侍士(さむらい)の門 

                        
 太久保酒造(株)  曽於郡大崎町横瀬1252−2
Tel  0994−76−3666
      ゲットした日 : 平成16年2月21日
                     

侍士の門  大崎町在住の高校の同級生M上君はアウトドアーライフに耽溺し、何ヶ月も放浪可能な程の装備を備蓄している。しかしながら彼の本意はグッズ顕示欲にあるのではなく、人の喜ぶ顔を見たいという純粋にして崇高かつ旺盛極まりないサービス精神にあるのである。 彼のエンターテイナー性はノンカタの場合でもいかんなく発揮され、入手困難で垂涎の焼酎を持参し参加者の驚愕歓喜の様子を楽しんでいるようである。

  この「侍士の門」も焼酎も寒中キャンプの際、みんなを狂喜乱舞させようと彼が持参した物である。 しかしながら超弩級焼酎の出現に絶句瞠目した我々精酎組に較べ、福岡からの参加者5名全員の反応は驚く程鈍かったのである。(・_・) 

  この焼酎は財部町の焼酎屋前畑さんが主宰する「日本・侍士の会」のプライベートブランドである。 高級感溢れるラベルと黒瓶に丸に十の字の紋が圧倒的存在感を誇示している。 麹米には財部町の有機農業グループ「びっきょの会」が試行錯誤して生産した江戸時代の幻の米「白玉米」を使用、原料芋には「源氏芋」という品種を使用しているらしい。 一次二次共に甕仕込みされる。割水には財部町のクリーンエコ社の天然水「悠久の森」が使われている。 アルコール度数25度。 一升瓶の他に四合瓶もある。

  生で飲んでみた。 上品で甘美な芳香が立ち上がる。 口に含むとさっぱりとした滑らかな味で刺々しさが全く感じられない。 まさに絹ごしの味わい。 実に飲み易い。
  ロックにして冷やし、さらに薄まっても透明感ある上品な味わいは微動だにせず、味の濃さに芋焼酎を実感する。
  あらかじめ割り水したものを黒ヂョカで燗付けすると、香ばしく研ぎ澄まされた甘味が引き立つ。まことに深く上品で濃厚な味わいである。 冷めても長期貯蔵酒のような濃醇さが馥郁と残っている。

  原材料と製法にこだわり、さらに上質な味わいを実現した珠玉の製品は鹿児島弁で言えば「値段(一升瓶2,988円)のひこあっ焼酎」で、薩摩(芋焼酎)の皇帝を自認するするのも肯ける逸品である。 お勧めの飲み方はコンセプトから類推すれば生・ロック系統が一押しなのかも知れないが、暖かい焼酎の上品な芳醇を是非味わって頂きたい。

                   平成16年4月27日記載