あらあらざけ 

                        
佐藤酒造(有)   姶良郡牧園町宿窪田2063
Tel  0995−76−0018
ゲットした日 : 平成14年1月18日
                     

  
あらあらざけ
  酒のこばやしの社長さんよりご恵送の品が届いた。 形態と音響からして4合瓶であると直感した。 ウキウキしながら包装紙を開くと日本酒4合瓶化粧箱が現れた。 「さすが小林社長じゃっど。 オイが日本酒も好じゃっち見抜いちょっど!(*^_^*)」と、箱を開けて出てきたのがこの「あらあらざけ」である。(^_^;) 逆輸入品と言えるのだろうか、薩摩から江戸に船出して、また薩摩に舞い戻ってくる・・・何とも不思議な感じである。(^_^;) 

  「あらざけ」蔵元さんを囲む会で試飲したことがあったが、この「あらあらざけ」は初体験である。 佐藤酒造のホームページにもこの商品の情報はない。 そこで焼酎電脳網界のバイブル的ウェブサイト秘剣師のひるね蔵酒亭を検索すると・・・、やはり流石である。 本格焼酎寸言に秀麗な酎飲後感が記載されていた。 それによると平成12年12月には世に出ており、「あらざけ」とは異なった酒質らしい。

  銘柄名が気になって色々と妄想を膨らませてみた。 「あらざけ」とは「新しい酒」なのだろうか? それとも「荒い酒」なのだろうか? 原酒であるから、両方掛けているのだろうか? 「あらあらざけ」「あらざけ」「新しい版」と言うことか? それとももっと激しく「荒々しい版」と言うことだろうか? 等々ノンベーの思考は取り留めが無く、たわいないのである。(^^ゞ)

  商品はコルク製円柱状の箱に丁重に入れられた2合化粧瓶である。 アルコール度数は38度。 箱には「原酒 2001 VINTAGE 」のラベルが貼られ、「新原酒」と記載されていることより、ワインのように唐芋収穫年毎に異なる味わいの無濾過原酒らしい。 とここまで書いて、前出の小林社長に問い合わせた所、2001年版は清酒好適米の五百万石を60%まで磨き麹米としているそうである。 ちなみに2000年版は山田錦を同じく60%まで磨いたそうで、麹米を含め諸々の設計は毎年変える方針のようである。

  生で飲んでみた。 華やかな薫りなのだが、比較的和らいだ表情を見せているようである。 口に含むと旨味がサーッと拡散するが、荒々しさは全くなく、柔らかくまろやかで甘さが際立っている。 芋焼酎本来の多面的広がりの味わいを持つと言えよう。
  ロックにすると、口当たりが良くなり、口腔、喉の通りが数段良くなる。 得も言われぬ上質の甘味とまろやかさに満ちており、ウィスキーにありがちな刺々しさ等は微塵もない。 この個性! 滑らかさ! これは旨い! 
  何とも妖艶で官能的な風味は、蔵元の佐藤専務秘剣師のご提案の如くワイングラス等洋酒系のグラスで嗜むのが楽しいかも知れない。 焼酎もこれ程までお洒落に進化したのかと感慨深い物がある。 と言いつつ、旨さのあまり野放図にゴイゴイ行ってしまい、容易に危険水位を突破し、翌朝後悔の憂き目を見ること請け合いでしょうね。(^_^;)

  銘柄名の「あらあらざけ」は人を寄せ付けない「荒々しさ」ではなく、「あらざけ」を超えた「新しい範疇」の焼酎であると愚考している。 食中酒としてもまたナイトキャップとしても最適な逸品と言えよう。


                         平成14年2月22日記載