吹上焼酎


 吹上焼酎   加世田市宮原1806    Tel 0993-52-2765  Fax 0993-52-0627

吹上酒造1  焼酎「吹上」の名は、子供の頃より知っていたのであるが、残念ながら未だに口にしたことはなかった。長男の友達の父親(あまり焼酎を飲まない方らしい)が吹上酒造に勤めており、一度は飲まなければと引け目に感じていた。
 加世田のメジャーな酒屋さんにはほとんど置いているので愛飲家は結構多いのだろう。

 工場
は益山にあり、金峰町宮崎交差点から、新しい県道を吹上浜海浜公園に向吹上酒造2かって走っていくと、焼き肉の「信心」(ここももうすぐ止めるそうだが・・・)を過ぎた左手に看板が見えてくる。工場は住宅地の中にあるが、東面は田んぼに面している。工場の近くによると、結構大きく、煙突と3階建てぐらいの倉庫がある。
工場の周りをぐるりと回ってみると赤煉瓦の倉庫があった。昔の造り酒屋風で雰囲気がある。事務所と販売所の矢印があったが、日曜日で誰もいず、ここでは買えなかった。

吹上酒造3
  

ラベル
は昔の吹上浜のイメージを残しながらも、現代風の感じの良いデザインで、目でも楽しめるようになっている。

  色は無色透明、澱などは見られない。
吹上  臭いは・・・芋の匂いがあまりしない。不思議に思ってラベルを見ると、原材料薩摩芋、麦となっていた。芋と麦を一緒に発酵させるわけはないので、芋焼酎と麦焼酎とのブレンド品なのである。
  生で飲むと、癖のないまろやかな味で、わずかに芋焼酎の味が舌に残るが、むしろ麦焼酎の透明感の方が強い気がする。
  湯割りでは、やはり芋臭さが少ないため、初めての人でも抵抗なく飲めそうであるが、芋焼酎独特の味に深みが増すことが少ないので、私たちにはちょと物足りないが、芋焼酎初心者には十分受け入れられるのではないだろうか。


  オンザロックで飲むと、冷えて焼酎の味がより一層舌に際だつ。透明感も増し、味わい深く、少しも嫌みな味が残らず、さらにわずかな芋の香りを楽しみながらすんなりと飲める。
 私たちにとっては、芋焼酎と麦焼酎をブレンドするなんて、とても考えつかないことではあるが、ヘーゲルの弁証法的アウフヘーベンを目の当たりにしたような驚きを感じている。
  よく考えたら、吹上酒造には清酒「大関」が資本参加しているため、全国レベルでの流通を目指し、万人に受け入れられるように芋臭さを抑え、なおかつ他の麦焼酎とは一線を画する製品を作っているのだろう。その冒険心に拍手を送りたい。
   この焼酎の飲み方はロック、水割り系統がベストで、さらに酎ハイ系統にも合いそうな気がする。もちろん、お湯割りも十分に楽しめる。


平成13年6月27日加筆
  1年程前より「吹上」の原材料が唐芋と米麹だけになり、麦焼酎混入ではなくなってきた。やはり本格的な芋焼酎の需要を考えてのことであろう。また意欲的な製品を次々に出している。我々芋焼酎党には歓迎すべき事柄である。新製の「吹上」はやや軽口タイプの焼酎に出来上がっており、ロック、お湯割り共に楽しめる。

   亀ヶ丘
  バレンタインデイ「亀ヶ丘」を2本貰った。チョコレートでは私が全く喜ばないことを良く知っているみたいである。
   この焼酎は吹上酒造が亀ヶ丘に湧出する水で作った、大浦町限定焼酎で、大浦町の小売店でしか購入できない。大浦町には造り酒屋がないので、町民の焼酎として結構親しまれているそうだ。
  ラベルは亀ヶ丘からの大浦町側の展望とパラグライダー(大浦町はこれを町の名物にしている)を写真に乗せており、ローカル色を前面に押し出している。
  この焼酎は「吹上」と同じ芋焼酎と麦焼酎のブレンド品であり、も「吹上」と殆ど同じであり、私にはその違いが解らない(_,_;)。無理に違いを引き出すとなると、若干味に円味が有るというか・・・でも、自信が全くない。(^_^;)
と言うことで、オールマイティ、どんな飲み方にも合いそうな焼酎である。