萬膳庵
(有)万膳酒造 本社: 国分市中央1−24−25
Tel 0995−45−0112
蔵: 姶良郡霧島町永水字宮迫4535
ゲットした日 : 平成13年7月12日
この「萬膳庵」も「萬膳」と一緒に東京の知人が送ってくれたいわば逆輸入品の焼酎である。
手作りの黄麹造りで、全てカメ仕込みアルコール濃度25%であり、 「萬膳」同様求道者の如きこだわりに満ちた蔵で作られている。
黄麹は清酒用の麹で、江戸から明治の始め頃までは焼酎製造にも使われていたらしい。 しかし、一般の焼酎用麹と異なりクエン酸を生成せず、高温多湿の鹿児島地方では温度管理等難しく、失敗した場合腐造と言う悲劇的な結末を来すため、これまで敬遠されがちであったらしい。
しかし、最近では「一どん」、「鷲尾」など黄麹を使った意欲的な焼酎が数多く出され、その華やかな味わいを楽しめるようになっている。
生で飲んでみると、華やかな薫りと共に、柔らかく上品な甘味が口中に広がる。優しい味わいは「萬膳」と同様であるが、黄麹造りによる華やかさが前面に出ている。
ロックにして飲むと味が引き締まり、軽快な味わいであるが、生に較べると何かしら物足りないような気になる。 生の味わいが鮮烈で極めて飲み易いせいなのかも知れない。
前日に6:4に割水したものを黒ヂョカで燗をすると、深みのある甘味がジワッと浸み出し、ふくよかで柔らかく華やかな味わいになる。 また、口当たりもさらりと爽快極まりない。
どの様な飲み方でも、優しさ、柔らかさ、華やかさ奥行き共に秀逸異次元の旨さであるが、燗付けしたときのふくよかさは筆舌に尽くし難く、これを一押しとしたい。
平成13年8月18日記載