豪に挑もうと、「蔵元さんを酔い潰そうじゃない会」等と無謀な企みに各地の焼酎好きが挙って参加はしているが、初期目的を果たしたとは寡聞にして知らない。 恐らく横綱に束になって挑み掛かる幼稚園生の如く、死屍累々の惨状では無かろうか。(^_^;)

  その大酒豪を擁する蔵の白麹仕込み代表銘柄がこの「さつま国分」である。 ラベルには蔵が面している川原渓谷が描かれ、中央には銘柄名がどしん〜と鎮座している。更に平成14年度鹿児島県本格焼酎鑑評会「最高点受賞」の肩ラベルが誇らしげに貼られている。アルコール度数25度。一升瓶の他に5合瓶及びパック酎もある。

  生で飲んでみた。やや抑制気味の柔らかい芳香である。 口に含んだ第一印象はサッパリとした軽めの甘口焼酎に感じるが、刺激された唾液に混和され口腔粘膜を浸潤している間に、腰の強い重厚な味が滲み出す。このままで何等ストレスを感じさせない飲み易さである。
  ロックにしてもエグミなど全くなく、さっぱり感が増幅され、たちまち危険水位を突破しそうである。
  燗付けすると、しっかりとコクのある表情が優位に立つ。後味にちらりと垣間見せる甘味も素晴らしい。

  どちらかというと甘口で爽快感溢れる味わいは、神戸灘の仕込み水六甲山系の水に匹敵すると言われる霧島山系伏流水と蔵人の熱意愛情が醸し出すのだろう。この焼酎を飲み続ける限り、悪酔いには無縁で、笹山氏のような酒豪になれるのではと錯覚させるほどである。(^_^;) どの様な飲み方でもそれぞれ秀逸な表情に大満足できるが、ロック系統を一押しとしたい。


                 平成15年3月26日記載