蔵の隠き魅やげ(くらのおきみやげ)  


本坊酒造(株)津貫工場    加世田市津貫6594
Tel 0993−55−2001
    ゲットした日   平成14年3月3日

    蔵の隠き魅やげ  

  今年の「無濾過純黒」が入荷したというので、久しぶりにマルダイ酒店を訪ねてみた。 田舎の酒屋にしてはかなりのこだわりを持った品揃えであり、鑑賞に耽るのも楽しい。 色々見ている内に「古酒限定品」という文字に釘付けになってしまった。 マルダイさんに聞くと、本坊酒造津貫会に入会した酒販店の限定品で、実は彼も飲んでないらしい。 米焼酎と言うことで躊躇したのであるが、製造工場を見ると津貫工場となっているではないか。 納税額は少ないが、故郷を愛することに関しては人後に落ちないと自負する小生としては、地域の活性化のためにと鼻息荒く購入した。
  現在、本坊酒造の本社は鹿児島市にあり、工場は鹿児島市南栄町、知覧町、小林市、屋久島そして加世田市津貫に散在している。 主力銘柄はいつの間にか「さつまおはら」から「桜島」にシフトしたが、加世田市津貫が本坊グループの発祥の地であるという事実は動かしようもなく、我々加世田市民は熱視線を送り続けているのである。(^_^;)

  ラベルには銘柄名と津貫工場の石蔵のイラストが描かれ、「石蔵10年の眠り」と記載されている。 米製焼酎でアルコール度数25度。

  グラスに注ぐと極薄い琥珀色の液体が踊る。 パンフレットには樫樽貯蔵と記載されているので、瓶詰めの段階で少々ブレンドされているのだろう。 薫りも芋とは異なるフルーティさを感じる。 口に含むと軽く爽やかな味わいで、後味にまろやかさがず〜んと残っている。 確かに深遠な時の薫りが蘇る味わいと言って良いだろう。
蔵の隠き魅やげとサントリーのタンブラー  オンザロックにすると柔らかい味わいで益々口当たりが良くなり飲み易くなる。 この口当たりの良さは芋焼酎では表現出来ない、米独特のものであろう。 
  生のまま黒ヂョカで燗すると、米を蒸したようなふっくらとした味わいが引き立ち結構美味しく頂ける。 しかし5:5程度に割水したものを燗付けすると、さすがに味が少々ぼやけるようである。

  フルーティな焼酎で万人が美味しく飲めること請け合いなのだが、球磨焼酎や泡盛と比較すると、同じ米焼酎ながら、今一つインパクトが足りないような気がする。 その要因を探ると飲み易さと味わいのバランスを取ったのであろうが、25度というアルコール度数の低さに問題があるのではないかと愚考している。 今後の本坊津貫会の商品開発に際し、「蔵の隠き魅やげ・原酒」の出現に是非期待したい。

                                
                   (平成14年3月15日記載)