千鶴(ちづる) 

                        
神酒造(株)     出水郡高尾野町大久保239番地
Tel  0996−82−0001
ゲットした日 : 平成14年3月20日
                     

  
千鶴  神酒造のある高尾野町は出水市に隣接しており、鶴の飛来地として有名である。 しかし残念なことに同町内国道を通過したことは何回もあるが、町に足を踏み入れたことは一度もない。(^_^;) 我々南薩の人間には、北薩県境の地は異国という印象が強くなるのだが、幕藩体制下に於いては出水地方は国境の要衝として、出水兵児(いずみへこ)と呼ばれる精鋭部隊が屯田兵として守備に当たっていた場所である。 また平地の少ない南薩・県央部と較べ豊かな平野が広がることも、この地に一種畏敬の念を起こさせる要因なのかも知れない。

  神酒造のホームページによると、創業は明治5年で現社長の神孝輔氏が5代目とのことで、県内酒造所では老舗中の老舗と言えよう。 昭和33年、主要銘柄名を「神焼酎」から鶴の飛来にちなんで「千鶴」と変更して現在に至っているらしい。 

  この焼酎はAptiva野郎さんが投下して下さった多弾頭爆弾の一つで、毎度のことながら美味しく嬉しい被害に遭っている。(^_^;) しかし、彼は拙宅にかようにも大量の爆弾を投下して、小遣いは大丈夫なのだろうか? 自分の健康よりも友の懐具合を心配するというのは焼酎が取り持つ美しい友情の所作と言えよう。(^^ゞ)
  トラディショナルな絵柄のラベルには鶴と松が描かれており、何ともお目出度いのである。 一次仕込みは甕を使用し、仕込み水には紫尾山系の地下水が利用されているらしい。 アルコール度数25度で、5合瓶の他に1升瓶、さらに米製もあるらしい。

  前置きはこれぐらいにして酎飲後感を簡潔に述べると、ふくよかな甘味が前面に出た伝統的な味わいと言えよう。 地元の焼酎通がお湯割りでダイヤメすることを念頭に仕込んだ製品と推察するが、燗付けのみならず、生でもまたロックにしても濃醇な芋本来の旨味が遺憾なく引き立ち、焼酎を愛でる喜びを再認識させるような味わいである。 地焼酎のあり方を何の衒いや修飾もなく直截に表現した逸品である。
  お薦めの飲み方としてはやはり芋焼酎の王道お湯割り系統でしょうね。


                          平成14年4月22日記載