第9夜  三日酔い
  台帳管理人さんから、「京都の長者庵孫助の大将塩田酒造の社長より果たし状が届いたので、薩摩隼人の心意気を示しましょうぞ!」とのメールが届いた。 聞くところに依ると孫助大将京都本格焼酎党の教祖の如き人物で、関西地区を中心に焼酎愛飲家増殖に多大の功績があるらしい。 一方、塩田社長は職人気質と豪気さ故に「ヤマイモ掘り」の勇名を全国に轟かせ、飲んべーに大いに畏れられている人物らしい。

   超大物をお迎へしての飲ン方となると、なまじ小細工など弄さず、島津義弘公の敵陣正面突破の如き飲みっぷりを披瀝し、万が一矢尽き刃折れ討ち死にしたときには、屍を拾い錦江湾に葬って貰うために、体格抜群のマルダイさんを伴った。 もちろん惨めに酔いつぶれてしまっては加世田ジゴロの名折れであることは言うまでもなく、かなり気合いを入れて、「7ツ半」に赴いた。 着いた時刻も店名にちなみ7時半とは何たる幸先の良さ!(笑)

  他のメンバーは1時間ほど前より飲んでいるせいか、すっかり出来上がっている様子である。 後れを取ってはならじと焼酎を注文すると、「まずはビールじゃなくても良いのですか?喉乾いてません?」と孫助大将の優しい言葉が返ってきた。 「いや、今日はこれ一本で行っもんで。」と薩摩人らしく無骨に答えたのである。

    七つ半飲ン方1 
  まあ、とにかく陽気です。(^^)  左からマルダイさん、孫助大将、東Oさん、塩田よかにせ社長、台帳管理人さん。 まあ、皆さんお若い。 飲み負けるはず・・・(^_^;)


  塩田よかにせ社長の作ってくれた「百合」のお湯割りをズビズビズ〜ッと飲む。 旨い! 柔らかく深みのある味わいである!
  シミジミしようとした矢先に隣の孫助大将がバルカン砲のようにしゃべり出した。 ううっ・・・テンションが明らかに違う! 完璧に乗り遅れていると自覚し、ハイに成るべく次々に焼酎をお代わりした。 普段寡黙な筆者でも饒舌になれるほど飲んだのだが、孫助大将の喋りは止まるよすががない。 よかにせ社長が「お前だけ喋らんと、にっしーさんにも喋らせや!」と何故か関西弁で注意が入る。 やっと喋れる、と一言二言ボソボソと話すのもつかの間、もうじれったそうに孫助大将のバルカン砲が炸裂する。 か、か、勝てない!(_,_)  それに、話が面白すぎるぅ・・・! 仕方なく飲む方に専念する。

孫助大将&Aptivaさん   もう孫助大将とよかにせ社長の漫才をみんなひたすら拝聴して笑い転げている構図になってしまった。 陽気なAptiva野郎さんも感動の余り目が据わって黙りこくり、孫助大将に抱きつく有様である。
  9時過ぎ頃より、よかにせ社長が敬愛して止まない東O酒店のご主人も加わり、「おじきぃ〜」とか「あにきぃ〜」とか「おい、てつ!」なんて言葉が飛び交い、任侠の世界に飛び込んだのかと錯覚してしまう。
ほとんど食べないまま、焼酎に対する愛着の深さに感嘆し、なおかつ漫才に大笑いして「百合」を鯨飲する。 これでは泥酔しますな。(^^ゞ)

    七つ半飲ン方2
   このころから記憶が断片的になってしまった・・・(^_^;)  左からAptivaさん、にっしー、孫助大将、東Oさん、塩田よかにせ社長、台帳管理人さん。


  12時前に「7ツ半」を出て、若いお姉さん達のいるお店に連行されたのだが、何処をどう歩いたか定かではない。 全く酩酊状態で「いざ行け若鷹軍団」を歌ったのは憶えているが、ここでも「百合」を鯨飲したような・・・?(^^ゞ)
そしてシャッターを押した憶えもないのに男性のセクシーショットが・・・(^_^;)

  「情けなかが、加世田ジゴロは負けもした。もう飲んがないもはん。」と甑島・孫助大将連合軍の軍門に降り、1時過ぎに放免された。
  感動と屈辱感が錯綜した足取りで天文館をフラフラと彷徨いながら、泥酔のために飽食中枢が麻痺しているのか、それとも定番に対する条件反射なのか、マルダイさんと和田屋に入り、ビールとラーメンを頂いた。
  加世田に帰投したのは2時半であり、素晴らしい人達と知り合えて、共に飲み語った(ちょっと一方的ではありましたが(^_^; )充実感に浸って床に付いた。

  しかしながら天国の後には必ず地獄は待っているものである。 翌朝はまだアルコールが抜けずに酔っぱらっている状態。 午後より激しい頭痛に襲われ、いわゆる激烈二日酔い状態。 やむなく禁酒を決行し、翌々日を迎えるも終日頭痛癒えず、夜行われた南薩初夏の美味珍味の会合にもウーロン茶でやり過ごす体たらくであった。 筆者にとって前代未聞・驚天動地の2日連続禁酒を余儀なくされた飲ン方でということになる。
 分別と思慮深さ併せ持つべき初老の理性を完膚無きまでに殲滅し、三日酔いに至るまで痛飲させた「百合」、よかにせ社長及び孫助大将に畏敬の念を禁じ得ない。

 *後日談であるが、よかにせ社長と孫助大将はその後2日間甑島で朝6時半まで痛飲していた由・・・何も申しますまい。 素直に恭順の意を表します。


表紙   焼酎の部屋   焼酎伝道師の集い    第8夜   第10夜
日時:平成13年5月7日
場所:鹿児島市七ツ半

 本日の主役
  百合
 参加者
  塩田よかにせ社長
  孫助大将
  東O酒店ご主人
  台帳管理人さん
  Aptiva野郎さん
  マルダイさん
  にっしー
  

 メインディシュ
 ほとんど憶えていない (^_^;)
 ハモの梅酢合え
 アサリの酒蒸し
 
       etc.