利八
吉永酒造(有) 指宿市十二町645
Tel 0993−22−3015
ゲットした日 : 平成17年1月14日
吉永酒造併設の酒屋を訪れたのは平成15年8月であった。 指宿の駅に近い小さな蔵であった。その時平成16年販売から代表銘柄が「さつま白雪」からこの「利八」に変わると聞かされた。代表銘柄名や伝統的なラベルデザインが変更することには薩摩焼酎守旧派としては激しい憤りを感じるのだが、その時にはさほど意に介さず、終売になる「さつま白雪」を買い漁ったのである。(^^ゞ 35度と25度の一升瓶をそれぞれ買い、宝くじが当たったときに建立予定の焼酎博物館?の為にデッドストックにしている。
洋泉社刊「庶民価格で上手い!芋焼酎はこれで決まり」で「利八」のコメントを執筆依頼されたのだが、加世田近辺に吉永酒造の製品を置いている店はなく、鹿児島中央駅アミュプラザ地下「焼酎維新館」で発見し早速ゲットした。(後日、マルダイ酒店にも入荷した。)
さすがに無霜無雪温暖な指宿の地焼酎に「雪」はそぐわないと判断され銘柄名変に踏み切ったのだろうと考えていたのだが、洋泉社編集者が蔵元に直接聞いた所では、清酒「白雪」の商標登録権侵害のクレームがあったとのこと。 鹿児島県の焼酎蔵は元来極小さな蔵が大半であり、さらに流通も県内狭い地域に限定され、商標には無頓着であった為の事件である。 これも焼酎ブームの意外な副産物と言えるのだろうか。
ラベルは家紋?をバックに銘柄名が力強く墨書されたシンプルな物である。アルコール度数25度。一升瓶の他にも5合瓶もあるはず。
生で飲んでみた。芳醇な薫りと香ばしいコクの第1波、辛味と渋みの第2波、そして柔らい余韻の第3波と表現したくなる剛直な味わいである。
ロックにして水で薄まってもコクは粘り強く残り、渋みも本来の骨太さと許容出来る。
お湯割りにすると骨っぽさの中に一転甘味も強く感じられる。 燗冷ましの穏やかな表情にも焼酎の持つ多面性を実感させられる。
優しい味わいに感じた「さつま白雪」とは異なり、開き直ったような辛口本格派の逸品である。 お勧めはやはり薩摩のスタンダードお湯割りだろう。
平成17年4月19日記載