稲乃露 

                        
沖永良部酒造(株)  大島郡和泊町和泊535
Tel  0997−92−0185
ゲットした日 : 平成14年2月9日
                     

  
稲乃露
  前回に続いてデパート話である。 馬齢を重ねると共にデパート内の行き場所は2カ所しか無くなってきた。 カミさんの買い物中、時間潰しにビールを飲む食堂と、待ち合わせ指定場所の地下酒売場である。 酒売場だと溜息混じりの焼酎鑑賞に耽っていると2〜30分位はすぐ過ぎてしまうので、時間にチョールーズなカミさんと待ち合わせてもさほど実害はないのである。(^_^;) さらに上手く行くとワインなどのキャンペーンで試飲も出来るので、タダ酒大好きの身としては必見ポイントになっている。 しかし少々気が弱いので、押しの強い販売人が相手だと、試飲した品物を購入しなければならない羽目に・・・。(>_<) まあ、それでも地下酒売場には胸湧き血踊るオーラをいつも感じている。(^^)

  この「稲乃露」購入の経緯は「紅子の詩」に記載した。 鹿児島県本土の蔵元は80%程飲査したが、奄美の焼酎はまだ1/4程度に止まっているため、少々ピッチを上げようと思った次第である。
  ラベルは稲穂を配したトラディショナルなもので、地焼酎らしさと作物に対する感謝の気持ちがそこはかとなく漂っている。 アルコール度数30度。

  生で飲んでみた。 瞬時に屹立する甘く濃醇な黒糖焼酎本来の味わいなのだが、舌触り及び喉ごしは比較的軽く飲み易い。 後味も甘味が残響として残り、さらなる甘露液の注入を次から次へと欲する危なさがある。
  ロックにすると、冷えることにより爽やかさが増し、より一層飲み易くなる。 何かしら米のふくらみを感じさせる味になっている。
  お湯割りにすると、薫風の如き爽やかな甘味が引き立ち、駆けめぐる旨さ、意外な飲み易さに思わず膝を打つ。 まさに大地に色彩と精気を取り戻させる南風を受けたときの印象に類似している。

  この焼酎は「黒糖焼酎はロックで!」という圏外人の頑迷な固定観念を見事なまでに覆し、お湯割りでも「ダイヤメは任せやんせ!」という充足感を放っている。 なるほど、奄美地方に於いても、焼酎の一般的な飲み方はお湯割りと言う厳然たる事実を納得させられる逸品である。
  お薦めの飲み方はショットグラスで飲む生も捨てがたいが、お湯割りの旨さは特筆物である。

                         平成14年3月8日記載