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ウエハースの椅子

 

 読みはじめた時,いつもは一気に読んでしまうあたくしが,途中でやめてしまった本.それは内容がキライとかではなく,読んでいる途中で,訪れるであろう結末が理解できないと悩んだから.そういうこともあり,しばらくして読み終えました.

 ほんわかくじらのこの本の中で持ったキーワードは“死”です.あたしのなかの死のイメージは“白”.死に近付くにつれて,いろいろなものの鮮明度が上がって,最終的に真っ白になてしまう...そういうイメージ.死は唯一絶対の自由であり,そして再生の象徴.再生という観念は別に宗教的なものではないと思います.だって死んでしまった動物は土に還り,新たな生命の糧となるでしょ??ま,ありふれた概念ですけど,あらためてそんなことを考えたのでした.

 これは後で知った事なのですが,この話は幸福に行き着いてしまった,その先を描いた作品だというようなことを辻仁成さんとの対論集“恋するために生まれた”で語っています.自分にはそれが死と同一に見えた.もしかしてあたしはどこかで逝きたいと思っているのかもしれない.

この作品の感想文を自分の曲の歌詞にしたりもしました.

→ ウエハース (視聴には要 real playerG2 以降)

 

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2004/01/01〜