ハイカラさんの黒麹造り 

                        
 岩川醸造(株)   曽於郡大崎町岩川6557−6
    Tel    0994−82−1151
      ゲットした日 : 平成15年7月9日
                     

ハイからさんの黒麹造り  愚生は焼酎だったら何でも好きなように、焼酎CMはどれも好きなのだが、薩摩の懐かしい町並みの映像に、「急がずゆっくりと!ハイからさんの黒!」のコピーが流れる榎木孝明氏演じる「ハイからさんの黒麹造り」のTV-CMは、銘柄名によくマッチしまた薩摩人の琴線に触れるようで、何度見ても見飽きない。 これは焼酎CMの白眉を思っている。(^_^;)
  
  6月中旬ごろから、焼酎CMに煽られた盟友Aptiva野郎師は新発売のこの焼酎を探して岩川醸造の地元大隅方面の酒屋を徘徊したらしいが、数回に及探索活動にも拘わらずなかなか発見出来ず、7月になってやっと鹿屋市で店頭に並んだ物を購入し、拙宅に届けて下さったものである。 いつもながらの粘り強い探索心に敬服すると共にご芳情に感謝感激!

  ラベルには榎木孝明氏作のセピア色した古い酒蔵のスケッチが描かれ、中央に「黒麹造り」の墨書が鎮座し、いかにもレトロな雰囲気は薩摩の伝統風土が横溢し、好感度大である。 アルコール度数25度。 一升瓶の他にも5合瓶がきっとあるはず。

  生で飲んでみた。抑制のきいた穏やかな薫りを嗅ぎながら口に入った液体はさっぱりと軽い口当たりである。 舌の上を転がしても激烈さを主張することなく、控えめな甘さに何かしら虚飾を嫌う薩摩女本来のしなやかさを感じる。 嚥下した後の糸を引くような余韻も日常的なダイヤメ酒らしい安らぎを感じさせる。
  ロックにして冷やすと、舌に絡みつくようなコクが際立つようである。溶出した水との親和性も抜群で、ロックに特化した・・・と訝しがりたくなる程である。
  お湯割にすると、軽やかで落ち着いた味に戻る。燗冷ましの味もまことに柔らかく甘い。

  この焼酎を飲みながら、銘柄名、ラベルそしてTV-CMに思いを馳せると、何かしら子供の頃の想い出が蘇る。 記憶回路が混線断裂し、痴呆に陥ったのではと狼狽するのだが、表しようもない懐かしさと優しさに包まれすっと心に染み込んで行く・・・、そんな想いにさせる酒なのである。
  どのような飲み方でも存分に実力を発揮しているが、ロックが一押しだろうか。
  
                   平成15年11月28日記載