あまみ六調


六調
 大島食料(株)酒造所  名瀬市古浜町2239
        Tel 0997-52-0631
 ゲットした日:不明おそらく平成6年頃


 六調とは奄美地方のダンスミュージックのことであり、結婚式やお祝い事があるときなど、必ず三味線や太鼓(チジン)が六調の激しいリズムを奏でて、みんなが踊り出す。
 実際に出くわしたことはないのだが、テレビなど見ていても、圧倒されるほど凄まじく、みんな本当に楽しそうなのである。
 鹿児島県本土だったら、おはら節とかはんや節になるのだろうが、最近の鹿児島県人は結構シャイ?になっているらしく、宴席で踊っている人はあまり見かけなくなってしまった。
 この「あまみ六調」はそのあまみの心を象徴するような黒糖焼酎で、酒屋などでも良くラベルを見る。
 ところが、この焼酎を何時何処でゲットしたか全く記憶がないのである。容器は陶器で出来たチジン(太鼓)の形をしている。質実剛健(単なるケチとの話もあるが・・・(^_^;)を旨とする私が、このように容器とか外観に特別に手を加えた焼酎を買うはずもない。と言って、誰かのお土産とか、貰った記憶はないのである。
 数年前から、棚の奥に鎮座していた。しかもてっきり空の容器かと思ったら、嬉しいことに中身が半分ほど入っていた。p(^o^)q
 それで、自分の行動パターンを反芻していくと、どうやら以前の職場に行ったときに、そこにあった誰も手を着けていない「あまみ六調」を不憫に思い持ち帰ったのではないだろうか。と言うことは私の手に入ってから5年ほどは貯蔵していることになる。しかもアルコール度数は40度の原酒なので、長期貯蔵にはもってこいである。
 そして、今年ゴールデンウィークに奄美大島に行ったとき、名瀬の子供の友人家族よりお土産にと、全く同じ焼酎を頂いた。
 味は私が長期貯蔵した影響も少しはあるのか、生で飲むと黒糖焼酎独特の甘味のある深い円やかな味わいが口腔粘膜表面を滑るようにさっと広がるが、度数の高さをさほど感じさせず、後味も極めて爽やかであるので、追い水は必要ないほどである。私はで飲むのが黒糖焼酎の個性を主張して一番良いと思うが、もちろんロックや水割りでも美味しい。
 後日、友人のKさんを自宅に呼んでこの「あまみ六調」を飲ませたところ、これは「ストレートでもスーッと入って行く!!」と、円やかな味わいにいたく感動した様子であった。「しかし!」と冷徹な科学者に返ったような顔付きになって、「この円やかさが、この焼酎本来のものであるのか、はたまた、数年間瓶で熟成した結果なのか、確かめるべきである!」と異議を唱えだした。
 そして、「幸いにも今年の5月に労せずしてゲットした奴があるのだから、飲み比べてみましょうよ!」と、大胆な提案をしてきた。私は贈り物にとっておこうと思ったのだが、半ば命令的な強い口調に押されて、新しい「あまみ六調」も味見することになった。
 新しい焼酎はやはり味に鋭利さというか、若々しさというか、生で飲むにはちょっと刺激が強すぎるような感じがする。(あくまでも古酒と飲み比べてであるが・・・)
飲み易さ、味わい、風味、後味、どれをとっても、全てに古酒の方が遙かに優っているのである。
 奄美の人たちが「黒糖焼酎は寝かせ!寝かせ!」と言う意味がよく解ったような気がする・・・となると、長期熟成させるためには・・・飲まずに保存しなければならなくなる・・・と言うことは・・・いつまでたっても飲めないと言うこと?(^_^;)

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