宝満


宝満
   上妻酒造   熊毛郡南種子町中之上2480   Tel 09972−6−0012
   ゲットした日:平成12年8月15日

   今年のお盆はカミさんが子供を連れて実家に帰ったので、殊勝にも親孝行でもと思い、両親を霧島に連れて行った。その帰り、鹿児島の某越百貨店に寄り、両親の買い物が終わるまで地下の酒売場をぶらつくことにした。私はデパートに入ると頭の痛くなる人なので、悲しいことに地下の食料品売り場か最上階の展望レストランにしか足を踏み入れないように自制している。
  この某越百貨店の酒売場はライバルの山O屋に比べると、想像を絶するほど貧弱である。陳列している焼酎に至っては、何のこだわりも見られないし、品数も両手で足りるほどであった。全国展開の百貨店が焼酎王国鹿児島にせっかく店舗を構えているのだから、芋焼酎コーナーを充実させ、さらに鹿児島を起点に全国に売り出してくれよ!・・・なんて悪態を付きたくなりそうであった。
  この中から垂涎の焼酎を探すのは至難の業であるので、焼酎ゲット!は諦めようかと思った矢先、「赤米こうじ仕込み」と言うのが妙に目に入ってしまった。値札を見ると2,600円となっている。高い!しかし興味ある!でも高い!・・・等と逡巡しながらも、私の場合最後に勝つのは必ず好奇心なのである。(^_^;)
  赤米とは米の原始的な品種で、縄文の頃は良く栽培されていたそうで、お祝い事に作る小豆入りの赤飯は、元来は赤米を原料として作られたらしい。種子島の南部は白米と合わせて赤米も少々作っていることは以前新聞の記事で読んだことがあった。最近では各地で赤米を作っているようで、私も3月に霧島に行ったときに某売店で赤米を購入した。値段は目が飛び出るほど高く、普通米の4〜5倍程であったように記憶している。
    考えてみると、芋焼酎と言っても米麹を使用するわけであるので、焼酎原料のかなりの部分を米が占めていることになる。さすれば、この赤米がどの様に焼酎の味に反映するのかが興味津々である。
  生で飲んでみると上品で透明感のあるスッキリした味わいで、さほど芋焼酎独特の薫りは感じさせない。これに氷を浮かべると甘味の凝縮したような深くてまろやかな味になり、芋焼酎そのものの味ではあるのだが、全くクセがなく飲みやすい。
  お湯割りにすると、さほど薫りは強く感じないのだが、芋焼酎独特の上品な甘味が引き立ち、なおかつとても飲みやすい。後味も爽やかである。
  我々が芋焼酎の薫りと感じていたのは、ひょっとしたら米麹の薫りに起因するものでは・・・と感じさせるぐらい、特徴的な焼酎である。薫りを押さえて、味わいはそのままと言う、芋焼酎に慣れない人でも楽しめる逸品ではないだろうか。
  種子島は紫芋を原料にした焼酎安納芋という糖度の高い唐芋を原料にした物、さらに赤米麹と色々ユニークな焼酎作りが盛んなところで、是非現地蔵元を訪ねて地焼酎を堪能してみたいものである。

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