壱乃醸朝日


          朝日酒造(株)     大島郡喜界町湾41−1
                   Tel  0997−65−1531
          ゲットした日 : 平成13年8月19日 

  
壱乃醸朝日
  現在流通している一般的焼酎原料の内、最も高価なものが黒糖で、次が唐芋となっている。 鹿児島では主食の米は貴重との理由で、唐芋や黒糖を原料にした焼酎造りが主流になったわけだが、現在ではその何れもが他原料より高価で、逆に米は有り余り、国中減反の嵐が吹き荒れていると言うのも皮肉なものである。 黒糖焼酎は原料費が価格を圧迫しているらしく、奄美地方の大半の焼酎蔵では地元産の黒糖を横目にして、比較的安価な沖縄産黒糖を使用している。
  そのような情勢の中、朝日酒造はこれまでサトウキビ栽培から一貫した文字通りの地焼酎造りを目指して来ており、満を持して世に送り出されたのがこの「壱乃醸朝日」である。 アルコール度数25%で4合瓶と一升瓶がある。 

  生で飲んでみた。 黒糖焼酎独特の甘美な薫りが立ち上る。 軽やかな飲み口でありながら、黒糖焼酎のコクと繊細な柔らかさも申し分ない。 後味に残る余韻も優しく、このままでも何らストレス無く飲める。
  ロックにしてみた。 冷えて少々薄まっても生で感じた優しい味わいは変わらない。 黒糖焼酎はやっぱりロックだね・・・とシミジミとしてしまう。
  お湯割りにすると、やはり黒糖独特の薫りと甘味が引き立っているが、芋焼酎に慣れた舌にはほんの少しだけ、鋭利な味に感じる。 しかし、冷めてくるに連れて柔らかい味わいが戻り、とても飲み易い。

  柔らかく繊細な味わいの中に黒糖焼酎本来の奥行きのあるコクと甘さが遺憾なく発露されており、まさしく喜禎さん入魂の逸品である。 愛用のショットグラスで飲み進んでいくと、奄美大島あやまる岬から眺めた青い喜界島がグラスの中に映ったような気がした。 そして・・・4合瓶は残り少なくなってしまった。(^_^;)   飲み方としては生で優しい味わいにどっぷりと浸るのも一興かと思うが・・・。

                       平成14年1月16日記載